キャリアアップコラム vol.96
転職か社内異動か。キャリアの選択には「覚悟」が必要

はじめての転職活動は「覚悟」が必要

進学、就職、結婚、etc・・・。皆さんはこれまで何かしら、人生を左右する大きな選択・決断をされてきたと思いますが、転職もそのひとつですね。転職を考える理由はそれぞれ違うと思いますが、新しい環境へ進むという決断をする“覚悟”が必要なのは共通したことです。

現状のような不況下ではキャリアについて慎重になっている方が多いと思いますが、このような状況だからこそ、この“覚悟”がこれまでよりも非常に重要です。はじめての転職だと、この“覚悟”がより大きなものに感じるのではないでしょうか。今回は、“覚悟”を決めてはじめての転職に踏み切ったAさんのケースをご紹介します。

実績を残してきた事業の縮小で、今後のキャリアに不安

Aさんは、新卒で大手外資系企業へ入社。8年が経ち、はじめての転職活動をスタートされました。高いレベルの環境で成長したいと入社当初からがむしゃらに頑張り、マネージャーにまで昇進しましたが、今後のキャリアに疑問を感じて相談にいらっしゃいました。

今の会社を辞めなければいけない訳ではないため、自分のキャリアにはどんな可能性があるのかを検討したいとのことでした。そこで、今後のご自身のキャリアプランについてどうお考えなのか伺ってみましたところ、どこか歯切れが悪くエネルギーが感じられませんでした。

「Aさんのお話ですが、今ひとつ伝わってこないんですよね。本音が見えてこないというか・・・。何か気になることでもあるのでしょうか。」

少しずつ話を進めるうちに、Aさんは意を決したように話をはじめました。

「この不況で会社の方向性が大きく変わり、これまで担当してきた業務が縮小になってしまったため、自分の強みを発揮できる仕事が無くなってしまった」

「他の部門に移ることも可能だが、やりたいことではない」

今の会社で実績を残してきた自負がある分、会社から評価されていないのではないか、否定されたのではないかという思いと、この景況下では転職をせずに今の会社に残るのが良いのではないかという不安が入り混じって悶々とされていたようです。

転職か社内異動か。どちらも腹をくくる覚悟が求められる

「このままの状況では、現職に残るにしても、転職活動をするにしても、良い結果にはならないと思いますよ。その悶々とした思いがどこか自信無く映り、Aさんを小さくしてしまいます。転職を決めるのであれば不安を捨て進んでいく覚悟、残るのであれば新しい部門でイチからはじめてやり抜く覚悟が必要です。いずれにしても、覚悟を決めなくては良い結果にはつながりません。」とお伝えしました。

さらに、転職を選択すれば、内定を獲得するまでの過程で仕事にかかる負荷が減るわけではないので、これまでよりも大きなパワーが必要になります。また、残ることを選択しても、新しい環境でイチから取り組んでいかなくてはならず、これまで以上にパワーが必要とも。

どちらを選択するにしても、腹を括って取り組む覚悟ができるかどうか、本人次第なのです。

これまで転職を考えたことも無かったAさん。現在の状況を受け入れるにも時間が必要だったのだと思います。まずは今一度、考えを整理してもらうことにしました。

ただ、溜まっていた思いを話したことにより、表情はかなりスッキリとされていました。

数日後、Aさんから連絡がありました。

いろいろ悩まれたようですが、転職活動をスタートすることに決めました。

「この先を考えると、今この若いときに、覚悟を決めて踏み出すことにしました」

Aさんの声に力強さを感じることができて安心しました。Aさんの転職が成功するよう、できる限りのサポートができるよう私も“覚悟”を決めました。

(2012年11月5日)

今回の教訓&アドバイス

転職するにも現職を続けるにも、やりぬく覚悟が必要です。

決断=覚悟 覚悟が大きなパワーとなります。

悩むのは決断するまで。決断後は覚悟を決めて進みましょう。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
半藤 剛
コンサルティング業界・IT業界の方々のキャリア支援(キャリアアップ・キャリアチェンジ)、およびコンサルティング・IT企業への転職支援、経営幹部(CXO、マネジメントクラス)のキャリア支援に豊富な実績を持つ。
デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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