キャリアアップコラム vol.166
「転職」がゴールになっていませんか?

転職はゴールではなく、スタートに過ぎない

突然ですが、こんな言葉をよく結婚式のスピーチなどで聞かれたことは無いでしょうか?「結婚はゴールではなく、スタートである」
 
あれ、転職・キャリアアップに関するコラムじゃないんだっけ?と思われた方、ちょっとだけお待ちください。今回は、この「結婚」を「転職」に置き換えてお話したいと思います。先の言葉を応用すると、次のようなことが言えます。
 
【転職はゴールではなく、あくまでもスタートに過ぎない。その先に自分が何を得たいのか、どうなっていたいのかが重要である。】
 
そんなの当たり前じゃないかという声が聞こえてきそうです。確かに特別なことでも何でもなく、ごく基本的なことです。ですが、いざ転職活動を始めてみると、案外この基本を見失ってしまう方がいらっしゃるように感じています。
 

次のキャリアで何を目指すのか

先日お会いしたAさんのケースをご紹介しましょう。
 
Aさん(30代後半・男性)は外資大手エンタテインメント業界で企画職の経験が長い方で、英語も堪能、お話した印象からも優秀なことが伝わってきました。しかし、どうも私には気になることが・・・。
 
それはAさんが現職で「成長できていない」という焦燥感をお持ちであることは充分理解できるものの、次のキャリアでどうなりたいか?がどうしても見えてこないことでした。
異動希望も叶う見込みが薄く、40才を前に年齢的にも今動いた方が良いのではという考えから、何社か既に応募しているが思うような結果が出ない・・・とのこと。
 
私はAさんのお話をお伺いしてから、次のようにお伝えしました。
「Aさん、これまでのお話を伺っていると、転職すること自体が目的になっているように感じます。ですが、Aさんがこの先どうなりたいか、何をしたいのかの方が重要ではないでしょうか。この先恐らく20年以上お仕事を続けていかれると思いますが、これから迎える40代をどう過ごすかはとても大事です。例えば3年後、5年後、どうなっていたいかイメージはありますか?」
 
これに対しAさんはハッとされたご様子で、「確かにそうですね。まずはそこからですね」とおっしゃってお帰りになりました。そして翌日、「おっしゃる通り、いつの間にか転職が手段ではなく目的になってしまっていました。」とのメールをいただきました。さらに2週間ほど、じっくりご自身と向き合い考えを深めていただいた後、あらためてAさんから連絡がありました。それは、やりがいを感じられる(責任のある)仕事がしたいということ、将来的に経営に携わるようなキャリアにつながる事業部責任者等のポジションを狙って行きたいというものでした。
 
Aさんの活動はまだ始まったばかりですが、今後のキャリアイメージが掴めてきたことで大きな一歩を踏み出せたと思います。私もAさんの想いを実現すべく、全力でサポートしていく所存です。
 

自身とじっくり向き合い、第3者の手も借りてみる

Aさんに限らず、現職に不満があり早く辞めたい場合、節目の年齢を迎える場合、また転職活動が難航して焦っている場合など、知らず知らずのうちに「現職を離れる」「転職先を決める」ことがゴールになりがちです。
あなたは今、何のために転職を考えていますか?既に応募を開始している方であれば、何のために転職活動を行っていますか?今一度、本当のゴールが何なのか、ご自身とじっくり向き合ってみられてはいかがでしょうか。もちろん、その際に信頼できる第3者の手を借りることも有効です。是非、私達コンサルタントをご活用ください。一緒に転職後の「その先」を考えていきましょう!
 
(2015年12月20日)

今回の教訓&アドバイス

「転職」がゴールになっていませんか?

目先のことにとらわれず、目的を意識した転職活動を。

3年後、5年後のキャリアイメージを持つ。第3者に相談することも有効。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
神田 昭子
日系大手グローバルメーカー、ベンチャーの経営幹部、事業会社のIT系ポジション(セールス、データサイエンティスト、企画職等)を主に担当しております。
デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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