家族の幸せに役立つプロダクト開発ならば、人生を捧げられる。
及川
まずはユニファという企業についてご紹介いただけますでしょうか。
西川
ユニファは、代表を務める土岐(泰之氏)が2013年に起こした企業です。土岐は以前、商社や外資系コンサルティング会社に勤務し、いつかは事業を起ち上げたいという想いを抱いていました。が、人生を賭するに値するものが見つからず、いろいろと模索していた時、「自分が大切にしたいことは何か」をあらためて問いただしたんですね。
そこで彼が強く意識したのが、家族を愛する気持ち。過去、土岐は奥さんのキャリアを優先し、それまでの自分のキャリアを投げうって名古屋に移住したこともあり、そんな彼が「家族の幸せに役立つ事業ならば人生を捧げられる」と創業したのがユニファです。
スコープとしては、家族に幸せをもたらすために、まず子育てを支える社会インフラである保育園・幼稚園・こども園(以下、保育施設)に関わるサービス開発から取り組んでいます。ICTを活用し、園での子どもたちの写真を保護者の方々に提供する業務を効率化する「ルクミーフォト」や、IoTを駆使して園児のお昼寝を見守る「ルクミー午睡チェック」などを展開。
さらに2021年7月には、こうしたサービスも含めて、子どもたちの登降園管理や保育者のシフト管理などをひとつのプラットフォーム上で提供できるよう大幅にリニューアル。その結果、各サービス間でデータ連携が可能になり、現場の保育者の方々にさらに貢献できるようになりました。
というのも、保育者の方々はいろんな書類に情報を書き込む、確認・転記コストというのが非常に大きいんですね。この負担がデータ連携によって大きく軽減され、発表以降、おかげさまで好評をいただいています。
及川
西川さんご自身のご経歴も教えていただけますか。
西川
私は新卒で外資系のコンサルティング会社に入社し、しばらくフルスクラッチ系のシステム基盤開発のテックリードを務めた後、クライアントへの戦略提案と案件獲得を担うシステムコンサルティングに携わりました。
しかし、そこで私が関わっていたのは、いわば100→1000の案件で、やはり0→1のモノづくりがしたいと転職を決意。学生時代からゲームが好きだったので、ソーシャルゲームで成長している有力企業に移り、そちらでゲームのディレクターやプロデューサーを担当。その間、子どもができたこともあって、教育系のスタートアップに興味を持って再び転職しました。
そのスタートアップがイグジットに成功し、次のキャリアとして自ら起業することも選択肢のひとつとして考えていたのですが、当時子どもが2歳で、スタートアップを起ち上げると昼も夜もなく仕事と資金繰りに追われ、家族と過ごす時間がほとんど取れなくなる。
やはり私も家族との時間を大切にしたいという想いが強く、それでしばらくはサラリーマンをしようと考えて求職活動を行ったところ、エージェントからユニファを紹介いただき、家族をテーマにした事業ならば長く情熱をもって打ち込めるのではないかと入社を決意したのです。