複雑なビジネスを営むエンタープライズ企業がターゲット
及川
まずはROUTE06(ルートシックス)という企業についてご紹介いただけますか。
松本
私たちROUTE06は、大手企業のビジネスモデル変革を支援するDXパートナーです。リアルなアセットを持つ大手のお客様に対して、我々がデジタルをかけ合わせることで新しい事業価値や事業機会を提供することをミッションに掲げ、2020年に創業しました。すでに社員は50名を超え、現在も成長を続けている最中です。
及川
いま、松本さんのお話の中で“DX”というキーワードが出ましたが、ROUTE06では、お客様にもたらす“DX”をどのように定義されているのでしょうか。
松本
端的に言えば、お客様のトップラインを上げる仕組みを構築して提供することが、我々の“DX”です。単純に業務をデジタルで楽にするという観点ではなく、お客様の売上拡大や、お客様の市場価値向上のための支援をすることが、我々が果たすべき“DX”だと捉えています。
及川
ご説明ありがとうございます。では、実際にどのようなプロダクトを開発し、どのようなサービスを展開していらっしゃるのでしょうか。
松本
現在、自社プロダクトとして“Plain”というAPIプラットフォームを開発しています。これはヘッドレスなバックエンドのシステム基盤であり、このシステム基盤を当社のプロフェッショナルサービスによって、お客様が望むビジネスを実現できる仕組みにカスタマイズして提供する事業を展開しています。いま我々は、売上高1000億円以上のエンタープライズ企業をターゲットにしており、お客様はそれぞれ非常に複雑なビジネスを営まれています。この“Plain”は、大手のお客様の複雑なビジネスに合わせてUIをフルカスタマイズすることができ、それが大きな特徴のひとつです。さらに、大手のお客様はすでにSalesforceやSAPなどのSaaSを導入されているケースが多く、そうしたシステムと容易に連携できることもこのプロダクトの強みです。
及川
この“Plain”の上で、エンタープライズ系のお客様に向けて具体的にどのようなサービスを提供されているのでしょうか。
松本
いま我々が注力しているのは「クラウドEDI」です。これはBtoBの商取引のプラットフォームであり、例えばお客様のバイヤーの方が商品や原材料を仕入れる際、見積書をやりとりして発注して契約を結び、納品されるまでの一連の企業間取引をデジタルで実行し、ワンストップで管理できるサービスを提供しています。
及川
御社がいま提供しているサービスは、どちらか特定の業界にフォーカスされているのでしょうか。
松本
特に業界を絞ってはいませんが、いま我々がおつきあいさせていただいているお客様の例を挙げると、三菱商事様や三菱マテリアル様をはじめとした大手企業が中心であり、商社や製造業のBtoBの業務を重点ターゲットにして顧客を開拓していきたいと考えています。また、現在は「クラウドEDI」の領域でサービスを創っていますが、これをひとつの大きいバーティカルSaaSとして捉え、今後はまた別のドメインでバーティカルSaaSを創り上げ、それを積み上げていくことで事業を拡大していきたいと考えています。