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DX推進と、DX人材採用のヒント

昨今では、Webメディア、雑誌、求人情報など、様々なところでDX(デジタルトランスフォーメーション)の文字を目にします。

ただ、その中身は分かるようで分かりにくいため、今回のコラムでは、そもそもDXとは何か?を考えながら、DXを推進する上でのポイントと、DX人材の採用で留意すべきことをテーマに、書き進めたいと思います。

専門家・有識者の方が語るDX

私たちデジタルプロフェッショナルの転職・キャリア支援チーム(デジプロチーム)では、DXの正体を探るべく、様々な方の生の声を聞いてきました。

DXインタビュー:IT産業は世界史に残る産業革命となるのか。 成田悠輔氏が語るDXの将来とこれからのキャリア戦略

先日、イェール大学助教授の成田悠輔氏にインタビューの機会をいただきました。その中で、DXについて

  • DXという言葉には明確な定義が存在しておらず、現状への懐疑と改革へのエネルギーを象徴する言葉

  • DXとは、デジタル化への終わりなき旅であり、絶えざる運動

  • DXは統整的理念

とお聞かせいただきました。

 

DXインタビュー:ロケスタ 長谷川 秀樹 氏に聞く、DXの本質と、企業が推進する上での障壁と勘所について

東急ハンズ社の情報システム部門責任者やメルカリ社のCIOを担っていらっしゃった長谷川秀樹氏は、DXには様々な立場のポジショントークが含まれることを指摘の上で、DXを

  • オンラインでなめらかに全ての仕事が完結する世界

  • 世の中の全てがコンシューマー向けインターネットテクノロジーの世界に収斂していること

であると説明いただきました。

 

DXインタビュー:松永 エリック・匡史 氏に聞く、DXの本質と、企業が推進する上での障壁と勘所について

コンサルティングファームのパートナーを歴任し、現在は青山大学教授・アバナード社のデジタル最高顧問の松永エリック・匡史氏からは

  • DXは、ITやテクノロジーを直接意味するものではない

  • DXは一言で言えばイノベーションであり、それを支え実現に向かうためのツールがテクノロジーである

とお話いただきました。

 

DXレポート:老舗の電機メーカー パイオニアが挑む変革とは

サイバーエージェント、Google、セールスフォース・ドットコムを経てパイオニア社のCCO兼CMOの石戸亮氏は

  • DXが主語になって語られることに疑問を覚えている

  • 外部のパートナー企業から「御社のDX課題は何ですか」と問われても、DXそのものについて議論するのは無意味

  • 外部のパートナー企業から提案を受ける時は、「DXという言葉を使わないでほしい」とお願いしている

と、DXという言葉を極力使わないようにされていました。

DXを推進する上でのポイント

上記の話を踏まえると、DXに明確な定義はなく、一般的な解を示すことは難しいことが良く分かります。DXに正体はないのです。

それでは、明確な定義がないDXをどのように推進していけば良いのでしょうか。

成田氏からお聞きした「DXは現状への懐疑と改革へのエネルギーを象徴する言葉」であることを踏まえると、組織に所属するメンバーが危機感を持ち、改革に向けての機運を高めるために、DXという言葉を使うことは有効な手段と思います。

ただ、それだけではDXは達成しないように感じます。本気でDXを推進するためには、「何のためにトランスフォーメーションをするのか」を明確に示し、組織に所属する個人がその目的に心から共感し、結果が出るまでアクションし続けることが重要です。組織の”パーパス”や”理念”が、DXの道しるべとなるでしょう。

テクノロジーありきで改革をすると、改革の目的がITツールやシステムの導入になってしまうことにも注意が必要です。

DXを”短期のDX”と”中長期のDX”に分けて考えることも大切です。例えば、データを分析し、その示唆に基づき事業間のシナジーを出していきたいという場合、データプラットフォームの構築やデータ収集をする必要がありますが、それなりに時間を要します。短期のDXで少しずつ成功を積み重ねながら、中長期のDXに向けて仕組みを整えていく必要があります。

DX人材の採用で留意すべきこと

ITコンサルタントやSE(システムエンジニア)などのDXを推進する人材を採用する際には、何に留意したらよいでしょうか。

採用をする企業は、その企業におけるDXの中身をきちんと示すことと、DXが見据える先をしっかりと伝える必要があります。

DXは、その中身により、新規事業創出ができる方、業務変革ができる方、システム導入ができる方など、求める要件が大きく変わってくるため、DXの中身をきちんと示さなければ、本当に入社してほしい方に出会えないかもしれません。

また、何のためにDXをするのかを伝えることで、応募する方の遣り甲斐や、エネルギーの高まりにつながっていきます。

私たちデジプロチームは、企業のDXの中身を深く理解し、正しく情報提供できるように努めていますので、DXに関する採用を考えている場合には、ぜひお気軽にご連絡ください。

(担当コンサルタント:永田憲章

 

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