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アバナード元代表の安間裕氏に聞く、コンサルティングファームで成功するために必要な専門性・スキル・能力

先日、アクセンチュアテクノロジーソリューションズの代表取締役やアバナードの代表取締役及び会長を務めた安間さん(弊社アドバイザー)に「コンサルタントとして活躍するために」というテーマでお話をお聞きしました。

♯01 コンサルタントとして活躍するために必要な3つの資質とは?
https://www.kandc.com/digital/dx/column/014/

♯02 コンサルティングファームの採用面接で意識すべきことは?
https://www.kandc.com/digital/dx/column/015/

♯03 コンサルタントとして活躍するためには?
https://www.kandc.com/digital/dx/column/016/

今回のコラムでは、安間さんのお話をお聞きして私が感じた【コンサルティングファームで成功するためのポイント】をお伝えします。

専門性を高める

コンサルティングファームで成功するためには大きく「ビジネスオペレーター」「バリュークリエイター」「ピープルデベロッパー」の3つの軸が必要で、基本的にはこの3軸で大きな正三角形の能力チャートを描ける人材を求めているとのこと。

その上で、テクノロジーが急速に進化し、解決すべき課題も高度になっているため、専門の領域を究めた人材が以前よりも必要とされていて、極言すれば「バリュークリエイター」として100点満点であれば、他の2つの要素が0点でもいいと安間さんはおっしゃっています。

バリュークリエイターとは「自分がどのような価値を提供できるか」ということです。

以前と比べ、お客様の社内にもコンサルティングファーム出身者が増えている中で、より高い専門性を発揮しなければお客様から価値として認められない時代になっていると感じます。

AIに非常に詳しかったり、あるいはプログラマーとして超一流のスキルを持っている人であれば、積極的に採用しようという姿勢に変わっていることや、AIプロンプターのようなAIの専門家はいま非常に必要とされていて、どこでも引っ張りだこというお話も安間さんからお聞きしました。

「ビジネスオペレーター」「バリュークリエイター」「ピープルデベロッパー」の三角形を大きくすることを意識いただきながら、特に、どの専門性を高めていけばお客様から価値を感じていただけるか、自問自答しながらプロジェクトの経験を積んでいただけたらと思います。

安間さんからは「他人より長時間働くことで何とか価値を出そうとするのですが、それは絶対にやるべきではない。まだキャリアの浅いコンサルタントがいくら時間を費やしても、発揮できるバリューには限界がある。どうせ時間を使うのならば、自分を磨くことに費やすべき」という金言もいただきました。この視点も是非強く意識いただきたいです。

なお、中途採用市場においても、シニアなポジションになればなるほど、どのような専門性をお持ちであるかが合否を決める大事な要素となります。将来の転職を見据えたときにも、専門性を高めておくことは重要です。

いい人である

ポジションが上がるほど重要になるのが「ピープルデベロッパー」、メンバーを育成しチームビルディングできる力を持つ人材であり、コンサルタントとしていかに優秀であっても、この「ピープルデベロッパー」の評価が足りないために昇格を逃すようなケースも多々目の当たりにしてきたと安間さんはおっしゃっています。

専門性が分化している今は、より一層、個人の力よりもチームの力が重要で、どんな立場の人の意見であろうが尊重できる方でないと、良い議論は出来ないし、結果としてプロジェクトの成功もないことや、いろんな意味で「いい人」のほうがコンサルティングファームで成功できる可能性は大きいと思うともおっしゃっていました。

ビジネスの世界は益々複雑化していて、社会やお客様に価値を提供するには様々な知恵やノウハウをかけ合わせる必要があります。そのような状況の中で、オーケストラの指揮者のように、専門家と協調しながら、大きな成果に向かってプロジェクトを推進していくことが求められる中で、周りの方から慕われる「いい人」であることは大きなプラスと言えるでしょう。

安間さんは、コンサルタントを採用する際に、お互いを尊敬・尊重できる人なのか、仲間になって欲しいと思える人なのかを重視されていたとのこと。この人と一緒に働きたいと思われるかどうかが、「いい人」であるかを判断する1つの尺度と言えます。

私は「いい人」であるためには、ベクトルが自分に向いているのではなく他者に向いていて、同僚やお客様を尊敬・尊重し、思いやりと想像力を持ちながら、テイクよりもギブというあり方が求められると感じます。

安間さんは、「ビジネスオペレーター」や「バリュークリエイター」としての実績は、ビジネスに直結しているのでおのずと上がっていくものの、「ピープルデベロッパー」は意識して継続的に取り組まないと成果は生まれないともおっしゃっていました。是非、キャリアの早い段階から意識なさってください。

信頼を積み重ねたとき、キャリアは拡がっていく

専門性を高めることと、いい人であること。私はどちらも「信頼」につながっていく要素だと考えています。

信頼には

①仕事における成果・実績から生まれる信頼
②人としての信頼

という2つの側面があると思います。

仕事において成果・実績を挙げ、お客様や上司から信頼されることで、新たなポジションやミッションを任せてもらえます。採用面接の場面においても、その方がこれまでに挙げられた成果・実績は、新たな職場での価値に足るものか、という視点でジャッジされています。

人として信頼されるかどうかは、全てのベースになると言っても過言ではないでしょう。

私は「キャリアは信頼の積み重ねで拡がっていく」と考えています。信頼残高は一朝一夕で増えるものではなく、一瞬の言動・行動で信頼を失うこともあり、失った信頼を取り戻すことは容易ではありません。

地道にコツコツと、信頼を積み重ねていきましょう。

安間さんとの対談では、コンサルティングファームにおいてどのように人事評価がなされているかや、マネジメントをする上での心構えなど、貴重なお話をお聞かせいただきましたので、是非、上記のインタビュー記事をご覧いただきたいです。

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(担当コンサルタント:永田憲章

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