理想のプロダクトマネージャー像を描き、バックキャストで転職先を検討。
そもそも植木さんが転職をお考えになられたきっかけを教えてください。
以前は大手自動車メーカーのグループ会社に在籍し、新規事業の起ち上げに携わっていました。製造業向けに業務効率化を支援するSaaSの開発を手がけましたが、やはり大企業ならではの組織風土があり、物事を進めるためには社内のステークホルダーマネジメントに力を注ぐ必要がありました。お客さまに価値を届けるために、実際にお客様にお会いして課題を発掘し、もっとプロダクトの価値提供を突き詰めることに集中したい気持ちが高まり、転職を考えるようになりました。
その時点からプロダクトマネージャー(PdM)への転職を考えていらっしゃったのですか。
前職はシステム開発のプロジェクトマネージャーとして入社し、新規事業の起ち上げに参画することになりました。最初はシステムの要件を決めてマネジメントする役割を務めていました。しかし、思っていた以上に起ち上げが難航して、気がつけばお客様のもとに自らヒアリングに赴いたり、自分で営業するような場面もあって、『私が担っている仕事はPdMに近いのでは?』と感じるようになったんです。
個人的には、そうしてお客様と直にコミュニケーションして課題の解像度を上げ、解決策を考えていくことが楽しかったので、転職にあたってはPdMのポジションを志向していました。
転職活動はどのように進められたのでしょうか。
最初は、とにかく見識を高めようとエージェント数社と連絡を取り、興味を持った企業にカジュアル面談の機会をどんどん設けていただきました。そこで自己応募も含めて30社ほどと接触し、カジュアル面談を重ねるなかで、自分がどんなことに面白さを感じるのかを探りながらスクリーニングしていった感じです。
弊社クライス&カンパニーとの出会いはどのような形でしたか。
2021年に開催された「プロダクトマネージャーカンファレンス」に参加し、そこでクライス&カンパニーがキャリア相談のセッションを設けていらっしゃったんです。私も今後のキャリアについてちょうど悩んでいた時期で、そちらで御社のコンサルタントの松永さんに相談に乗っていただいたのが初めてのコンタクトでした。
そちらで出会った弊社のコンサルタントの印象はいかがでしたか。
率直なところ、前回の転職時と比べると、とても良いコンサルタントの方に巡り合えたという印象でした。その時に抱いていた悩みをお伝えすると、私の人生のキャリアを踏まえた上で どのように転職の軸を定めるべきかを的確にアドバイスしてくださりました。
私はestieが3社目で、以前に勤務していた企業もキャリア入社だったのですが、最初の転職時は人生のキャリアを踏まえてというより『いまの自分ならどこに転職できるか?』という思考にとどまっていたように思います。
今後の人生を踏まえたアドバイスを受けられたとのことですが、具体的にどのような内容だったのでしょうか。
私としてはPdMとして中長期的に成長していきたいという思いがあり、それを受けて松永さんから「PdMが手がける領域は企業によって異なり、たとえば事業側まで見通すスキルがPdMに求められる会社もあれば、プロダクトのシステム領域にフォーカスする会社もあるので、個人の志向に応じて選ぶべきだ」とか、「その企業が置かれている事業フェーズによって得られるキャリアが変わるので、0→1、1→10、10→100のいろんなフェーズを経験できる場のほうがPdMとしてレバレッジが利く」とか、いろいろとアドバイスをいただきました。
そこから、将来PdMとして成功するために自分に不足していることが何かを探り、それを埋めていける転職をしようという方向性が定まったんです。PdMとしての自分の伸びしろも大いに感じ、松永さんとこうして壁打ちしながら転職活動を進めると、きっと楽しい未来が待っていそうだとワクワクしたのを覚えています。
中長期的にキャリアをお考えになられていたとのお話しですが、どのような理想像を描いていらっしゃったのですか。
いろんなプロダクトを起ち上げ、社会に新しい価値を次々と創造できるようなPdMになりたいと考えていました。それには原体験があって、学生の頃、縁あってシリコンバレーで研修を受ける機会があり、そこで日本と米国のスタートアップのエコシステムの違いを学び、いろいろな価値を連続的に創造していくことにとても惹かれたんですね。
そうした理想像からバックキャストでいまの自分を捉えると、これまでの延長線上ではそこにはたどり着けず、プロダクトの領域とか、携わる業界とか、多様な経験を積んでどこでも通用する力をつけることが重要だと意識するようになりました。