芥川賞とは
「新人賞」に過ぎない
文壇の登竜門とされる芥川賞。「ピース又吉、芥川賞だって」と言って騒ぎになっているが、「作家の中で一番になった」ということではなく、無名もしくは新進気鋭の新人作家の中で賞をとったという話なのです。とても素晴らしい事ですが、過去にもミュージシャンが受賞した事もあります。
「もしかしたら、自費出版している私が選ばれる事もあるのかしら?」と思っている方がいたら、それは絶対ありえません。公募でもありません。「新潮」「群像」「文學界」「文藝」「すばる」といった文芸誌に掲載され、その中から選出されるものです。そもそも、雑誌の売れ行きが落ちる時期に開催される等、ショーとしての意味合いもあるようです。いずれにしても受賞されたことは素晴らしいことですね。文学界の「一発屋」にならないよう、2作目以降も期待しています。
左脳は休めない。
常に学習と進化を。
「火花」の世界では、主人公と先輩芸人が「お笑い」という世界の中で努力を続けます。しかし、お笑いの世界は、実は、戦略も計算も必要であり、ふたりはなかなか芽が出ないという苦難を味わいます。
こうした、技術の修練と先進戦略の取り組みは、ビジネスキャリアの世界でも常に必要です。左脳的なビジネススキルは磨き続けるしかありません。
産休・育休で復帰した女性は、久しぶりに開くソフトにまず戸惑います。エクセルもパワーポイントもバージョンアップが進み、インターフェイスはガラリと変わります。社内コンプライアンスルールも大きく変わり、マイナンバー導入に向けて、システムインフラも変わっているかもしれません。ついこの間まで国内で価格競争を繰り広げていた商品が撤退し、休職前に新規事業だった分野が主力商品となり、海外商品と激戦を繰り広げているかもしれません。
左脳は休めないのです。
右脳力で勝つ時代に
一方、「バカでも年収1000万円」というベストセラーを執筆した伊藤喜之さんという方のような存在もいます。現在は、パリと日本を往復し、1000万円どころか億という年収をあげているであろう彼は、自称デザイナー。赤いジャケットにフェイスメイクという出で立ちで、様々な仕事を手掛けていますが、まさに「感性」で勝負をしています。
通販の分野などを見ても、技術的な利便性の差ではなく、イメージや感性に訴えかけて売上を伸ばしている商品があります。「倒れるだけで腹筋」のあのCMもそうですね。例えは悪いですが、実はiPhoneもアンドロイド端末との機能差ではなくデザイン性の差であると言えます。他社がハイブリッドカーを次々と発売するのに「Be a driver.」というコンセプトでPRし続けるマツダの業績は好調のようです。
最新のプログラムや技術を覚えるような左脳的闘いよりも、右脳的センスでの闘いが優位な場面もありえる時代になっているのでしょう。
放送作家・鈴木おさむさんの
休業の意味
森三中・大島さんの出産の実況中継も賛否両論巻き起こしましたが、夫で放送作家の鈴木おさむさんが、この機会に作家活動の一時休息をとられるとのこと。
左脳的な日常業務に比べ、放送作家という作家業は、ある種の右脳ワーク。感性を磨き、センスで勝負をする世界で次から次へとアウトプットし続けていたら、なかなかヒットは生まれないかもしれません。彼自身が、育児休職というよりも作家業をゆっくり考える為の充電期間と考えている様子ですが、右脳力にとってこれは大切な事なのです。
スキル的左脳力は必要条件ですが、感性やセンスをより必要とするこれからの時代は、意識して右脳を活性させなければなりません。休暇を取るなどビジネスとは違うところに身をおいて右脳を刺激することも必要ですね。
丸山貴宏
大手就職情報会社の人事採用担当を約7年経験後、クライス&カンパニーを設立。前職からの候補者面談者数は10,000名を超え、その経験と実績に基づいたカウンセリングは業界でも注目されている。単に企業情報の提供に留まらず、「候補者の根っこのエネルギーを発掘する作業が我々の使命」がモットー。 1963年生まれ。
- 著書
- 「そのひと言で 面接官に嫌われます」 / 青春出版社 2014年5月9日発売
「キャリアコンサルティング」 / 翔泳社 - 共著
- 「転職後、最初の1年にやるべきこと」 / 電子書籍(Kindle版)
- 連載コラム
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