皆さんは、履歴書、職務経歴書を作成する際に、どんなことに気をつけていらっしゃいますか?意外と疎かにしてしまいがちですが、書類選考という最初の関門を突破しなければ、入社というゴールには到底辿り付けませんね。スタート地点に立つために、まず最初に必要なことが、書面上で自分自身を最大限にアピールすることです。
そのために、今までの経歴を少しでもよく見せたいといったお気持ちになるのは誰しも同じでしょう。勿論、それ自体はいたってまっとうな考えで、事実の範囲内で魅力的に書きあげる工夫は是非して欲しいものです。ただ、そればかりに気を取られてしまい、色付けしすぎて事実と違った記載をしてしまってはいけません。転職活動が思い通りに進まず窮地に立たされてしまうと、つい見失ってしまうのでしょうか?もしくは、そもそも軽視してしまっているのでしょうか?私たちのように多くの転職者の方と日々お会いしていると、稀にそんな方がいらっしゃってびっくりさせられます。
実は、先日もそのことが理由で内定直前に不合格になってしまった方がいらっしゃいました。その方は、大手メーカー系システム会社や中堅SI会社でITシステム開発におけるプロジェクトマネジメント経験が豊富で、人当たりもよく、とても良い印象の方です。ご相談にいらした際にご紹介した企業が、短期間で内定手前段階まで進み、内定まであと一歩というところで、突然先方から不合格という連絡が入ってきたのです。理由は、前職への在籍確認をしたところ、職務経歴書に記載されている役職と退職年月に相違があったそうです。
慌ててご本人に確認をすると、前回の転職の時期について記憶が定かではなかったことと、ついついブランク期間があると不利ではないかという考えが働いてしまい、日付を変えてしまったそうです。また役職については、確かに正式な課長でなかったそうですが、課長が不在だったため課長としての役割を担っていたので、そう記載してしまったとのことでした。ご本人は悪気はなかったようですが、それほど深刻な問題とは受け止めていなかったことを認められ、とても反省していらっしゃいました。ただ、記入間違いではなく、意図して行ってしまったのですから、当然結果を覆すことはできません。
今回のケースのように、意図しておこなってしまうのは問題外ですが、注意して頂きたいのは、単なる不注意で記載間違いをしてしまった場合です。人材紹介会社を利用されている場合は、まず私たちに確認の連絡が入りますので、大抵は大事には至らず、明らかな記載ミスで済まされます。でも、一事が万事という諺があるように、心象を悪くしてしまうことは止む負えませんね。
かねてから、このキャリアアップコラムの中でも、定期的なキャリアの棚卸をお薦めしていますが、その際には是非、実際に職務経歴書を作成されることを強くお薦めします。ご自身のスキルや強みを再認識するだけではなく、正確な経歴を記載するためにも役立つでしょう。特に、初めて経歴書を作成される方や、組織変更が頻繁に行われる会社に在籍していた方などには、所属部署名などを含め、頭の中の記憶だけを辿って正確に書くとなると、かなりの労力が必要になりますので、時間と気持ちに余裕のある時に作成されるといいと思います。
当社をご利用いただいている方々には、いますぐ転職をお考えの方以外に、いざ転職する時のための準備の一環としてエントリーされている方が非常に多くいらっしゃいます。そういった方々には、もちろん上記のようなことをアドバイスさせて頂いていますので、大抵の方は作成された上に、定期的なアップデイトもされています。日頃から転職市場の情報をある程度把握しておきたい、希望職種に就くために今からできることなど、計画的に進めておきたいといった方など、それぞれお考えは様々ですが、みなさん、共通して言えることは、ご自身のキャリアについてとても真剣でいらっしゃるということです。 是非、皆さま方も、私たちのような人材紹介会社をうまくご利用いただいて、いざという時のために備えておくといいと思います。
(2012年3月10日)
今回の教訓&アドバイス
応募書類の内容は、細心の注意を払い事実を正確に記載すること
日頃から職務経歴書を作成していると、いざという時にとても役立つ
紹介会社にはできる限り正直な情報を伝える
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