キャリアアップコラム vol.241
転職先を選ぶときに、会社の規模・ブランドは重要なのか?

会社の規模やブランドだけで、転職やキャリアが決められることはない

「大手企業からベンチャー企業に行くと、もう大手企業に戻れないのでは?」
「現職より小さな企業に行くと、キャリアダウンにはならないか?」といった質問・相談を受けることがあります。

勤めている会社の規模・ブランドが、初めて会う人からの第一印象に影響することは多少あります。
しかし、キャリアに関しては、会社の規模・ブランドだけで決まることはありません。そのため、転職先を選ぶ際は会社規模・ブランドだけでなく、「自身の目指すキャリアに必要な経験やスキルを身につけられる企業であるか」という視点をもつことをおすすめします。

「どこでやってきたか」よりも「どのような実績・成果を出してきたか」が重要

私はコンサルンタントや事業企画・開発の方々の転職支援しており、コンサルタントや事業企画・開発などの職種を例にお話ししていきます。

例えば、「大規模プロジェクトをリードできるようになりたい」と考えているコンサルタントは、大手コンサルファームで経験を積むとよいでしょう。

一方で、プロジェクト規模にこだわらず、早期にクライアントの経営層やプロジェクトオーナーをカウンターパートとして、経営・事業の課題解決の支援がしたい場合はどうでしょうか。
大手ではなく、専門領域に特化したブティック系コンサルファームで経験を積むことが、目指すキャリアの実現への近道であることが多いです。

ブティック系ファームは規模が小さい傾向があり、1人のコンサルタントがさまざまな仕事を行う必要があります。言い換えれば、幅広い経験ができる環境であり、個人の頑張りや実績によって、打席に立てる機会も多いでしょう。
このような経験やスキルは、大手ファームで働くうえでも必要であり求められる経験であるため、ブティック系を経験した後に大手ファームに転職することも十分に可能です。

事業企画・開発などの場合も同様です。大きな事業に携わりたいのであれば、大手企業で経験を積むことが、目指すキャリアの実現を早くするでしょう。

一方で、早くに裁量・権限をもち、自ら意思決定できるポジションでビジネスを創る・まわす経験をしたい方なら、ベンチャー企業で経験を積むことが目指すキャリアを実現する近道となる可能性が高いです。

そして、ベンチャー企業から大手企業への転職も十分に可能です。
背景として、企業の成長にはデジタルを活用したイノベーションが不可避であり、大手企業が単独で新しいビジネスを創出するのが困難になってきているという状況があります。

大手企業がベンチャー企業とのアライアンスや異業種連携することが当たり前となり、ベンチャー企業での実績を評価する・求める大手企業が増えてきているのです。

こうした背景から、転職においてはどの企業に在籍しているかより、これまでの実績や成果、どのようなスキル・武器を身につけているかが重視されています。

「誰と一緒に働くか」も重要

誰と一緒に働くかも、とても重要なファクターです。働きやすさという面での相性はもちろんのこと、誰と働いたかによって得られるスキルや経験は異なります。例えば、ロールモデルの方が社内にいるかどうかで、目指すキャリアや成長度合いが違うでしょう。

また、会社・組織規模の大小を問わず、業務に取り組む中で踏ん張らなければならない時があります。そのときに、「ここでなら踏ん張れる」と思える環境なら、困難を乗り越えた先に見える景色や、次に目指すキャリアのゴールも変わってくるでしょう。

上述したスキルや武器を身につけて実績・成果を出すためには、同じマインドや価値観を持ち、刺激や影響を与え合い成長できる環境であるかも非常に重要です。

(2022年3月22日)

今回の教訓&アドバイス

「どの会社にいたか」より「どんな実績を出したか」が重要

実現したいキャリアによっては、大企業を選ばない方が近道のことも

「誰と一緒にやるか」によって、身につくスキルは違う

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
半藤 剛
コンサルティング業界・IT業界の方々のキャリア支援(キャリアアップ・キャリアチェンジ)、およびコンサルティング・IT企業への転職支援、経営幹部(CXO、マネジメントクラス)のキャリア支援に豊富な実績を持つ。
デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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