定期的なキャリアの振り返りはされていますか
先日、面談でお会いした人材サービス系の企業で事業推進を行っているAさん。次のキャリアの目標があり、それを叶えるために今すべきことは何か、今の経験で転職先の選択肢はあるのか、また、転職すべきかという相談でお越しになられました。
面談時にAさんの経歴を詳しくお伺いしていくと、「ここまで自分の経験を丁寧に話したのは初めてです。」とコメントを頂きました。また、話しをしていくうちに、目標に対して足りないスキルと自分の価値観に改めて気づく機会になったともおっしゃっていました。
Aさんに限らず転職活動をしようと思わない限り、今の仕事が次のキャリアにつながっているのか、実績への振り返りはするものの、目の前の仕事に一所懸命なだけにそこまで考える余裕はない方もいらっしゃるのかもしれません。
そこで、お薦めのキャリアの振り返りの手段として職務経歴書の定期的な更新をお薦めしています。クオーター、半期に一度など職務経歴書を更新してみると、その期間に自分が何をしたか、どんな実績を残したか、今の仕事が目指すべきキャリアにつながっているのか、振り返りの手段として有効であると気づかれると思います。私も半期に一度は職務経歴書の更新の機会をつくり、振り返りをしています。
振り返りは自分の価値観を知ることにつながる
職務経歴書の更新を行うと仕事の振り返りだけでなく、どんな仕事をするとやりがいを感じるか、何をしているとワクワクするか、実績がでなかったのは何故なのか、何故気持ちがあがらなかったかなど具体的な仕事のやりとりなどを通じて、自分自身の価値観を考えなおすきっかけにもつながります。
「価値観」とは自分のエネルギーが湧く、パワーがでる源、自分に重要なことに気づけます。自分の価値観が理解できれば、その価値観に触れる機会を意識的につくってみる、そうした機会を週のスケジュールに組み込む、嫌なことが訪れたときの対処の仕方など、自分自身を良い状態にもっていくためのヒントとして役に立つと思います。
就職活動などで自己分析をされ、自己理解の機会をつくられた方もいらっしゃると思いますが、それ以降、定期的に自分自身を見直す機会をつくっていないのであれば、職務経歴書の更新時に自分自身を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。
自分の価値観の理解は次の仕事につながる
自分の価値観がわかっていれば、転職活動をいざ始めようとなった時に、キャリアの目標を達成する以外で重要なことが理解できているはずです。よく聞く、転職時の軸を考えるヒントにつながります。
次の会社を選ぶ基準が理解できているので、面接時に確認したいこと、自分が決定する大事なことを理解したうえで転職活動を始められると思います。
私事ですが、半年前からコーチングを受け始めました。受けてみての気付きとして、自分を知ること、自覚することは思った以上に難しく、意外と自分のことを知っているようで知らないことに気づかされています。また、自分の価値観がわかると仕事が何倍も面白くなるのを実感すると思います。
転職するから自己分析をしよう、自分の価値観を探そうとするのではなく、普段から自分自身を振り返る機会をつくるのはいかがでしょうか。そうした、定期的な機会を設けるために、職務経歴書の定期更新を活用されるのをおすすめします。
(2019年3月20日)
今回の教訓&アドバイス
キャリアの振り返りを実施する手段として、定期的に職務経歴書を更新
職務経歴書の更新を利用して、自分の価値観を知る
自己認知の機会を定期的につくる
佐野 慶樹
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