キャリアアップコラム vol.235
職務経歴書では「職務詳細」に注力すべき理由

職業柄、候補者様の職務経歴書を数多く拝見していて、フィードバックを求められることも多いです。今回のコラムでは、採用企業側が注目している点を説明し、職務経歴書作成時のポイントをお伝えします。

職務経歴書でもっとも重要なのは「職務詳細」のパート

候補者様の職務経歴書から採用企業側が知りたいことは、どんな会社でどんな仕事をしたという経歴はもちろん、「候補者様が成果をどんなプロセスで導き、どんな強みをもった方なのか」です。

そのため、職務経歴書を作成する際は、こうしたポイントを盛り込むようにしましょう。職務経歴書に限らず、情報の受け手が求めていることを念頭に置きつつ、アウトプットを作成することは非常に重要です。

そして、職務経歴書の構成要素は、職務要約、職務詳細、活かせる経験・知識・技術、自己PRに分類できます。これらのうち、最も重要なのが「職務詳細」なのです。なぜ、職務詳細が重要なのかを、候補者Aさんのお話を例にして紹介します。

「STARモデル」を活用して、背景や成果、プロセスの伝わる職務詳細に

先日拝見した候補者Aさんの職務経歴書の職務詳細パートには、このような記述がありました。(個人情報のため、内容を簡略化し、固有名詞の記載を省略しています)

役割:toB向けサービスのプロダクトマネージャー
詳細:ユーザーヒアリング、開発すべき項目の洗い出し、優先順位決、仕様検討、エンジニアやデザイナーらとの協業、テスト、リリース判断

皆さんはこの職務詳細を見て、どう思いましたか?

私は、記載内容が役割や行動に終始していると感じました。プロダクトマネージャーとしての仕事内容はわかりますが、プロジェクト全体を通して、「Aさんがどんな価値を与えてどう成長させたか」というストーリーが見えにくく、もったいないと感じたのです。

そのため、Aさんには「プロジェクトのさまざまな状況下で、Aさんがどう課題を定義して行動したか、どんな成果に繋がったかを盛り込みましょう」と伝えました。

このように、職務詳細に記載するストーリーを構築する上で参考になるのが「STARモデル」というフレーム。「STAR」とは、「Situation(環境・背景)」「Task(課題・任務)」「Action(行動事実)」「Result(結果)」の頭文字を取ったもので、これらの要素を盛り込むと、よりストーリーが伝わりやすくなります。

STARモデルについては、vol.210でも紹介しています。職務経歴書を作成する際も、ぜひ意識してみてください。

職務経歴書を作成するには、自分自身と向き合う必要がある

転職活動において、職務経歴書の作成は非常に重要な工程です。自身のキャリアヒストリーをひも解き、成果を導いたプロセスを構造化して棚卸しする中で、自分の強みも見えてきます。そして、この作業でひも解いた内容を面接で話すことになるのです。

そのため、職務経歴書の作成は面接対策のはじまりとも言えます。候補者様を知らない採用企業側からすると、職務経歴書は候補者を知る唯一の手段です。職務経歴書の作成には、ご自身と向き合う時間をしっかりと取りましょう。

(2021年9月21日)

今回の教訓&アドバイス

職務経歴書は採用企業側が知りたいことを意識して作成する

職務詳細はSTARモデルを用いてストーリーを伝える

職務経歴書作成は転職活動の成否を分ける重要ステップである

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
櫻内 智子
人組織、教育、小売、IT業界などスタートアップから大手企業まで幅広く、本社企画系、マーケティング、IT企画やPM系のご支援を得意としております。
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