Column
DX転職コラム
デジタルプロフェッショナル領域の転職市場(2022年7月時点)
私は、2000年にクライス&カンパニーに入社以降、IT業界・コンサルティング業界の方々を中心としたキャリアや転職の支援を行っています。
今回は、、ITコンサルタントやSE(システムエンジニア)などのデジタルプロフェッショナル領域の転職市場についてお伝えします。
IT人材不足は、もはや大きな社会課題
2030年にIT人材が最大で79万人不足すると経済産業省が発表していますが、世界中でデジタル環境が加速化する中で、日本が後れをとらないためにも必要とされるIT人材の育成は急務とされています。「IT需要の拡大」「労働人口の減少」「IT技術の進展による需要構造の変化」などが原因として挙がっておりますが、現状でも需給のバランスが崩れており、人材不足感は高い状況となっています。
ITコンサルタントやSEなどのデジタルプロフェッショナルの採用は、各Job areaでまさに戦いの場
足元を見ても、企業のDX推進は待ったなしの状況となっています。
それに伴い、デジタルプロフェッショナル分野の中途採用動向は活況さを増しています。
私はデジタルプロフェッショナルのJob areaを大きく下記の3つに設定していますが、全領域で企業の採用ニーズは高くそれぞれ活況です。
まさに、優秀な人材、欲しい人材を採り合う「戦い」となっています。
【Job area① Creation】
急速にニーズが高まっている攻めのDX関連ポジションであるCreation。
新しいテクノロジーを活用した新規事業の創出、業種の垣根を超えたクロスインダストリーによる新しいビジネスモデルの創造・協業など、デジタルテクノロジーを駆使した新たな価値創造を推進する、いわゆる「攻めのDX」を強化する企業が増加しています。
AI・機械学習やデータサイエンス、IoT、ロボティクス、Fintech、ブロックチェーン、プロダクトマネージャー、などなど。
トランスフォーメーションを実現するCreation領域の人材ニーズも急速に高まっています。
【Job area② Operation】
いわゆる従来のIT・Digital関連ポジションであるOperation。
「2025年の崖」やコロナ禍により急速に進んだ業務変革・効率化をリードするOperation領域のポジションは引き続き採用ニーズが高い状況が続いています。
基幹業務のクラウド化、RPAなどの業務自動化、CRM・カスタマーサクセスなど収益改善に向けた業務効率化、情報システムの標準化、および各システムを効率的に開発するアジャイル・スクラムエンジニア、ならびにプロジェクトマネージャー・プログラムマネージャー、などなど。
テクノロジー、ビジネス、マネジメントと幅広いレイヤーで多くの企業が採用を強化しています。
【Job area③ Defense】
上記の「Operation」「Creation」のいずれの領域を支えるDefense。
セキュリティやリスク・ガバナンスなどのDefense領域も更なる強化が企業の経営課題として必須であり、重要性も更に高まっており、引き続き採用は活況です。
DXに本気の企業が増加=採用ニーズも全方位的に拡大
小売・流通や金融・情報サービスなど、消費者との接点が多い業界からDX化の動きが進みはじめ、その後に消費財系から重工系まで幅広く製造業へと広がり、不動産や建築、インフラ・エネルギー関連など全方位的にDX化のニーズが拡大しています。
また、最近ではWeb3・メタバースなど、新しいビジネスフィールドも創造され、デジタルプロフェッショナル領域の採用ニーズは益々増えていくことは間違いありません。
もうひとつの特徴として、事業会社がデジタルプロフェッショナル領域の採用を強化している点も挙げられます。
これまではコンサルティングファームやSIer・パッケージベンダーなどのプロフェッショナルサービス企業の採用ニーズが圧倒的に強かったのですが、今では事業会社においても同様の動きが出ています。DX組織を自社内で持ち、一定のレベルで内製化する動きが顕著になっています。
そのため、優秀な人材を獲得するためオファー年収も全体的に上昇しており、DXに対して本気の企業が増えています。
このような中で優秀な人材を獲得する為、企業サイドは条件面やリモートワーク、副業などをはじめとした環境面、カルチャー面などのアピールとあわせて、経営層や意思決定者がDXに対していかに本気であるか、何を実現したいのか、それが現場まで浸透しているか、などを明確に候補者に伝え、具体的にイメージしてもらうことが優秀な人材を採用するためにより重要となっています。
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キャリアマーケットにおける需給のバランスはさらに崩れていく?
トレンドをおさえたキャリア構築が益々重要に
上述しました通り、現状でもキャリアマーケットにおける需給のバランスが崩れていますが、このままではこのバランスの開きはこれからますます大きくなっていくと考えます。
そして、テクノロジーやビジネスなど今後需要が高まるテーマ・領域のトレンドをおさえ、キャリアを作っていくことが大事になってきます。
そのため、候補者サイドは条件面・環境面や働き方とあわせて、ビジョンへの共感はもちろん、入社後に何ができるのか、それによりどのようなスキル・キャリアを得ることができるのか、などを確認し、具体的にイメージができるかどうかが重要なポイントとなります。
このように、デジタルプロフェッショナル分野の採用市場はとても活況で、キャリアアップに向けたオポチュニティも多い状況です。
今後も市場・ポジションの情報をはじめ、チャンスを掴むために重要なポイント、留意すべきポイント、押さえるべきポイントなどもお伝えできればと思います。
キャリアについてお考えの方、相談したい方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご志向やお考えなどを詳しく伺い、皆さんにあったお話ができれば嬉しいです。
https://www.kandc.com/digital/entry/
(担当コンサルタント:半藤剛)