キャリアアップコラム vol.230
転職時の給与の考え方

今すぐの転職ではなく、良いところがあれば転職を検討したいという相談を受けることがございます。現職にはそこまで不満はなく、自分のキャリア上にプラスになる、より良いチャレンジの機会があれば転職をしたいという方や、現職より給与が上がる機会があれば、前向きに考えたいといった方々です。後者の方の具体的なご相談は、今の会社の給与水準が高いのか、自分がやっている業務に対しての報酬は妥当なのか、給与が上がる先が本当に見つかるのかといった内容が多いです。そうした相談には、転職時の給与を考えるうえで、給与を決める4つのポイントについてご説明をしております。

 

給与を決める4つのポイント

転職時の給与を考える上で大事なポイントは、「企業の利益率」、「会社の給与に対する考え方」、「職務内容」、「即戦力」の4つが大事とお伝えをしております。

1つ目の「利益率」は、シンプルに今所属されている企業の事業より利益率が高いビジネスを行っているかを考えてみることです。利益率が高い企業に行けば、当然給与が上がる可能性はあります。

2つ目の「会社の給与の考え方」とは、要は利益を給与に還元する考え方が、会社にあるかどうかという話です。より分かりやすくいうと内資系から外資系企業に移れば給与が上がるというイメージです。同事業の会社によっては評価基準やこの辺りの考え方の違いにより給与の差を耳にされる方もいらっしゃると思います。

3つ目が「職務内容」。当然の話ですが、転職先でミッションは何か、どんな仕事を任せられかによって給与は変わってきます。メンバークラスより管理職、マネジメントレイヤーになれば年収が上がるという話しが1つの例です。

そして最後の4つ目が「即戦力」です。私が思うにこの4つの中で最も重要なのは即戦力だと思います。先日、ベンチャー企業に採用決定したプロダクトマネージャーの方がいらっしゃいましたが、採用される企業の給与水準とは明らかに大幅に違い、高い報酬での年収提示がございました。社長からのフィードバックによると、高い年収の提示を頂けたのは、面接での評価が高く、是非とも採用したい、即戦力として入社後の活躍をイメージできたからとおっしゃっていました。

元々、プロダクトマネージャーを採用する予定はなかったにも関わらず、こうした提示をして頂けました。即戦力以外の3つのポイントで年収が上がりそうか予測はつきますが、面接のご評価によっては、3つの軸を覆す年収提示があるということもございます。ですので、面接の場で、以下にご自身が貢献できる人物であるかを企業にしっかりとお伝えをすることは非常に重要です。

給与以外の価値観も大切に

これまで年収アップをするためのポイントを記載しておりましたが、年収以外のご自身の価値観も見直す重要性についても最後にお伝えをしておきます。

私の候補者であるAさんに2社同時にオファーがございました。1社は現年収より年収が300万円以上のアップ、もう1社は年収が100万円のアップでした。どちらに意思決定をしたかというと後者の企業に意思決定をされました。最終的な決め手をお伺いすると正直年収アップには心は踊ったが、今回の転職ではマネジメントの機会があり、次のキャリアップの可能性が目指せるところ、これまで経験したことがない仕事を実施し新しいスキルを身に付けられる機会があること、自分の強みが最もいかせることで決めたとお話しをされていました。

年収が上がることは企業から評価をされ、嬉しいことではございます。そこで、すぐに飛びつくのではなく、この方のように落ち着いて、年収以外のご自身の価値観も見つめ直し、転職先を決定されることもお勧めします。

 

(2021年4月20日)

今回の教訓&アドバイス

給与を決める4つの軸

即戦力として認められること

給与以外の価値観も見つめる

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
佐野 慶樹
サービス(流通小売、外食、ホテル、アパレル、エンタメ)、IT/WEB、ヘルスケアの企業などを担当。特にBtoC向けサービス企業が得意です。ポジションはCXO、経営企画、事業企画、管理部門、マーケティング、料理人、パティシエなど幅広く担当。 プロフィールをみる
キャリアのプロに相談してみませんか?

「もっと詳しい話を聞いてみたい」、「自分のキャリアについてアドバイスが欲しい」
等のご希望がございましたら、お気軽にご相談ください。

中長期キャリア相談(無料)

同じカテゴリーのバックナンバー

キャリアの相談をする