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INTERVIEW 015

2023 Jul 14

estieのプロダクトマネージャーに決定

コンサルタントの長期的な視点からのアドバイスで、転職活動が楽しくなった。

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PROFILE

株式会社estie
プロダクトマネージャー

植木勇太氏

2017年に新卒でITベンチャーに入社し、ソフトウェアエンジニアとしてサービス開発を担当。その後、トヨタ自動車のグループ会社に転職し、新規事業の立ち上げに参画。製造業向けSaaSの立ち上げにおいて、システム開発のプロジェクトマネジメントを担当した後、プロダクトマネージャーに転身。2022年8月に現職の株式会社estieにジョインし、新規プロダクトの立ち上げを担当。

POINT
理想のプロダクトマネージャー像を描き、バックキャストで転職先を検討。
カジュアル面談のなかで、プロダクトの市場規模と課題への共感性を探った。
見出せなかった自分の強みを、コンサルタントとの壁打ちで明らかにできた。
いまのキャリアに迷いがある方は、クライス&カンパニーに相談するべき。

理想のプロダクトマネージャー像を描き、バックキャストで転職先を検討。

そもそも植木さんが転職をお考えになられたきっかけを教えてください。

以前は大手自動車メーカーのグループ会社に在籍し、新規事業の起ち上げに携わっていました。製造業向けに業務効率化を支援するSaaSの開発を手がけましたが、やはり大企業ならではの組織風土があり、物事を進めるためには社内のステークホルダーマネジメントに力を注ぐ必要がありました。お客さまに価値を届けるために、実際にお客様にお会いして課題を発掘し、もっとプロダクトの価値提供を突き詰めることに集中したい気持ちが高まり、転職を考えるようになりました。

その時点からプロダクトマネージャー(PdM)への転職を考えていらっしゃったのですか。

前職はシステム開発のプロジェクトマネージャーとして入社し、新規事業の起ち上げに参画することになりました。最初はシステムの要件を決めてマネジメントする役割を務めていました。しかし、思っていた以上に起ち上げが難航して、気がつけばお客様のもとに自らヒアリングに赴いたり、自分で営業するような場面もあって、『私が担っている仕事はPdMに近いのでは?』と感じるようになったんです。

個人的には、そうしてお客様と直にコミュニケーションして課題の解像度を上げ、解決策を考えていくことが楽しかったので、転職にあたってはPdMのポジションを志向していました。

転職活動はどのように進められたのでしょうか。

最初は、とにかく見識を高めようとエージェント数社と連絡を取り、興味を持った企業にカジュアル面談の機会をどんどん設けていただきました。そこで自己応募も含めて30社ほどと接触し、カジュアル面談を重ねるなかで、自分がどんなことに面白さを感じるのかを探りながらスクリーニングしていった感じです。

弊社クライス&カンパニーとの出会いはどのような形でしたか。

2021年に開催された「プロダクトマネージャーカンファレンス」に参加し、そこでクライス&カンパニーがキャリア相談のセッションを設けていらっしゃったんです。私も今後のキャリアについてちょうど悩んでいた時期で、そちらで御社のコンサルタントの松永さんに相談に乗っていただいたのが初めてのコンタクトでした。

そちらで出会った弊社のコンサルタントの印象はいかがでしたか。

率直なところ、前回の転職時と比べると、とても良いコンサルタントの方に巡り合えたという印象でした。その時に抱いていた悩みをお伝えすると、私の人生のキャリアを踏まえた上で どのように転職の軸を定めるべきかを的確にアドバイスしてくださりました。

私はestieが3社目で、以前に勤務していた企業もキャリア入社だったのですが、最初の転職時は人生のキャリアを踏まえてというより『いまの自分ならどこに転職できるか?』という思考にとどまっていたように思います。

今後の人生を踏まえたアドバイスを受けられたとのことですが、具体的にどのような内容だったのでしょうか。

私としてはPdMとして中長期的に成長していきたいという思いがあり、それを受けて松永さんから「PdMが手がける領域は企業によって異なり、たとえば事業側まで見通すスキルがPdMに求められる会社もあれば、プロダクトのシステム領域にフォーカスする会社もあるので、個人の志向に応じて選ぶべきだ」とか、「その企業が置かれている事業フェーズによって得られるキャリアが変わるので、0→1、1→10、10→100のいろんなフェーズを経験できる場のほうがPdMとしてレバレッジが利く」とか、いろいろとアドバイスをいただきました。

そこから、将来PdMとして成功するために自分に不足していることが何かを探り、それを埋めていける転職をしようという方向性が定まったんです。PdMとしての自分の伸びしろも大いに感じ、松永さんとこうして壁打ちしながら転職活動を進めると、きっと楽しい未来が待っていそうだとワクワクしたのを覚えています。

中長期的にキャリアをお考えになられていたとのお話しですが、どのような理想像を描いていらっしゃったのですか。

いろんなプロダクトを起ち上げ、社会に新しい価値を次々と創造できるようなPdMになりたいと考えていました。それには原体験があって、学生の頃、縁あってシリコンバレーで研修を受ける機会があり、そこで日本と米国のスタートアップのエコシステムの違いを学び、いろいろな価値を連続的に創造していくことにとても惹かれたんですね。

そうした理想像からバックキャストでいまの自分を捉えると、これまでの延長線上ではそこにはたどり着けず、プロダクトの領域とか、携わる業界とか、多様な経験を積んでどこでも通用する力をつけることが重要だと意識するようになりました。

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カジュアル面談のなかで、プロダクトの市場規模と課題への共感性を探った。

弊社のコンサルタントと対話を重ねて、植木さんはどんな軸で企業を絞り込んでいかれたのでしょうか。

先ほどお話ししました通り、カジュアル面談でいろいろな会社と接するなかで、興味が持てる企業を絞り込んでいきました。具体的には、前職での経験を活かすことができ、かつ新しい領域にチャレンジできること。そしてプロダクトを通じた社会への貢献度合いや、参加する組織への貢献度合いなども考慮しました。

ご自身にふさわしい企業を見つけ出すために、カジュアル面接の場でどんな質問をされましたか。

私はPdMとして、より多くのユーザーにより大きな価値を提供したいと望んでいたので、 その企業が持つプロダクトが貢献する市場の規模感を重視していました。面談の場では、「そのプロダクトの市場規模はどのぐらいですか」と率直に質問し、その根拠となる数字とロジックをうかがって、各社を比較検討していました。

そのほか、どのような観点から企業を見極めていらっしゃったのでしょうか。

加えて重視していたのは、その企業が向き合う課題に共感できるかということですね。今回転職したestieは、オフィスなどの商業用不動産の領域で企業を支援するサービスを展開していますが、実は前職で新規事業を起ち上げる際、人員を急拡大することになり、PdMの私が総務的な業務も託されて新しいオフィスを探したことがあるんです。

個人向けの賃貸住宅は、大手不動産サイトに立地や賃料、間取りなどの情報が多数公開されているので簡単に探せますが、オフィスはまったく情報がオープンになっていない。住宅と違って賃料も非公開で、適切な物件を見つけるのにとても苦労しました。

estieのカジュアル面談でその体験をお話ししたら、商業用不動産を扱う業界内でも隣のビルの賃料がわからないのが当たり前だと知り、そんな不透明な業界構造なのかとあらためて衝撃を受けて、当社が解決しようとしている課題にとても共感できたんです。

その企業を理解するためには、プロダクトを実際に触ってみることも大切だと思いますが、BtoBのサービスではプロダクトに触れられないケースも多いのではないでしょうか。その際、植木さんはどうされていたのでしょうか。

確かにBtoBのプロダクトにはなかなか触れられないので、プレスリリースやSNSでオープンになっている情報を収集して分析する感じでしたね。あと、Youtubeでユーザー向けのPR動画を配信している企業が多いので、それを見て理解を深めたり、あとはカジュアル面談でデモをよくお願いしていました。

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見出せなかった自分の強みを、コンサルタントとの壁打ちで明らかにできた。

転職活動を進めるなかで、どんなことに苦労されましたか。

転職活動をスタートした当初は、私がPdMとしてどんな貢献ができるのか、自分の強みを見出せていない状況でした。前職は、そもそもプロダクト開発が祖業ではなかったため他にPdMもおらず、どのような振る舞いがPdMに求められているかがわからなかったので、PdMとして優れた活動ができているという自信がなかったんですね。

そもそもPdMとして転職できるのかという不安もあって、コンサルタントの松永さんに自分の経歴を見ていただき、「この点はアピールできるのではないか」というフィードバックをもらって壁打ちを繰り返していきました。

弊社のコンサルタントと壁打ちすることで自信につながりましたか。

凄くつながりました。松永さんは、いろんな企業、いろんな候補者の方とお話しされているので、第三者視点で根拠を持ってアドバイスしてくださりました。実際、松永さんから「これは実績として誇っていい」と教わったことは、面談の場でも先方から評価していただけました。一方で、私は前職でなかなか顧客と向き合えなかったことをネガティブに捉えてしまい、面談でその感情が伝わって一時期上手くいかなかったことがあったんです。

その際も松永さんに相談すると、PdMのなかには同じような悩みを抱えている人が結構いらっしゃって、それは伝え方の問題だと。私の話しぶりだと他責に聞こえてしまう恐れがあるので、言い方に気をつけたほうがいいと助言をいただきました。そして、その企業の文化や商習慣によって合う合わないがあるので、割り切りも必要だと。たとえ選考に通らなくても、それはその企業と相性が合わなかっただけと考えて前向きに臨むようになりましたね。

最終的にご決断される時は、やはり悩まれたのではないでしょうか。

ありがたいことに複数の会社から内定をいただいて、最終的に意思決定する時はかなり悩みました。私は「社会や業界への貢献」「プロダクトを作る組織への貢献」「中長期での自分の成長」の3つを軸に転職先を検討しましたが、内定先はどこもそれを満たしていました。

なかでも総合的に見てestieがいちばん楽しそうだと感じていましたが、ただ、他社が上場企業なのに対してestieはまだシリーズAのスタートアップ。そこに若干不安を覚えていて、estieのオファー面談で迷っていることを素直にお伝えしたら、「当社の創業者も三菱地所出身で、このサービスを実現したいと心から思ってestieを起ち上げた。だから最後は、自分がどれだけやりたいかが大切ではないか」というお話をいただき、そこで気づかされたんです。

それまで私は、転職先のメリットデメリットを比較してロジカルに決定しようとしていて、自分の感情を二の次にしていました。先ほど話した3つの軸は、どの会社も当てはまる。だから、最後は自分の感情で決めようと、いちばん私にフィットすると思えたestieを選んだのです。

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いまのキャリアに迷いがある方は、クライス&カンパニーに相談するべき。

estieに入社後、どのような業務に携わっていらっしゃるのでしょうか。

転職直後は、主力サービスである「estie マーケット調査」のPdMをやらせてもらいました。「estie マーケット調査」はすでに多くの企業に導入いただき、さらに市場を拡大していく10→100のフェーズにあります。そのプロダクト開発で業界の商習慣やお客様の特性を学んだ後、現在は当社が推進するWhole Product構想のもと、新規のプロダクトの起ち上げをひとつ任されています。

前職と異なりプロダクト開発に専念できる環境だと思いますが、いまどんな心境で仕事に臨まれていますか。

思った以上に楽しく、思った以上に大変ですね。楽しい点は、社内のエンジニア、デザイナー、カスタマーサクセス、事業開発など関係者みんなでプロダクトに向き合っていること。

前職はプロダクトマネジメントの考え方が浸透しておらず、社内で受託開発するような感覚でしたが、ここではチーム全員で一緒にお客様の課題を突き詰めながらプロダクトを作れるのが楽しいですね。また、前職ではPdMが私一人でしたが、ここでは私を含めて4名のPdMがいて、彼らと知見を共有しながらestieのプロダクトマネジメントの文化をより成長させていくのも面白いです。

逆に大変だと感じている点は、私はまだPdMとしての型が定まっておらず、プロダクト開発の再現性がないことです。プロダクトの価値を最大化するために、どこにボトルネックがあって、どこを改善すべきかを自ら手当てしていかなければならないのですが、優秀な仲間がいるので周囲がいち早くカバーしてくれる。PdMとして自分がどこでバリューを発揮すべきか、まだ模索している段階ですね。

植木さんは大手からスタートアップに転職されて、そのことに当初は不安を覚えていたとのお話でしたが、実際に入社されていかがですか。

あまり心配するほどのことはありませんでした。スタートアップは経営が不安定だというイメージも正直ありましたが、estieはありがたいことに資金調達がきわめて順調。良い塩梅でプロダクトの価値を最大化することに向き合えている感じですね。

どんなタイプの人材が、estieのPdMとして活躍できるとお考えですか。

PdMに求められるのはプロダクト開発に関わる意思決定をすることですが、自分ですべて抱え込むのではなく、仲間に頼るところは頼り、背中を預け合うことができる人のほうがパフォーマンスを発揮できるように思います。どう周囲と協業すればチームの力が最大化できるのか、その感度が高い方がestieでは活躍していますね。

それでは最後に、どんな人が弊社のサービスを活用したらいいのか、ご自身の経験も踏まえてお話しいただけますか。

PdMのキャリアについて相談できる人はなかなかいないのが実情です。現職で躓いている方も、そこでやり切るべきなのか、あるいは場を変えるべきなのか、クライス&カンパニーのコンサルタントに相談すれば客観的で的確なアドバイスが得られると思います。そして、PdMとして長期的に成長し、社会に大きく貢献したいというビジョンを持っている方は、それを実現するためにもクライス&カンパニーを活用しみてはいかがでしょうか。

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構成:山下和彦
撮影:波多野匠

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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