オンライン面談が増え、転職活動がしやすくなった
コロナ禍の影響により、今後の自分の生き方、働き方について考える時間が取れるようになったからでしょうか、大変ありがたいことに相談いただく機会が増えております。在宅勤務でのオンライン面談によってお時間の調整がしやすくなったということも理由の1つにあるかもしれません。
こうした環境が変わる中、改めて何を大事に次の職場を選ぶと良いのか、整理しきれずお困りになっている方が多い印象です。そこで今回は転職する際に大事にしたい点をどう考えたらよいのか、俗に言う、転職の軸の考え方、見つけ方についてお伝えできればと思います。
転職先を選ぶ軸は20以上。mustとwantを見極めることが重要
次の転職先でご自身が何を求めているのか、何を大事に選択したいのか、いわゆる転職軸をしっかりと考えておくことは非常に重要です。最終的にどちらの企業にするのか悩んだ際、ご自身の価値観や自己理解を深めていくと選ぶ上で良い意思決定につながります。
とはいえ、転職軸といっても様々です。試しに例をあげてみると、業種、事業内容、組織、カルチャー、職務内容、経営ポジション、裁量、権限がある、働き方、家族、勤務環境、報酬、自己実現、成長環境、キャリアパス、グローバル、社会貢献、即戦力、トータルイメージなど大きなキーワードをあげただけで20以上の選択軸がございます。この20の軸を更に細かく考えていくと大変な数になります。
ここまでくると頭の中で考えているだけでは整理しきれないかもしれません。そこで、弊社では転職軸を整理するための“Value Finder”というシートを独自に作っておりそのシートを候補者の方と共有しながら進めていきます。
シートの内容は各項目に対して、一つずつ自分にとってmust条件なのか、want条件なのかを選びます。そうすることで改めて重視する転職軸が見えてきます。
自分の転職軸が明確になれば、最終的にどの会社を選ぶべきかがわかる
私が担当をしているAさんの場合、must条件がトータルで何個かあったのですか、そのmust条件の中からベスト5を洗い出し整理を行いました。Aさんが選んだ重要な項目は、①裁量、権限②経営(経営の視座を得る)③社会貢献(社会課題解決)④即戦力性(経験、強みを活かす)➄報酬(キャッシュ)です。
もちろん、選んだ項目だけを見るだけでは、Aさんにとっての本当に大事にしたいことはわかりません。そこで、シートを共有しながらAさんにとっての裁量とは何か、経営の視座とはどんなことを得ることなのか、社会課題の解決とは何なのか、具体的にヒアリングをしながらAさんの転職軸をより理解する時間を取ります。
選択の軸がわかっているので、各応募企業、求人毎に何に魅力を感じているかが明確になり、自分にとってどんな情報を知ることが企業選択において必要なのかもわかってきます。そのため、面接や面談を通じ企業から自分が知りたいと思う情報をしっかりと得ることできました。
選考中、意思決定の際にもこのシートを活用することで良いご決断につながったと思います。Aさんの場合は、選考を進めてからシートを活用しましたが、転職先に関する志向や希望が曖昧な方、企業、ポジションをどのように選んでいったら良いか分からない方、オファー獲得後、決め手に欠けるなどの理由で決断を迷っている方にも、おすすめの方法です。
今回の教訓&アドバイス
転職活動をする前に、転職先を選ぶ軸を洗い出す
自分にとっての企業選びのmust、wantを知る
選択の軸が明確なら意思決定もスムーズに
佐野 慶樹
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