プロダクトマネジメントを型化することで、プロダクトを強化
及川
御社が手がける事業やサービスについて簡単に紹介いただけますか。
山口
電話を起点として、オンライン商談につなげるSaaSを提供しています。直近では「リモートコントロール」という機能を新たに追加し、オンライン上での申し込みや契約手続きが可能になりました。特に、金融領域の顧客に注力しています。
及川
プロダクトマネージャー(以下PdM)組織の体制について教えてください。
山口
現在のプロダクト開発に関わる組織は、プロダクトグループとシステムグループから成り立っています。プロダクトグループにPdMとデザイナーが所属し、システムグループに開発と運用が所属。開発はプロダクトラインに対応する構成となっており、SRE、セキュリティ、品質管理などの運用はプロダクトを横断して担当しています。
この中でPdM業務を担当しているのは18名ほどとなり、大きく3つに分類できます。
プロダクトの全体的なマネジメントを行うのは、ユーザーの課題を定義し、それに対応するプロダクト要求を定義するストラテジ担当PdM、プロダクト要求に対し、要件や仕様を設計し、その開発プロジェクトの推進を担当するテクニカルPdM、プロダクトマーケティングを担当するPMMです。
及川
ストラテジとテクニカルのPdMを分けている理由を教えてください。
岩本
ベルフェイスの組織状態に適した体制をとっています。現在はストラテジを担当できるPdMが少ないため、テクニカルまでカバーするとストラテジフェーズが追いつかない状況です。そのため、役割を分けています。
また、ひとつのプロダクトの中に多くの機能があり、自分が担当する領域以外の細かい仕様を把握するのが難しい状況です。連携する機能は干渉しあうため、テクニカル担当PdMをおくことで、齟齬が起きないようにする目的もあります。
及川
PdMの責任範囲について教えてください。
岩本
PdMはPLの責任はもちませんが、機能追加や新しく作り出すプロダクトがどれだけ事業にインパクトをもたらすのかの見立てや調査、整理を深く行っています。
さらに、リリース後にどのくらいの価値を生み出せたかという評価も行っていますね。
プロダクトに対する要望や企画、事業上の新たな取り組みのアイデアは、ビジネスサイド・プロダクトサイド両方からあがってきます。
どちらか一方の要望だけで進めることはなく、事業上のインパクトや、ユーザーにどれくらい価値を与えられるかを戦略的に見立てた上で、会社として進めるべきかという意思決定をしています。
ビジネスサイドから要望があっても、プロダクトサイドが「やるべきではない」というフィードバックを行うこともあり、その逆もしかりです。
及川
PdMとシステムグループは、どのようにコミュニケーションをとっているのでしょうか。
岩本
弊社のプロダクトマネジメントについて補足しながらご説明します。
当社では、「Open Product Management Workflow」(以下OPMW)というプロダクトマネジメントプロセスを取り入れています。