【キャリア構築のトレンド】採用市場トレンドとキャリアアップ/IT・コンサルティング業界

IT・コンサルティング業界の採用市場は今期も継続して活況

2016年度も１Qが過ぎましたが、採用市場は継続して活況です。私が主に担当していますIT・コンサルティング業界では、ビジネス好調の企業も多く、人材不足でプロジェクトを断らざるを得ない企業なども少なくありません。

人材の獲得がビジネスに直結するため、ビジネスチャンスを逃さないよう優秀な人材の獲得を最優先の経営課題に挙げている企業も多数あり、足元の状況からもこのトレンドはもうしばらく続いていくと考えます。

世界経済のリセッション懸念、英国のEU離脱、不安定な株価の動き、急速に進み始めた円高などからくる景気不安により、IT投資に慎重になっている企業もあります。それでも好業績を背景に積極的な姿勢の企業が多く、ここ10年で最大のIT投資が期待されます。

内容を見ると、IT予算の金額そのものの拡大とあわせて、継続して「攻めのIT」に対する投資拡大が目立ちます。もちろん、業務改善・経営効率化推進のためのIT投資も拡大していますが、新規事業など新たな収益モデルを構築するための“攻めのIT投資”に積極的な企業が継続して増えています。

これまでにも海外関連やデジタル領域、ビッグデータなどのIT投資が盛んでしたが、直近ではFintech関連の引き合いがかなり増え、懇意にさせていただいている某大手ITコンサルティング企業の社長とお話しした際にも、メガバンク、地銀をはじめ、多くの金融機関から問い合わせがあるとのことでした。

ただ、その多くは「何をしたら良いのかがわからない」というもの。今、手を出さなければいけないことはわかっているが、何をしなければいけないのかを教えてほしいというのが市場の声だそうです。

現在、Fintech関連の企業・事業がかなり立ち上がってきています。ただ、近いうちに淘汰され、残るのは僅かだろうという声は多くありますが、今後のビジネストレンドを考えてもバリューの高いビジネス領域になることは間違いないと思います。

そのためにも、このようなソリューションにいち早く取り組み、実績を作ることにより、他社に先駆けてノウハウをため、収益の柱に育てることが企業には求められています。

他にも、IoT/M2M、AI、ロボットなど同様な状況の領域・企業も多くあります。そこには、当然ながら人材が必要です。ただ、この領域のプロフェッショナルな人材はまだ少ないのが現状ですので、企業もどのような人材を獲得するのが良いのかを試行錯誤しているところです。

このような状況は、個人のキャリアを考えるとチャンスです。潜在的なニーズが顕在化してきたタイミングは、新しいビジネスのスキルやノウハウを身につけ、他者に先駆けて新領域のプロフェッショナル人材を目指すといった、キャリアの可能性・ポテンシャルを広げるチャンスだからです。

もちろん、このようなチャンスは市場環境に影響される部分もありますので、常に目の前にある訳ではありません。だからこそ、アンテナを張って情報・状況をキャッチし、目の前にチャンスがきた時に逃さず捕まえることが重要です。

市況が悪化した時こそ、市場価値が問われます。景気や市場環境に左右されず、一人のビジネスマンとして市場に立つため、どのような武器を持ち、バリューを発揮できるかが大切です。そのために、現職はもちろん、市場にどのような可能性があるのかを把握し、自分でキャリアを作っていくことが重要です。

今だから目の前にあるチャンスを活かすためにも、定期的に市場の状況や情報に触れ、ご自身のキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。足元だけでなく将来を見据えて今何をすべきなのかを考え、経験・スキル・キャリアを積んでいただければと思います。

今後も定期的に市場の状況・情報をお伝えしていければと考えておりますが、皆さんも市場について、キャリアについて、思うところがありましたら、是非お気軽にご相談ください。

（2016年7月20日）

このコラムを書いたコンサルタント

コンサルタント
半藤剛

コンサルティング業界・IT業界の方々のキャリア支援(キャリアアップ・キャリアチェンジ)、およびコンサルティング・IT企業への転職支援、経営幹部(CXO、マネジメントクラス)のキャリア支援に豊富な実績を持つ。
【デジタルプロフェッショナル専門チーム所属】プロフィールをみる

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