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INTERVIEW 009

2022 Apr 27

HataLuck and Personのプロダクトマネージャーに決定

コンサルタントとの壁打ちによって、転職に求める軸が固まっていった。

PROFILE

株式会社HataLuck and Person プロダクトユニット マネジャー 吉田 智秀氏

吉田智秀氏

2003年に DeNA に中途入社。Eコマース、ゲームプラットフォーム、スマートフォンゲーム、キュレーションメディア、大手ゲーム会社の会員サービス、ソーシャルライブサービス、海外展開等、一環してユーザー向けサービスのプロダクトマネジメント/開発ディレクションを担当。2021年11月から株式会社HataLuck and Person プロダクトユニット ユニットマネジャー。

POINT
50歳を間近にして、変化に適応できる力を維持したかった
求人や面接の感想をやり取りすることで、転職の軸が固まった
「自分が入社したら、いい結果を生み出せる」と思えた
入社して1週目に、ミッション、ビジョン、バリューの変更を提案

50歳を間近にして、変化に適応できる力を維持したかった

今回の転職活動の経緯や背景をお聞かせください。

前職は、株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)に18年在籍し、プロダクトマネージャー(以下PdM)もしくは開発ディレクションといった役割で、約 9つのプロジェクトに関わりました 。

転職を考えるようになったきっかけのひとつは、2019年に第二子が生まれたこと。子どもが20代半ばになるまで自分が働くと考えると、「働く人生はまだまだ長いな」と思いました。

長く楽しく働いていきたいと考えると 、健康な身体と柔軟な頭が大切 です。変化に適応する力を維持するためにも、キャリアの幅を広げたいと思いました。

また、50歳という年齢が近づいていたことも、転職を意識したもうひとつのきっかけです。50歳を過ぎると転職のハードルが上がり、新たな環境に適応する力も落ちるのではと考えたからです。

まずは、ビズリーチやLinkedInのプロフィールを整えてみました。

しかし、PdMコミュニティの知り合いから他社の話を聞く機会も多くDeNA出身者が転職した会社の話を聞く機会などもあったなか 、興味をひかれる転職先はあまり思いつかず、転職することを具体的にイメージはできていませんでした 。

DeNAでさまざまな規模のプロジェクトを経験していたこともあり、他社であってもプロジェクトの背景や成長性などが想定できてしまうんですよね。「きっと自分が入社したら、こんな役割を担うんだろう 」と予想したときに、興味がわくプロダクトはありませんでした。

私の予測が合っているかはもちろんわかりませんでしたが、これといった転職先が見つからなかったため、「転職しよう!」と決意するまで エンジンがかかることはありませんでした。

エージェントの中でクライス&カンパニーを選んだのはなぜですか。

ビズリーチでは 複数のエージェントから「まずは気軽に面談を」とアプローチされました。

ただ、転職の意志がはっきりしていない状態で、相手に時間をとってもらうのも悪いと思い、むやみに面談に行く気にはなりませんでした。

それに、文面を見ると「エージェント側も一斉にアプローチしているだろうな」と思うような内容のスカウトが多かったんですが 、クライス&カンパニーからのスカウトは、ほかのエージェントよりPdMを理解している印象がありました。

さらに、Webサイトを見ると、PdMを強く押し出していて、PdMとして著名な及川さんが顧問であることを知り、興味がわきました。そこで、クライス&カンパニーの面談を受けることにしたんです。

求人や面接の感想をやり取りすることで、転職の軸が固まった

クライス&カンパニーのコンサルタントと会った時の印象はいかがでしたか。

コンサルタントの工藤さんからは、これまで経験したプロジェクトと、その中でどんな役割をしたかを具体的に聞かれました。

「プロダクト責任者をやっていた」という一言では、周囲にどんなメンバーがいてどんな仕事をしていたのか、責任者がどの程度の解像度でプロダクトに踏み込んでいるかはわかりません。

それを知るために工藤さんは質問をしていて、私が説明したときの専門用語についても理解されていたのが印象的でした。

やり取りで印象的だったことはありますか?

求人の紹介の仕方が丁寧だと感じました。ただ求人情報を送ってくるのではなく、「●●という観点が吉田さんにとってこんな風にいいと思います」や「こういった方向に検討の幅を広げてみるのはどうでしょう?」など 、私の考えていることを理解してくれた上で紹介してくれていたからです。

そして、求人を紹介してもらったときは、私も長文で返事をしていました。求人に対しての自分の考えや所感を工藤さんに伝えることで、私は頭の整理ができますし、工藤さんもより私の考えを理解してくれるのではと思ったからです。

工藤さんには、カジュアル面談や面接などを受けるたびに、具体的なやり取りを細かく共有していました。こうした話を踏まえて、次の求人を紹介してくれるという感じでした。

たとえば、面接を受けた1社は向こうからお断りされました。私自身も面接後、工藤さんに「たぶん向こうから断りがきます」と伝えていました。その理由は、100 人ほどの企業規模で、ある程度プロダクトも成長していて、採用したいPdM像がかなり明確でそこに自分はマッチしないと思ったからです 。

私は、プロダクトのグロースフェーズでPDCAを数多くまわした経験は少ないんです。プロダクトの誕生から携わり、メンバーの役割が線引きされていないところから組織化していくフェーズの経験が多く、そういった役割が自分は得意なのだと改めて認識しました。

このように、工藤さんと求人を通じてやり取りを繰り返すうちに、自分の中でぼんやりしていた転職の軸が固まってきたように思います。

「自分が入社したら、いい結果を生み出せる」と思えた

なぜ転職先としてHataLuck and Personを選ばれたのでしょうか。

HataLuck and Person(以下HATALUCK )を選んだ決め手はいくつかあります。

1つは、事業領域と組織フェーズのバランスを考えたときに、30人くらいの規模であることが面白そうだったこと。

2つめは、HATALUCK が提供している店舗マネジメントツール「はたLuck®︎」は、自分が解像度を上げて関われるプロダクトだと感じたことです。

3つめはこのフェーズで自分がHATALUCK に入社することで、いい結果を生み出せるのではと思えたからです。

HATALUCK では、現場のPdMより上のレイヤーの意思決定を社長が担っていて、PdMを兼務しているような状態でした。しかし、今後もこの状況だとうまくいかないと社長自身が認識していました。その役割に自分はうまく入れるだろうなとイメージ できたんです。

さらに、PdMとして成長しそうなメンバーがいて、「この人の成長を後押ししたい」とも思いました。

転職にあたって懸念していたのは、年収がどのくらい下がるかでした。下がること自体は想定していて、「このくらいの幅に収まるといいな」と思って いましたが、想定していたより、よい年収を提示してもらえて決断しました。

私は転職を意識してからHATALUCKに入社を決めるまで2年ほどかかりました。「絶対転職するぞ!」という転職のエンジンは最後までかからず、「HATALUCK に出会って、いい会社だと思ったから決めた」という感じです。

選考はカジュアル面談を入れても5社くらいしか受けていませんし、HATALUCK と並行で選考を受けていた企業はなかったので、比較検討もしませんでした。HATALUCK と出会わなければ、転職もしていなかったと思います。

長く勤めたDeNAを辞めることに、迷いはありませんでしたか?

HATALUCKと出会う半年くらい前に、「後ろ髪」というメモを作りました。自分のなかにある DeNAに残りたいと思う気持ちを 、その引力がなんなのかを、整理するためです。

一緒に働いている仲間と別れることは後ろ髪をひかれるひとつの要素です。ただ、過去に辞めた人ともつながっていますし、仮に会社を辞めたとしても仲間とはつながれます。

ほかに挙げた理由の1つが、「yoshida@」というメールアドレスです。私がDeNAの社員で1人目の吉田だったので、そのアドレスを使っていたんです。でも、「こんなことを後ろ髪リストに入れている自分がださいな」と気づくことができました(笑)

こんな風に、実際にメモにまとめてみると、どれも大したことではないなと。DeNAには出戻りの社員もいますし、辞めることをそれほど重く考えなくてもいいんじゃないかと思いました。

入社して1週目に、ミッション、ビジョン、バリューの変更を提案

実際にHATALUCKに入社されて、どのような感触を得ていますか。

私は、期待値を幅で考えるようにしています。

たとえば、入社前には、社内の雰囲気やトップダウンの度合いなどを「このくらいの幅のどこかだろう」と予測していました。

こうした予測に関しては、どのジャンルでも下回ることがなく、想定の範囲内でした。

いい意味で想定を上振れしたのは、メンバーの素直さでした。

私の転職は、ある意味「黒船がやってくる」と既存の社員に捉えられ、反発があるかもしれないとも予測していました。しかし、想定以上に素直に受け入れてもらえたんです。

また、入社してから2ヶ月ほどは自主的に週報をまとめ、社長に送っていました。入社して最初の週に送ったのは「ミッション、ビジョン、バリューを変えた方がいい」という意見と変更案でした。

変更といっても考え方・思想自体を変えるということではなく、「伝え方が拡散的だったのでわかりやすくしたほうがいい」という内容でした。

その月の末にちょうど マネージャー合宿があり、さっそくミッション、ビジョン、バリューをどう変更するかが話し合われました。

そして、22年4月に社名を変えるタイミングで、ミッション、ビジョン、バリューも変更しました。

入社してすぐに、さまざまな変革に着手されたんですね。

内定から入社するまでの期間が長かったので、その間にWantedlyなども含めて、会社が過去に発信していた 記事はほぼすべて読みました。

会社の設立が2017年と歴史が長くないので主な出来事を年表にしたり、入社後インタビューの記事を確認して、誰がいつ入社したかも整理したりしていました。

こうした発信内容を見ているうちに、「せっかくいいことを言っているのに、外の人には伝わりにくいな」と感じたんです。入社後にメンバーと話す中でも、社員にも一気通貫で伝わっていないことがあるなという印象がありました。

そのため、ミッション、 ビジョン、 バリューを整理したほうが、マネジメントもスムーズになるし、プロダクトの方向性も定めやすいと考えたんです。結果的に、私の仕事も進めやすくなります。

私からのさまざまな提案に対して、柔軟に対応してもらえているのはありがたいです。入社前に「ドキュメント管理は『Notion』が便利です」と伝えたら、私の入社と同じタイミングでプロダクト の部署でテスト的に導入することになっていました。

プロダクトはドキュメントやチケットの管理がうまくいかないと、情報の流れが変わってしまうので、受け入れてもらえてよかったです。現場のエンジニアからは「開発しやすくなった」という声もあり、つかみはOKという状態です(笑)。

実は、あまり転職した実感がないんですよね。HATALUCK は会社の規模が小さく、やり方が決まっていなかったので、会社に合わせるというより自分が主体的に組織デザインしていく感覚で仕事ができているからかもしれません。

今の課題を今の人員でどう整理するか、現場に近い立ち位置で自分は何をするかを決めていくという意味では、DeNAでの仕事の任され方と共通点がありますね。

転職を考えているPdMへのアドバイスを教えてください。

逆説的ですが、今の会社で得られる経験をしっかりとしておいた方がいいと思います。転職するということは、現職で得られる機会が得られなくなることでもありますので。

私はDeNAに長く在籍していたことで、大小さまざまなプロジェクトを経験できました。会社規模の全然違う会社に転職しましたが、その経験が今生きていると感じます。

転職前に一度、今の仕事としっかり向き合うのもいいのではないでしょうか。

どのような人がエージェントを活用したほうがいいのでしょうか。

私は転職の軸がぼんやりしている状態から、信頼できる人と壁打ちをしていくことで軸を明確にしていった感覚でした。工藤さんとやり取りを重ねたことで、「自分は何がやりたいんだっけ?」という考えの整理を手伝ってもらえました。

私のように、さまざまな情報は入ってくるけど面白いと思える企業がなく、キャリアの選択肢を広げたい人は、情報源としてエージェントを活用するのがいいと思います。

逆に、やりたいことが明確で、転職したい企業の候補が見えている人は、それに向けてエージェントを使うのもいいと思います。

担当コンサルタント:工藤直亮
構成:久保佳那
撮影:波多野匠

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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