Gさんは当社ホームページからエントリーされてきました。
Gさんは準大手電気機器メーカーの人事部にお勤めになる32歳。都内の大学を卒業後、現在の会社に入社、営業企画を経験後、一貫して採用を中心とした人事業務に従事されてきました。今回が初めての転職活動になります。
いつもの通り、30分程Gさんの職務内容や希望職務などをヒアリングさせて頂きました。するとGさん。
「丸山さん、今の会社での年収は決して安いとは思わないんですが、高くもないと思うんです。実際私の年齢だとみなさんどれくらいの年収なんでしょうか?」
「なるほど。現在の給与に満足されていないんですね。そうですね、大体、500万〜1200万位のゾーンですかね。」と、私。
「えっ、そんなに開きがあるんですか??」
「そうですよ。単純に年齢だけで言えば、ホワイトカラーの一般的な年収ゾーンはこんなものですよ。」
「どうしてそんなに差があるんですか?」 と驚いた様子でGさん。
「一言でいうと個人差なんですが、個人の実力以外の要素もあります。」
「それってなんなんでしょうか?」と興味津々のGさん。
そこで、私は極端な例ですがと前置きをしながら、例えば同じ人事担当でキャリア10年でも建設業や古典的な製造業と、いわゆるIT関連企業では年収レベルでは10%〜15%の差があること、また新興業界(ITなど)では昇進も早いのでそれによる差がやはり10%〜15%くらい。加えて外資と日本企業ではこれまた一般的に10%くらいの差があること。あと一般的に粗利率の高いビジネス、例えばコンサルティングやソフトウエアベンダーなどは総じて給与水準が高く、粗利率の低いビジネス、例えば流通や古典的なメーカーなどは給与水準が低いことなどをお話しました。
「この総ての差を合計すると、500万〜1,200万くらいの差が生じてしまうんですよ」
「なるほど。単純合計しても倍ですねぇ。」 とGさん。
「ところで、Gさんの年収はおいくらですか?」と私。
「・・・・・・・。550万です。」
「年収UPが目的なら、先程の式に基づいて、外資で粗利率が高い業界で、高いポジションを狙えば、最初から1,200万は無理にしても、800万位は目指せると思いますよ。やってみますか?」Gさん二つ返事で、「是非、お願いします!」
そこで、私は当社クライアントの中からインターネット関連のコンサルティング会社と、これまたインターネット関連の出版社をピックアップして、Gさんを推薦しました。
結果、出版社は先方希望とズレがあった為、ご縁はなかったのですが、約1ヶ月後、Gさんは見事インターネット関連のコンサルティング会社に内定されました。年収は少し当初の目論みを下回りましたが、初年度750万の保証でした。
「よかったですね。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。職務内容に大きな変化なく、こんなに年収UPってできるものなんですね。」
「そうですよ。でも、もし、Gさんに英語力があればもっと活動の巾は広がったと思いますよ。」
「そうですね。これを機会に英会話勉強します。そして3年後1,000万を目指します!」
とGさん気力満々でした。
Gさんの例のように、業界を変えるだけで給与が大幅にUPする例は結構あります。同じように一生懸命仕事をするなら給与は高い方がいいのは当たり前ですよね。でも、私の経験ではその逆のケース、大した仕事もしていないのに給与水準が高い業界、会社にいるばかりに仕事をしている気になっている人も大勢いらっしゃることも事実です。
あなたの給与はどうですか?
(2011年12月5日)
今回の教訓&アドバイス
職務内容はそのままで、給与水準の高い業界に移る
粗利率の高い業界に移る
外資に移る(安直ですが・・・)
スタッフからラインに移る(ex.社内SE→システムコンサルタント)
下請け会社ではなく、元受会社に移る(元受会社の方が粗利率は高い=給与水準が高い)
業界トップ3に移る(これもTOP企業は粗利率が高い場合が多い)
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等のご希望がございましたら、お気軽にご相談ください。
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