Column
DX転職コラム
転職市場で大人気のデジプロ人材が”あえて”職務経歴書に注力すべき理由とは?
DX≒デジタルプロフェッショナル(デジプロ)の領域で転職のご支援をしているキャリアコンサルタント、恐らく全員が思っていることがあります。それは…職務経歴書の書き方がもったいなさ過ぎるという問題です。
皆様、非常に優秀で素晴らしいご経験をされていらっしゃるのに、イマイチ職務経歴書でそれを表現しきれていないと感じます。
でも、それも仕方のないことなんです。今や空前のデジプロ人材不足時代。正直、転職スカウトサイトに超簡単に経歴を並べただけで沢山スカウトが来ます。ご友人のご紹介で、書類選考ナシでいきなり面接に進む、なんてケースも良く聞きます。
ITコンサルタントやSE(システムエンジニア)など昨今のデジプロ人材は、職務経歴書の書き方に悩むケースそのものが減っているのです。
「え、じゃあ職務経歴書って別にそんなにこだわらなくっていいんじゃないの?」そう思いますよね…?
ところが、その考えは甘いと言わざるを得ません。
職務経歴書は書類選考を通過するためだけのものにあらず!です。
職務経歴書をブラッシュアップする意味や、職務経歴書が最も読み込まれているタイミングとは?
もちろん大前提として、職務経歴書は書類選考のために使われるものです。
でも、それだけでしょうか…答えはノーです。
実は…職務経歴書が一番読み込まれているのは「面接中」かもしれません。
実際のケースを想像してみましょう。
我々が企業に候補者の方を推薦すると、多くの場合、まずは人事の方が職務経歴書をさっと見ます。人事の方はここで大まかに経験を見て、ざっくりとしたスクリーニングを行います。
次に登場するのが現場の書類選考担当者です。この方は人事が最低限のスクリーニングをした職務経歴書を見て、面接にお呼びするかどうかを決めていきます。
この方が面接官になる場合も、そうでない場合もあります。
さて、書類選考が通過し、1次面接になりました。今日の面接官のスケジュールにはしっかりと面接の予定が入っていますが、面接の直前までミーティングが入り、始まる数分前に慌てて候補者の経歴をチェック!
「ふむふむ、A社とB社で製造業メインで要件定義から入ってPMもやってる人なのね…おっと時間だアクセスしなきゃ…
ああ、〇〇さんこんにちは。今日は面接にお越しいただきありがとうございます。まずは自己紹介からお願いします。」
経歴について超ざっくりしか把握出来ていないまま、面接スタート。自己紹介を聞いている間に職務経歴書に慌てて目を通す。
こんな場面が容易に想像できます。ひどいと思われるかもしれません。でも、多分よくある光景です。ITコンサルタントやSEなどのデジプロ採用の転職市場の難しいところです。
いい人を沢山採用したい。でも面接官は現場でも頼られる人であることも多く、とても忙しい。DXへの本気度が高い会社であるほど、意思決定者である代表や役員クラスの非常に多忙な方々が読むことも決して少なくはないのです。
でも…、これって、チャンスだと思いませんか?
面接官は面接しながら職務経歴書を慌ててみている状態。つまり、職務経歴書の書き方で、面接をある程度コントロールできるかもしれませんよ。
どんな職務経歴書がいいの?職務経歴書の書き方の2つのポイント
前置きが長くなりました。
ITコンサルタント経験者やSE経験者の皆様に申し上げたいのは、「書類選考が通りやすく、面接勝負になりやすい今こそ、面接のために職務経歴書に力を入れましょう」ということです。
ITコンサルタントやSEなどの経験・実績を職務経歴書に書く際の具体的なポイントは、下記の2つです。
職務経歴書の書き方のポイント1.強弱をつけて職務経歴書を書く
よく見るのが、新卒の研修時代の説明と直近の会心の成果を残した案件の枠の大きさが同じ職務経歴書です。これ、本当に、今すぐやめましょう。
自身がアピールしたい経歴や成果が出た案件、社内表彰を受けたプロジェクトなど、面接でここを突っ込んでほしい!というところは枠を大きく。もちろん内容もたくさん書きましょう(書く内容は後述します)。
逆に、今回の転職で目指したい方向性とは関係がないプロジェクトや経験については、極端なくらいあっさり、スペース少なく書く。
強弱をつけて書いた上で、できれば3ページ以内で職務経歴書をまとめることが理想です。
これだけで面接官の目や意識が、貴方がアピールしたい経歴に行きやすくなります。
面接官がご自身の思惑とは違うところに食いついて、「ああ~~、聞いて欲しいのはそこじゃないんだけどな…」と思う、あの辛い時間がなくせる可能性が高くなるのです。
ちなみに、新卒時代の方が1ページ目に書いてあって、最新のイケてる経歴は5ページ目。しかも新卒の頃のプロジェクトと同じ大きさ…。
なんていう職務経歴書、面接官はきっとげんなりしていますよ。
職務経歴書は最新の経歴から書いていく(最新の経歴が、職務詳細の表の一番上にくるようにする)ことを心からおすすめします。
職務経歴書の書き方のポイント2.「STAR」フレームワークを意識して職務経歴書を書く
いきなりですが、よくある職務経歴書の例を書いてみます。
自分の役割も、システムの概要も、ポイントまで書かれています。
これがお手本になる書き方…ではないんです。残念ながら。
「STAR」という振り返り方をご存知でしょうか。
面接官側が候補者を見る際の視点で活かされているフレームワークです。
まずS。これはsituationのSです。ご自身が該当の業務に取りかかる状況のことですね。チーム体制やご自身の立場、権限や市場環境など、その業務を取り巻く前提条件のようなイメージです。
次にT。これはtaskの頭文字です。業務の遂行、成功に向けて、どんな目標設定をしたのか、どんな課題があり、何を解決しなければならなかったのか。
Aはそう、いよいよactionです。taskの解決のために何を、どのように遂行したのか。またその方法をとったのは何故か。その中で苦労したのはどんなところで、それをどう乗り越えて実施したのか。
最後のRはresultのR。仕事の成果を存分に語ってください。謙虚な姿勢は必要ですが、数値面や周囲からの評価など、事実を遠慮することなくお話いただくのがポイントです。
では、先ほどの例を「STAR」フレームワークに当てはめて書いてみましょう。
ここまで書けるプロジェクトであれば、きっとまだまだお話したいことがあるはず。面接官が食いついてきて、書いてある以上の苦労話や現場の泥臭い話が出来れば、きっと盛り上がる、手ごたえのある面接になるでしょう。
ただ、上記をこれまで経験された全ての業務に当てはめるのはとても大変です。「特にアピールしたい内容を幾つかに絞って振り返り」で十分かと思います。
どこを話すべきか、ご自身で判断ができない時には、信頼できるキャリアコンサルタントにご相談されることをお勧めします。
まとめ
少し長くなってしまいました…お伝えしたかったことは
・職務経歴書は書類選考だけのものにあらず
書き方で面接を少し楽にできるかも?
・面接の直前、あるいは面接中に慌てて読む面接官に向けて、
「強弱をつけて」「STARを意識して」職務経歴書を書く
ということでした。
沢山の選択肢があるからこそ、選考の場は有効に使いたいものです。
職務経歴書を充実させることは受かるためにはもちろん、ご自身のことを面接官に正確に伝え、より有意義な面接とするためにも、お勧めです。
いかがでしたでしょうか?
転職をお考えで、職務経歴書や面接の対策をしっかりやりたい!という方は是非こちらからご相談ください。
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(担当コンサルタント:松永拓也)