今さらですが、100年に一度と言われるこの不況、早くなんとかならないものか多くの方がそう願っていることでしょう。不本意ながら転職活動をする方が増え、私たちの仕事にも直接的に大きな影響をもたらしています。前向きな気持ちを持たずに転職活動をしたところで、良い結果は出ません。表情が暗くなっていることに、自分では気がついていない方が意外に多いように思います。そういった負のオーラは一刻も早く取り払うことが大事ですね。
今回は、転職活動に苦戦をしていたものの、“明るく元気“を足掛かりに、見事に内定を勝ち取ったAさんのケースをご紹介します。
そもそも、純粋なキャリアアップ派と、焦って駆け込んでくる方の様子は明らかに違います。前者は余裕があり、自信に満ちていて話も冷静。一方、後者はどこか落ち着きがなく、自信を失い考えが空回りしている印象を受けます。
後者の方がこのままの状態で面接に行ったら結果は見えています。
じゃあ、どうすればいいのか?
まず大事なことは、この先不安でいっぱいであっても、人と会う時には最初はカラ元気でもいいです。是非明るい表情で、元気にふるまうことをお勧めします。一般的に人は暗い雰囲気の人とはあまり関わりたいとは思わないでしょうし、逆に元気でエネルギーがある、あるいは面白い情報を提供してくれたりする方とは会うのが楽しみなものです。この人と関わっていれば何かいいことがありそう、とか。
採用シーンでも、同じことが言えます。
勿論、求められるスキルや経験、知識や資格などの要件がマッチしていることも重要ですが、面接の場で影響する要素として決して小さくはありません。
さて、Aさんはハードウェアを扱う営業職がメインのキャリアで、組織マネジメントの経験もお持ちです。前職を退職後、約8か月間転職活動するも大苦戦中です。以前お会いした時に比べ、今回お会いしたときには別人のように暗いAさん。履歴書の写真も同様なのにはさすがに驚きです。
“Aさん、この写真を応募先に出しているのですか?”
“ハイ、そうですが。。”(何か?という感じで)
“失礼ですが写真変えたほうがいいですよ”と私。
更に続けて、“率直に言いまして、Aさんらしくないです、暗いですよこれ。これじゃあ、書類選考も通りにくいですね”と全く遠慮なし。
Aさんは一瞬、ドキっとした表情でしたが、次の瞬間“そうかぁ、そう言われてみると以前の自分じゃないですね、言われて気がつきました。さっそく写真撮り直します!”とご理解。自分の顔は毎日見ているため、今の顔が本当の顔と勝手に思い込んでいたのでしょうが、本来は、良い時の自分を本当の自分であると認識すべきなのです。
その後、当社のクライアント企業B社の面接に行くことになりました。B社では最初から社長が登場されるため、いきなりヤマ場です。あれこれ多くのアドバイスはかえって混乱しますので、私からはひとつだけ、“Aさん、明るくいきましょう!”。
そして面接後のB社からのフィードバック。「非常に前向きに未来を語り、期待できそうないい方でした。」と、結果は見事に通過。まだ他の役員との面接が残っていますが、最初の社長との面接で好印象を残したことは非常に大きいです。何よりもAさん自身にとって大きな自信となり、本来のAさんらしさが完全に蘇ってきました。こうなると、あとは勢いです。最終面接では、B社の現状を踏まえつつ、自分がどう貢献できるのか、それによって会社がこう変わるという期待を持っていただくような流れになったようで、見事に内定獲得。
表情を明るくしたり、元気を演出したりすれば全てがうまくいくなんて無責任な、という声もありそうですが、確かにおっしゃる通りです。ただ、最初は多少無理やりであっても、それをきっかけに本来の自分を取り戻すことが大事なのです。そう、最高に生き生きしていたときの自分を再現するのです。
(2012年10月25日)
今回の教訓&アドバイス
自分が最も輝いていた時をよく思い出しましょう
明るい表情は状況打破の第一歩
人は自分に好影響を与えてくれる人を好む
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