キャリアアップコラム vol.219
市場価値を上げるための3つの心得

市場価値という言葉に振り回されず、自分が狙う市場はどこかを考える

弊社ではコンサルティングファームの方、総合商社の方、大手事業会社の方などの転職支援をすることが多いのですが、その中で「自分の市場価値を上げるにはどうしたらいいか?」というご相談を度々耳にします。

市場価値を考えるにあたり、どの「市場」を狙っているのか、これが非常に重要です。狙うべき市場を間違えたり、「具体的には特にないけど、なんとなく全体の市場」と認識してしまったりすると、取るべき選択肢が取れず、誤った行動につながります。

プロ野球の市場を狙うのか、芸人の市場を狙うのか。スタートアップのCxO市場を狙うのか、大手の経営企画市場を狙うのかなど、狙う市場によって身につけるべき経験やスキルは変わってきます。「市場価値」というビッグワードに惑わされずにどの市場を狙うのか、自分は将来どうなっていきたいかをまず考えてみるのがいいかもしれません。

転職前にすべき優先順位1位は、現職で圧倒的な成果を出すこと

とはいえ、様々な方とお話ししていても将来やりたいことがない人の方が多く、「どの市場がいいか」を議論しても、すぐに絞りきれないのが一般的です。多くの方は「年収を上げたい」、「転職の選択肢をできる限り増やしておきたい」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。そして同時に「将来的な転職のために今何をしておくべきか?」という質問も多数いただきます。その問いに答える際は必ず「現職で圧倒的な成果を出すこと」とお伝えしています。

転職活動において最も重要な要素は、その人の成し遂げた実績です。実績や圧倒的な成果は嘘をつきません。なお、この実績は転職先の業種や職種と同じであればもちろんベストです。しかし、他業種・他職種であっても、類まれなる実績や何かに突出したスキルを持っていれば、その方はきっと評価されるでしょう。

ただ、その実績が偶然の産物ではなく、「意図して成し遂げられたもの」という再現性が非常に大事になってきます。採用側は、「うちの会社でもその成果を再び出せるのか?」という再現性を常に意識して見ているのです。

「転職先の新たな環境で頑張る!」と意気込む前に、まずは今の環境で頑張り、目に見える成果を出すことに死ぬ気でチャレンジする。これが市場価値を上げるため最も必要なことです。

市場価値を高められるのは、チャンスをつかみリスクテイクできる人

過去お手伝いさせていただいた方の中で、市場価値を高めた人(ここでは一旦、市場価値=年収としています)には大きく2つの共通する特徴があります。

1つ目はタイミングを自分で理解している点です。転職活動は恋愛や結婚と同じで「ご縁」や「タイミング」の要素が大きく、その瞬間にスパッと決断できるかが大事になってきます。狙っている市場から見た時の自分の旬な時期がいつなのか、何歳でのジョインが即戦力性とポテンシャルのバランスがよいのか等、巡ってきたチャンスに手が届く人かが大きな分かれ道になります。

2つ目がリスクテイク(チャレンジ)できるかです。中長期のトレンドで見た際に、年収を大きく伸ばしている人ほど、一時的に年収を落として転職されている方が珍しくありません。新しい市場にチャレンジする際などは即戦力性が落ちてしまったり、まだ年収が出ない企業だったりと様々な年収ダウンの理由があります。しかし成果を出す再現性のある方は、たとえ一時的に年収を落としたとしても、すぐに結果を出して認められ、自ら年収を上げていかれる方がほとんどです。

結果を出して年収を上げるまでの過程は簡単なものではないはずです。しかしその過程の修羅場経験だったり、ハードシングスであったりが、その人をさらに成長させ結果として市場価値を高めることにつながるのだと思います。

(2020年5月20日)

今回の教訓&アドバイス

市場価値を高めるためには、「どの市場」を狙うかを考える

市場価値を高める近道は、現職で圧倒的な実績を出すこと

自分の旬を見極め、リスクをとってチャンスを掴み取りましょう

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
山本 航
戦略、総合ファームなどのコンサル転職を主な専門領域としています。その他、コンサル経験者(ポストコンサル)の転職支援として、ベンチャー/スタートアップ、事業会社などの幹部採用支援にも注力しています。
プロダクトマネージャー専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
キャリアのプロに相談してみませんか?

「もっと詳しい話を聞いてみたい」、「自分のキャリアについてアドバイスが欲しい」
等のご希望がございましたら、お気軽にご相談ください。

中長期キャリア相談(無料)

同じカテゴリーのバックナンバー

キャリアの相談をする