Column
DX転職コラム
「本気のDX」リーダー事例【パナソニック】【太陽ホールディングス】【ユニ・チャーム】編
日々多くの候補者様とお会いする中でよく質問を頂く内容の一つに、「事業会社のDX(デジタルトランスフォーメーション)への本気度をどう見極めればいいのか?」というものがあります。
中期経営計画でDXやIT投資を謳っていたとしても、DX銘柄に選出されていたとしても、様々な状況の会社様があるというのが率直な印象です。
我々は採用企業が会社として公開している情報もさることながら、DXやITのトップの方から伺う生の声にも価値があると感じています。企業の本気度は社長やCEOがIT/DXにどのようなコミットメントを見せているかが全てと言っても過言ではありません。
今回は我々が実際にお話をお伺いして、そのコミットメントに心を打たれた「パナソニックホールディングス」「太陽ホールディングス」「ユニ・チャーム」のエピソードをご紹介します。
従業員24万人の巨大組織で「PX」を推進する、パナソニックホールディングス グループCIO玉置肇氏
玉置肇氏は日経ビジネスのインタビューでも、歴史が長く組織が大きい上にただでさえ停滞感が漂うパナソニックグループのCIO職について、当初は必ずしも前向きな印象ではなかったことをお話になっています。
しかし、社長である楠見雄規氏と会長津賀一宏氏らとの対話を通じて、経営陣が本気で変革に取り組もうとしている姿勢に感銘を受け、それが入社の大きな後押しとなったと語っています。
過日、玉置氏にインタビューをさせていただく機会がありました。
CIO玉置氏はもちろん、社長の楠見氏も経営の重要課題としてDXを捉え、ただならぬコミットメントをされている様が大変印象的でした。
❝幸いなことに、私は今の社長の楠見に呼ばれて参画していますし、楠見もこのDXの成否が会社の浮沈を握っているということを理解しているので、私と強力にタッグを組んでフルコミットしていただいています。例えば、私の発信に同期を取って業務プロセスの変革をシステム開発の前に行うということを楠見が全世界に動画で発信する、毎月楠見と我々とで定期的にPXの進捗を議論する等です。これは大変ありがたく、幸せなことだと思います。❞
老舗化学メーカーでDXに挑む、太陽ホールディングスCDO俵輝道氏
太陽ホールディングス社はもともとソルダーレジストと呼ばれる電子部品に欠かせない化学材料で世界トップクラスのシェアを誇るグローバルニッチトップ企業の代表格とも言える存在です。社長の座を現在の佐藤英志氏にバトンタッチしてから、佐藤氏の経営手腕により近年医療・医薬品、食糧、エネルギーの三領域に拡げてトランスフォーメーションを遂げてきました。2018年にはIT企業を2社買収し、社長自らDXを推進してきました。
佐藤英志社長のプロアクティブさは従前より大きな魅力ですが、大企業然としたものを感じさせないスピード感ある意思決定や、同社におけるDXの重要度はCDOの俵輝道氏のお話からも伺えます。俵氏もまた、異業種で事業創出をリードしてきた経験が豊富で、守りのDX領域だけでなく新規事業創出を目指した同社の「攻めのDX」を力強く推進しています。
❝太陽ホールディングスはDXをきわめて重要な経営戦略に掲げており、トップもDXで企業価値を高めていくことにコミットしています。ですから、DXを推進していく中で梯子を外されるようなことはありませんし、的を射た企画であれば予算も下ります。私自身がトップと直接やりとりできるポジションにあるので、企画から実行までスピーディーに動ける体制なのも、DXに携わる人材にとっては魅力だと思います。❞
このエピソードをお伺いした時には、佐藤氏と俵氏の間にある信頼関係と、力強いコミットメントに感銘を覚えました。
異例の本部新設で「MDX」を推進するユニ・チャーム社共同CDXO今川高博氏
また、先日弊社ではユニ・チャーム社のMDX本部で共同CDXOをされている今川氏にインタビューさせていただきました。
MDX本部は、人口の半分を占める女性、そして彼女ら自身が見えていない問題を起点に新たな顧客体験を提供することを目的としている組織です。ユニ・チャーム社においてこうやって新しい取り組みが本部となるのは非常に珍しく、会社としても重要度の高い取り組みであることが伺えます。
ユニ・チャーム社自体は新しい取り組みを歓迎する社風で、社長直下のプロジェクトで研究の予算はあったものの、当初は人集めの観点で苦戦されて、部門トップである今川氏自ら社内を行脚して社内の優秀な人材を口説く日々が続いたそうです。今川氏自らが全て一次面接を対応し、必要な人材の見極めと口説きを担っていらっしゃること、そして人事制度やカルチャーも既存の組織に寄せず、MDX本部からユニ・チャーム社全体をミューテーションしていこうという気概がとても感じられました。
いかがでしたでしょうか。
直接お話をお伺いした際の興奮を文章で伝え切れないことがとても悔やまれますが、直接トップから語られるDXにかける強い想いや実際の動きにはとても心動かされるものがあります。
私達は、こういったトップの方々の代弁者として候補者さんに生の情報をお伝え出来るように接点をつくっています。巷に転がる記事情報ではない、こうした生の情報を知りたい!という候補者様は是非クライスのデジプロチームへご相談ください。
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(担当コンサルタント:櫻内 智子)