転職活動がうまくいく人は、自分の「売り方」を知っている
職務経歴書を書いたり、面接を受けたりする中で必ず皆さんが向き合うのが「これまでの自分の仕事をいかに魅力的に伝えるか」ということかと思います。
これはもちろん脚色する、風呂敷を広げる、という意味ではありません。ご自身が力を入れたお仕事、是非注目してほしいプロジェクト、苦労したけれどやり遂げた成果などをいかに正確に、余すところなく相手に伝えられるか、という話です。
これがうまくいかないと、職務経歴書を書いても我々キャリアコンサルタントが見ると「もったいない!」と言ってしまう内容になってしまいますし、面接でも「もっとこう言えばよかった、アピールできなかった」と悔やむことになりかねません。逆にこれがうまくできれば、書類作成や面接の準備がとても楽になります。そんなポイントをお話したいと思います。
考え方、伝え方のフレームワーク「STAR」
実はこれは面接官側の視点で活かされているフレームワークなのですが、ご自身の経歴を「STAR」で振り返ってみることをお勧めします。
まずS。これはsituationのSです。ご自身が該当の業務に取りかかる状況のことですね。チーム体制やご自身の立場、権限や市場環境など、その業務を取り巻く前提条件のようなイメージです。
次にT。これはtaskの頭文字です。業務の遂行、成功に向けて、どんな目標設定をしたのか、どんな課題があり、何を解決しなければならなかったのか。大変な仕事であれば、思い出して顔が渋くなるようなポイントですね。でもここの大きさ、深さを効果的にお伝えできれば、この後が効いてきます。
Aはそう、いよいよactionです。taskの解決のために何を、どのように遂行したのか。またその方法をとったのは何故か。その中で苦労したのはどんなところで、それをどう乗り越えて実施したのか。山を越えていく過程の話をしっかりと伝えてください。
最後のRはresultのR。仕事の成果を存分に語ってください。謙虚な姿勢は必要ですが、数値面や周囲からの評価など、事実を遠慮することなくお話いただくのがポイントです。situationやtaskを踏まえて、その答えとしての内容になっていることは当然ながら、before → afterの観点で語ると成果が強調され、分かりやすい内容になります。
ただ、上記をこれまで経験された全ての業務に当てはめるのはとても大変です。「特にアピールしたい内容を幾つかに絞って振り返り」で十分かと思います。どこを話すべきか、ご自身で判断ができない時には、信頼できるキャリアコンサルタントにご相談されることをお勧めします。
「思い」を乗せて語れれば効果は倍増
ここまで、フレームワークによるご経歴の振り返り方についてお伝えしてきましたが、もう一つだけ、気をつけていただきたい点があります。それは、「淡々と事実を伝えるだけ」にならないようにご注意いただきたい、ということです。
応募者のスキルが見られているのはもちろんですが、「この人と働きたい!」と思っていただくのは、お互いの思いに触れ、共感できた時であることも多いです。どんな思いでその仕事に向き合っていたのか、熱量と体温を一緒に話すことで、仕事に向き合う姿勢などの定性面からも伝えることができます。
スキルだけでなく、思いや姿勢も考慮された上での選考を進めることで、より納得感のある転職活動につながるのではないでしょうか。
(2019年8月20日)
今回の教訓&アドバイス
ご経験を振り返り、自分のアピールを効果的にできるようになることが重要
ご経験を「STAR」の観点で語れるかをチェック
意志や思いを乗せて語るとさらに効果倍増
松永 拓也
【 プロダクトマネージャー専門チーム / デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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