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ITコンサルタントのキャリアをじっくり考える~転職先候補編~

以前、ITコンサルタントの転職理由にフォーカスした記事をアップしました。

DX転職コラム:ITコンサルタントのキャリアをじっくり考える~転職理由編

今回は、その続編として、ITコンサルタントの転職先候補をテーマに書きたいと思います。

これまで、ITコンサルタントの方の転職をご支援させていただいた経験をもとに主な転職先候補をまとめつつ、今後の転職・キャリアに向けて参考となるような情報をお届けできればと考えています。

ITコンサルタントの転職先候補①大手事業会社

大手事業会社の場合、日系企業と外資系企業に分かれますが、いずれも即戦力性を求める傾向にあります。

日系企業はプロパーの方が多く、中途入社する方には高い専門性を求めています。外資系は、日系企業と比較してポジションが明確に分かれており、求める要件がJDに定められています。

つまり、ITコンサルタントの経験・スキルの中でも特にDXやIT領域の専門性を求められることになり、DX部門や情報システム部門における「デジタル企画」「社内IT」「テクノロジーを活用した新規事業・サービス開発」などのポジションが主な転職先の候補になります。

要件定義や基本設計を業務部門の方と一緒に行う経験が豊富にある場合には、その業務部門のポジション、例えば「物流」「人事」「経理」「営業企画」なども転職先の候補になります。
(人事部門の方とのプロジェクト経験が豊富にあれば、人事ポジションへの転職の可能性があります)

大手事業会社は、ワークライフバランス(WLB)を良くしたい、当事者として経験を積みたい、自分の提案した結果を最後まで見届けたい、という理由で転職をお考えの方におススメです。

また、日系企業であればHQが日本にあるので大きな意思決定や投資判断をしやすい、外資系企業であればグローバルのベストプラクティスを学べる、など、日系企業と外資系企業ではできること・得られることも変わってくるため、今回の転職で何を実現したいかを踏まえて選択肢を検討すると良いでしょう。

【ご紹介先企業例】
三井不動産」「ファーストリテイリング」「日産自動車」「ニトリ」「太陽ホールディングス」「東急」など

ITコンサルタントの転職先候補②スタートアップ企業

大手事業会社と同様、経験・スキルや業界知見などの即戦力性を求める企業もありますが、ITコンサルタントが持っているトランスファラブルスキルを求める企業もあります。

トランスファラブルスキルとは、どの企業にも持ち運べる仕事のベースとなるスキルのことであり、コミュニケーション能力、ロジカルシンキング、リーダーシップなどがこれにあたります。

スタートアップ企業では、複数の役割を担うことがあったり、状況がスピーディーに変化していくため新しいミッションを担う必要があり、特定の専門性よりもトランスファラブルスキルを重視する企業や、未経験職種であってもどんどん任せていこうというカルチャーの企業があります。

スタートアップ企業において転職候補となる主なポジションとしては「事業企画」「事業開発」「セールス」「カスタマーサクセス」「プロダクトマネージャー・プロジェクトマネージャー」などがあります。

スタートアップ企業は、当事者として経験を積みたい、裁量を持ちたい、新しいことにチャレンジしたい、という理由で転職をお考えの方におススメです。

【ご紹介先企業例】
マネーフォワード」「SmartHR」「LayerX」「メドレー」など

ITコンサルタントの転職先候補③コンサルティングファーム

コンサルティング業界の現在の採用ニーズは旺盛で、未経験の方を採用するファームも多い中で、各社、即戦力となる現役コンサルタントの方を強く求めています。

コンサルタントとしての仕事の進め方ができることを重視し、例えば

  • ITコンサルタントから人事コンサルタントへ

  • 金融業界向けのコンサルタントから製造業向けのコンサルタントへ

など、ファンクションやインダストリーを変更して採用するファームもあります。

ITコンサルタントから別のコンサルティングファームに転職する場合、現状と似たようなポジションであれば転職する意味がないということで、例えば以下のようなオポチュニティを得られる場合に転職をすることが多いです。

  • 興味のある業務領域やテーマ(例:上流フェーズ、グローバル、宇宙、環境)に関するプロジェクトを経験できる

  • コンサルティングを行いながら、自社の新規事業にもチャレンジできる

  • ファーム自体の経営や組織づくりに関わることができる

  • ファームの立ち上げに参画する

  • 職位が上がる

  • 年収がアップする

  • セールス責任が低く、デリバリーに注力できる

  • 現在よりもワークライフバランス(WLB)が改善する

希望を満たす転職に向けて現職で積極的なアクションを

応募するポジションがハイレイヤーになると、即戦力として早期にパフォーマンスを発揮することがより強く求められます。

ITコンサルタントの方は、テクノロジーを活用した新規事業・サービス企画、IT戦略、システム構想策定、要件定義、システム開発、PMO・プロジェクト管理など幅広い業務を担っているため、特にどのフェーズに強みをお持ちであるかを見られていきます。

応募先企業の業界の知見(業界のルールや慣習、業務の理解、法律関連の知識など)がどれだけあるかを重要視されることもあります。

そのため、ご自身として興味のある業界やテーマが見えてきたら、現職で関連するプロジェクトへのアサインを積極的に希望し、その業界やテーマに関する経験・スキルを蓄えていくと良いでしょう。

【ご紹介先企業例】
ボストン・コンサルティング・グループ」「アクセンチュア」「野村総合研究所」「シグマクシス」「グロービング」など

また、先日弊社で開催したオンラインセミナーにて、戦略ファームご出身でスタートアップにて活躍されているお二人(ジョーシス株式会社Sales & Marketing Managerの城戸大輝氏と、株式会社エクサウィザーズ執行役員の羽間康至氏)のお話を伺い、非常に示唆に富む内容でしたので、是非こちらもご覧ください。関連記事内で「現役コンサルタントが意識すると良いこと」もまとめていますので、参考にしていただければと思います。

【参考】現役コンサルタントが意識すると良いこと

●コンサルタントとして活躍したいのか、事業を創れるようになりたいのか。「自分はどうありたいか、何をしたいのか」の問いに向き合っていくことが重要。最初からやりたいことが決まっている人は珍しい。さまざまなことにアンテナを張り、好奇心を持って動くこと。
極論をいえば、飛び込まないとわからない。飛び込んでみると熱中していくこともある。飛び込んで違うと思ったら、今の時代ならまた転職できる。ピンとくることがあったら、飛び込んだり話を聞いてみたり、実際に動いたほうがいい。

●事業のオーナーを目指す場合は、自分がクライアント側の意思決定者になると想像してみる。具体的には、「自分の提案に対して、身銭をきり、時間とチームメンバーをアサインしてやるのか?」をシミュレーションする。客観的に見てやるべきという視点ではなく、自分が提案される側で、会社の意思決定を背負いリアルにやるかまで考えてプレゼンすると、お客様に与える重みはまったく違う。
また、自分の提案の結果、お客様が実際にどのように動き、世の中・マーケットからどうレスポンスが返ってきているかまで見ていくことが重要。プロジェクト終了後もお客様とコミュニケーションをして、「あの後どうなっていますか?」と聞いてみる。

関連記事:コンサル経験は事業会社でどう活かせるのか >

繰り返しとなりますが、今回記載した転職先はあくまでも主な選択肢です。記載されていない転職先についても、お一人お一人の希望を満たす転職の実現に向けて全力でご支援できればと考えています。少しでも気になることがありましたら是非お気軽にご相談ください。

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(担当コンサルタント:永田憲章

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