キャリアアップコラム vol.211
本当に「今」、転職すべきなのか?

スッキリと新たな環境に飛び込めるのは、現職に対してケリをつけてから

最近、悩み抜いた末に企業からのオファーを辞退して現職に残ることを決意したGさん。私はその企業にGさんが魅力を感じていたのでこのチャンスをぜひ掴むよう入社を勧めていましたが、最後に出てきたGさんの言葉を聞いて考えが変わりました。Gさんはまだ現職で異動して数ヶ月という状況であり、ここで結果を出さずに別の環境に移るのは中途半端だと、「リベンジしたい」と言われたのです。その突然の異動が発端となった今回の転職活動ではありましたが、その気持ちがくすぶったまま転職しても、確かに自信を持ってパフォーマンスを出すことは難しいでしょうし、何よりずっとモヤモヤしたものがGさんの内面に残り続けることはご本人にとっても企業にとっても良くないと感じました。結果的にその企業にご入社いただけなかったことは残念ではありましたが、これからGさんが現職の新しい部署でご自身が納得のいく成果を挙げられることを心から願っています。

やりきったと清々しく言い切れるなら、機は熟したと言える

一方で、もう充分に今の環境でやれることはやり切り、そのうえで次のステージを探したいという方もいます。先日、数年前に転職をお手伝いしたKさんから久しぶりにお電話があり、「転職したい」と言われた時はドキッとしました。入社された企業で様々な苦労がありながらも、非常に充実した日々を過ごしイキイキ仕事されている印象だったからです。ただ、よくよくお話を聞いてみると、今の環境に飛び込んだことにまったく悔いはなく、本当に人生でも一番といっていいほど輝いていた時間だったとのこと。ただ、それだけ仕事に打ち込んである程度自分がいなくても業務が回せるだけの仕組みをつくりあげたと言えるからこそ、もうこの環境でこれ以上自分がやれることはあまり無いのではと、社外に新たな機会を求めたいという前向きな状態でした。Kさんの「現職でやりきった」という達成感はこちらが見ていても清々しく、それならぜひ私もKさんの次のステージに相応しい企業を探したいと思った次第です。

本当に「今」「このタイミングで」転職するのがベストなのか

今回は対照的とも言えるような2人のケースをご紹介しましたが、皆さんもご自身の状況と照らし合わせてぜひ今一度内面と向き合ってみてはいかがでしょうか。まだ現職でやれること、やり切るべきことがあるのではないか?あるいは、スッキリとした気持ちで外に向かうことができるのか?もちろん、会社の業績不振や自身の体調の問題、家族の事情などでやむを得ず現職を辞めることになるケースもあるでしょう。必ずしもご自身の区切りの良いタイミングで転職できるとは限りませんし、そうそう前向きにばかり考えられない現実もあると思います。ただ、もし今すぐに辞めざるを得ない特別な事情が無く、ご自身で転職のタイミングを選択できる場合は、ぜひそれが「今」なのかどうかを見定めていただきたいと思います。そのことが、仮に現職であろうと転職先であろうと、今後のあなたが仕事で持てる力を100%発揮できるかどうかにつながってくると思うのです。もし第三者の意見を聞いてみたいと思われる場合は、いつでもご相談に乗りますので遠慮なくご連絡ください。

(2019年9月20日)

今回の教訓&アドバイス

本当に今転職すべきかどうか、タイミングを見極めることが重要。

現職でやり切ったと言えるかどうか?NOなら現職で結果を出してから。

転職のタイミングに迷う場合は、コンサルタントなど第三者に相談を!

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
神田 昭子
日系大手グローバルメーカー、ベンチャーの経営幹部、事業会社のIT系ポジション(セールス、データサイエンティスト、企画職等)を主に担当しております。
デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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