イシューに向かい続ける代表の矢本を見てきたから、共同創業を決意
及川
御社が手がける事業やサービスについて簡単に紹介いただけますか
石川
10Xは2017年6月に創業し、2年ほどは子育て世代に献立を提案する『タベリ―』というサービスを展開していました。選んだ献立の材料をネットスーパーに発注できる機能を提供した際に、ネットスーパーを一般消費者に浸透させるハードルを実感。事業をピボットしていきました。
現在は、日本中の誰もが手軽にオンラインで食品や日用品を購入できる世界を目指し、 スーパーなどの小売チェーンストア向けに EC プラットフォームである『Stailer(ステイラー)』を 提供しています。私たちがプロダクトを完全に作りあげて提供するのではなく、パートナー企業と一緒に創りあげていくプロダクトです。
及川
石川さん自身のご経歴を教えてください。
石川
元々はソフトウェアのエンジニアです。中学生からプログラミングを勉強し、新卒ではカヤックに入社。規模の大きなプロジェクトを経験したいとLINEに転職し、新規事業の立ち上げにも携わりました。
さらに、自らが意思決定できる事業サイズの会社で働きたいと思い、新規事業のメンバーを募集していたメルカリに転職。グループ会社のソウゾウで、「メルカリ アッテ(※現在はサービス終了)」というサービスのiOSアプリやサーバサイドの開発を担当しました。10Xの代表である矢本と出会ったのもメルカリでした。
及川
その後、10Xを矢本さんと共同創業されます。矢本さんと起業しようと考えたのはなぜですか?
石川
メルカリにはさまざまなプロダクトマネージャー(PdM)がいましたが、矢本が一番面白いと感じていたからです。真面目で、事業とユーザーに常に誠実であろうとする。そのためにはアクションやインプットを惜しまない人です。
特に、イシューに向き合う胆力がすごい。
僕たちが担当していたのは近所での物々交換や家事代行を行うサービスでしたが、矢本はいちユーザーとして物々交換を行いながら「ついでにインタビューさせてください」とユーザーの話を聞くなど、泥臭くユーザーと向き合っていた。ユーザーが何を求めているのか、どんな価値が生まれているかを考え続け、方針を示す というPdMとしてあるべき姿でした。
矢本のイシューに向かい続ける姿勢があるなら、いつか一定のところに辿り着くんじゃないかという信頼感がありました。
10Xの創業後は矢本がPdM、私がエンジニアリング を担当していましたが、Stailerの事業を始めるときに、よりビジネス・事業開発に近い部分を矢本が、プロダクト開発全般を私が担当する体制になりました。当時はPdMが不在だったので、実質的に私がPdMを担当していました。
及川
組織が大きくなるタイミングで、創業者が他の人にPdMを任せるケースが多く、一般的にはそこで課題が起きることもあります。御社ではいかがでしたか。
石川
矢本と私は能力やスキルにかぶりがないので、役割分担できていると思います。矢本が解決したい課題を決定し、その手段は私に任されているような状況です。
お互いに背中を合わせて信頼感のある状態で、事業を進められています。もしかすると、今後事業が拡大していくことで、より大きな課題にぶつかる可能性はあるのかもしれませんが。
及川
共同創業されていることもあって信頼関係を構築されているんですね。現在の御社の組織の体制を教えていただけますか。
石川
社員数は現在40名弱です。プロダクト部門ではPdMは3名、ソフトエンジニアが15名、デザイナーが2名、カスタマーサクセス2名、加えて、グロース & サクセスという分析やデータ周りを担う部門が3名、そしてコーポレートが5名、BizDevのメンバーが10名です。
その中で私が率いているのがStailerの開発チームで、PdMとエンジニアとデザイナーが在籍している20名ほどのチームです。ミッションを達成するのに十分なクオリティや速度を出すために、さらに人員を増やしていきたいと考えています。