前回106号でコミュニケーション能力を分解すると題して、まずは「伝える力」についてお話をしました。今回は「聞く力」を分解してみたいと思います。
コミュニケーション能力というと「伝える」方に関心が集中しがちですが、実は伝える力よりもこの「聞く力」の方が重要なのです。相手の質問が正確に聞けなければ、ちゃんと応えることはできずコミュニケーションは成立しません。コミュニケーションのスタートはまず聞くことと理解してもいいでしょう。それではまずその「聞く力」とはいったいどんな力や要素によって構成されているのでしょう。
(1)相手に集中する です。
実は面接などでよく目にすることですが、何を話すかに関心が集中していて相手や相手の話していることに集中しきれていないことが多々あります。なんとなく会話は成り立っているのですが、少しずつぼやけていたりずれていたりして。会話にキレがないときは、相手に集中していなくて自分に集中していることが多いのです。
次は(2)メインメッセージを把握する。です。
これは、「要は~ということだな」と相手の話を要約して理解する力です。相手によっては自分の言いたいことがぼやけたまま話をしたり、言いたいことがまとまっていないのに話しだしたりする人がいます。そんな時でもその話をひとくくりにして、「要は~ことをいっているんだな」とシンプルに内容を把握できれば会話もスムーズになります。コツは相手の話を一段階抽象的にすること、また「一言で言うと・・・」と頭の中でまとめてみることです。
(3)しっかり目を見る です。
相手にしっかりと理解してる、聞いているというサインを目を通じて送ることです。分からないとき、理解が不十分なときは瞬時に相手に伝わりますしそれを感じた相手はより詳しく話をしてくれたり、シンプルに話してくれたりします。話し手の目をしっかり見る、基本中の基本ですが案外出来ていない人が多くて驚きます。
そして最後に(4)常に相手を敬する です。
じつはこれは最近発見したコミュニケーション能力を爆発的に伸ばす根本概念です!相手の話をしっかり聞く、本当のメッセージを受け取る、理解する、その全てに必要なのがこの相手を敬する気持ちです。相手を尊敬する気持ちがあれば、自分勝手な解釈をすることもなく素直に話が聞けますし自分の中で反論が起こることもありません。正確に心にしみるように相手のメッセージが入ってくるのです。是非試してみてください。聞く力が3段階くらい一気にレベルアップして驚かれると思います。
思えば人間関係の基本は敬すること。敬すれば感謝の心が生まれ、愛と調和の取れた社会となっていくわけですから当然というか自然法則なのですね。
(2013年2月5日)
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