面接の調整がスムーズに進まないAさんのケース
Aさんの転職活動を支援していたときの出来事です。Aさんの志望度が高い企業の書類選考を通過し、面接日程の調整にしている途中でAさんからの返信が数日きませんでした。その後、Aさんから面接日程候補を教えていただき、その中から面接日程を確定しました。
確定した面接日程について、Aさんに「この日程で大丈夫ですか?」と確認したところ、またも数日間返信がありませんでした。さらに、面接予定日の前日になって、「業務が入ってしまい、面接に行くのが難しいです」と連絡がきたのです。
その後、面接日程を再調整したのですが、今度は面接当日に「体調不良で面接をキャンセルしたいです」という連絡がきました。
病気であれば仕方ないと思うものの、これまでの経緯もあります。企業側に面接当日にキャンセルの連絡をすると、「ご縁がなかったということですね」と言われ面接の再設定ができない可能性もあると感じました。そこでAさんに病状をくわしく確認したうえで、その状況を企業側に伝え、なんとか面接を再調整いただけることになりました。
面接日程の再調整やキャンセルは、企業側からネガティブなイメージを持たれる可能性も
企業側の立場にたつと、次のように思うのではないでしょうか。
「Aさんは、時間の管理ができない方なのか」「面接官の時間を奪っている認識がないのだろうか」「当社への志望度が低いのではないか」など。いずれにしても、Aさんに対する印象はネガティブになってしまう可能性が高いです。
もちろん、働きながら転職活動をしている場合、急に忙しくなったり、予期せず体調を崩したりすることもあるでしょう。それ自体は仕方のないことですが、面接の再調整やキャンセルにつながった場合、企業側に対しては丁寧な対応や説明が必要です。
大変なときこそ自分にベクトルを向けず、企業側にも配慮することが重要
働きながらの転職活動は、大きな負荷がかかりエネルギーが必要です。職務経歴書を書く、面接対策などの準備を、選考を受けている複数の企業ごとに対応する必要があるからです。多くの方は現職で働きながら、こうした転職活動の時間を苦労して捻出されています。
しかし、負荷がかかって気持ちのゆとりがなくなってくると、どうしてもベクトルが自分だけに向いてしまい、企業側への対応がおろそかになりがちです。おろそかになって企業側から不信感をもたれてしまうと、面接に進む前段階で、企業側がお見送りの判断をされる可能性が高くなります。
そのため、大変な時こそ「今の自分は企業にはどう映るか」も意識してみてください。そうすれば、どう対応すべきかが自然とわかります。
心配なときは、私たちキャリアアドバイザーにも気軽に相談してください。
(2023年2月20日)
今回の教訓&アドバイス
面接日程調整への姿勢も企業側は見ている
面接は、「企業」「面接官」が時間をさいていると理解する
面接日程を組めない、日程の再調整が必要な場合は、理由・背景を丁寧に説明する
清水 大介
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