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デジプロ採用戦国時代を勝ち抜く求人情報とは?

皆さん、こんにちは!クライス&カンパニーの櫻内です。

これまでは主に求職者向けの記事をアップしてきましたが、今回は採用企業向けの内容を書いてみたいと思います。

私たちはTIコンサルタントやSE(システムエンジニア)、DX人材といったデジタルプロフェッショナルを採用したい企業様と日々沢山接点があります。その中で「こんな情報をもっとオープンにしていけば、ITコンサルタントやSE、DX人材の方に訴求できるのに」と思うことが多々あり、どういった情報を求職者へお届け出来ると良いか書き綴ります。

今回の記事が少しでもITコンサルタントやSE、DX人材の採用で悩む企業様に届けば幸いです。

一般的な求人内容

現在はどこの企業もITコンサルタントやSE、DX人材のニーズが強く、そこかしこでDX求人を見かけます。

よく見かけるパターンとしては、企業情報や理念、事業紹介や社員紹介とともに、職務内容や必須尚可要件、条件面の記載があるものです。

誰もが知る日系企業の場合、こういった内容で十分に訴求が出来ると思うかもしれませんが、ITコンサルタントやSE、DX人材にとっては不十分。ITコンサルタントやSE、DX人材の採用は戦国時代です。最前線を行く企業はIT/DX部門の特集ページを設けて、情報発信に取り組んでいます。では、ITコンサルタントやSE、DX人材はどんな情報を求めているのでしょうか?

デジプロ人材の採用最前線企業の求人情報

・DX戦略の説明

以前の記事でもご紹介しましたが、今や「DX」がバズワードとなってしまっていて、そこかしこにDXというワードがちりばめられた募集要項を目にします。

デジプロ人材が企業を見極める上で知りたいのは、その企業におけるDXが何を指すか?ということです。DXが意味することがデジタルを活用した新規事業の創出ということもあれば、業務の効率化などということもあります。

また、DXを通じてどういった世界の実現を果たしていきたいのか?がその企業らしさと絡めて語られていることも重要です。読み手であるITコンサルタントやSE、DX人材がわくわくして、同じ船に乗りたいと思うような世界が描かれていると良いでしょう。

・DXの歩みや歴史

大きな絵を見せた後は、これまでの軌跡を説明しましょう。

新設された部門であれば、新設された経緯や背景があると良いと思いますし、設立されてしばらく経っている場合にはこれまでどんな取り組みをしてきて、この先にどんな課題やチャレンジが待っているのか?といった情報があると、その企業のDXの現在地が想像しやすくなります。

加えて、これまでの取り組みの実例などを載せるとよりイメージがしやすいと思います。

・DXへの本気度

DXへの本気度は戦略や歩み以上に重要かもしれません。

以前本気DX/残念DX(リンク)という形でご紹介しましたが、どれだけ経営陣が本気でDXに取り組もうと考えているかがしっかりと伝わることが大事です。

DXへの投資方針や、経営陣のコミット、管掌CxOへの権限移譲や意思決定のスピード等、具体的なエピソードも添えられていると説得力が増します。

例えば、先日インタビューをさせていただいた太陽ホールディングスの俵CDOはこんなエピソードをお話してくださっています。

太陽ホールディングス株式会社 常務執行役員 CDO 俵氏が語る、同社のDXとは|DXレポート08

太陽ホールディングスはDXをきわめて重要な経営戦略に掲げており、トップもDXで企業価値を高めていくことにコミットしています。ですから、DXを推進していく中で梯子を外されるようなことはありませんし、的を射た企画であれば予算も下ります。私自身がトップと直接やりとりできるポジションにあるので、企画から実行までスピーディーに動ける体制なのも、DXに携わる人材にとっては魅力だと思います。

佐藤社長との関係性や意思決定の早さがうかがえるエピソードかと存じます。

・部門やチームの組織体制、風土

配属想定部門の組織に関する情報も記載しておくと、より業務イメージがわきやすいです。

IT/DX部門全体や所属チームの人数規模や、中途比率、社員のバックグラウンド、どんな職種の方々がいらっしゃるか、内製部隊はいるのか等が挙げられます。

特に開発を自社で行っているかどうかは、業務内容や求められる要件、業務を通じて得られる経験スキル等に大きく影響するため、情報として記載した方が良いでしょう。また、上の項目で経営陣のDXに対する本気度について述べましたが、重要なのはそれが現場まで浸透しているかどうかです。現場ではどんな共通意識をもって業務に取り組んでいて、どんな雰囲気なのか等、実際に働いている方のインタビューを掲載している会社も多く見受けられます。

・働き方

ITコンサルタントやSE、DX人材は働き方も非常に重視しています。裁量労働制・フレックスタイム制等があり、自分の裁量で日々の働き方を決められるかどうかや、リモートワーク比率、残業時間等の情報については、情報発信必須です。ITコンサルタントやSE、DX人材が求めているのは、全社的な情報ではなくIT/DX部門個別の情報です。IT/DX部門の実績情報の発信をおすすめします。

リモートワーク可否や比率については、会社としての業務に対する考え方が現れる部分でもあります。例えば、工場や倉庫など日々現場で働く人が多い業態の会社では、現場へのリスペクトや膝を突き合わせて対面で議論することに重きを置き、リモートワークを制限している会社もあります。大事なのは制度自体の有無ではなく、どういった背景で現状の制度になっているのかや、実際にどう運用されているかの生の情報です。

会社によっては、ITコンサルタントやSE、DX人材により適した働く場を提供するべく、働く環境について整備を進めている会社もあります。例えば、カインズ社の「CAINZ INNOVATION HUB」、ニトリ社の「ニトリデジタルベース」が挙げられます。こういった場があることは経営としてのIT/DX領域の本気度も伝わってくるので、良い訴求材料になるかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。こう見ると沢山の項目があることが伺えます。この全てを一般的な求人票に盛り込むことは難しく、博報堂テクノロジーズ社や東急社などITコンサルタントやSE、DX人材最前線企業の多くはデジプロ人材専用の採用サイトを持ち、積極的に情報発信をしています。

インターネットの浸透が著しい昨今、採用はもはや情報戦といっても過言ではなく、ターゲット人材に訴求できる情報をオープンにしているかどうかは明確に採用成功に影響します。

ITコンサルタントやSE、DX人材に有益な情報をオープンにすることや、エージェントに連携していくことは大変重要です。

この記事がITコンサルタントやSE、DX人材の採用に悩む企業様にとって少しでもお役に立てれば幸いです。

■デジタルプロフェッショナル支援チームについて

 https://www.kandc.com/digital/about/

(担当コンサルタント:櫻内 智子

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