決定者の声
株式会社M&Aクラウド
Chief Financial Officer 村上祐也氏
Chief Strategy Officer 石塚純一氏
自分でキャリアの選択肢を持つ幸せと覚悟。
熱を持てる仕事で、世の中に価値を還元していく
公開日:2024年1月18日
Profile
株式会社M&Aクラウド
Chief Financial Officer 村上祐也 氏
Chief Strategy Officer 石塚純一 氏
<村上祐也氏 Profile>
東北大学工学部卒、東京大学大学院新領域創成科学研究科修了
公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
2015年新卒で野村證券株式会社へ入社。インベストメント・バンキング部門にて、インダストリアルズやコンシューマー、ヘルスケア業界の企業に対するM&AやIPO等の提案やエグゼキューションに従事。 2019年1月にM&Aクラウドに入社。M&Aアドバイザリーを担うMACAP事業本部長を務めながらCFOとして資金調達やM&Aを手がけた。
<石塚純一氏 Profile>
早稲田大学 政治経済学部卒
2006年新卒で株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。ホールディングスでの国内/海外事業の統括、経営企画を経て、複数の子会社の取締役を担当。その後Zホールディングス株式会社に入社し、ヤフー株式会社の財務企画本部長、経営企画本部長を歴任。2023年8月にM&Aクラウドに入社。
Related articles
バックグラウンドを活かして壮大なビジョンを共に実現すべく、M&Aクラウドへ参画。
まず初めに、村上さん・石塚さんのこれまでのご経歴についてお聞かせいただけますか?
村上:私は元々理系出身で、大学院を出た後に野村證券に入社して投資銀行部門でM&Aのキャリアを積んできました。ナショナルクライアントに対しM&Aのご提案やエグゼキューションを担当した後、異動してIPOも経験しました。会社経営をしていた父の影響もあり、自分の人生を使って世の中にインパクトを与えることをしたいと思っていた中で、クライスの入江さんとお話する機会があり、「M&Aクラウドという面白い会社がある」と当社代表の及川厚博に会わせていただきました。「10兆円の企業をつくる」「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を起こす」という及川の壮大なビジョンや熱量に触れ、M&Aや金融の経験を活かして一緒に大きなことを実現できるのではと考え、当社に参画しました。
石塚:私は新卒でリクルートに入社後、メディア営業を経て、国内・海外の様々な事業の統括を担当しました。当時の印象深い仕事はニューヨークにRecruit USAという会社を設立・運営したことです。文字通り世界が開けました。その後、経営企画で全社の中期経営計画策定や中間持ち株会社の設立プロジェクトなどを数年間担当した後、「従業員の経験価値を高める」というミッションの組織をつくり、全社のバリュー浸透やDX推進などを担いました。この組織はアジャイルな仕事の進め方をテーマにしており、初めてスタートアップに近い仕事の仕方に触れた感覚でした。最後の1年は8社の子会社の取締役として企業経営そのものを経験させていただきました。2021年5月にZホールディングス(現LINEヤフー)に転職して、ヤフーに出向して財務企画本部長として全社の中期計画策定や戦略立案などを担当した後、経営企画という形に組織がリデザインされ経営企画本部長を務めました。
石塚さんがM&Aクラウドへの参画を決められた際の最終的な決め手は何でしたか?
石塚:私は経営メンバーとして入る以上は、一緒に働く経営陣との相性はとても大事だと思います。相性とは、この人と接していて心地良いというフィーリングの部分と、「この人は〇〇が強い」「あの人は■■が強い」という機能の組合せだと考えています。M&Aクラウドの経営陣は、自分が入社することで機能が補完されるチームだなと思ったのです。また、先を見据えて大きく成長していこうというビジョンにも共感しM&Aという事業領域にも可能性を感じました。更には、M&Aクラウドのサービスがインターネットをドメインに置いているので自身の経験との親和性も高く、今後どうなっていくのかもよくわかるという点もプラスでした。
実際にM&Aクラウドへ入社されてみて、いかがでしたか?
村上:私が入社した頃はまだ10人ほどの組織でワンルームのオフィスでしたが、私は特にリスクは感じておらず、どの会社にいこうが結局自分次第だと思っていて、仮に入社半年で会社が潰れたとしても、自分が頑張れば次のチャンスはあるだろうと漠然と思っていました。大企業から転職してきましたが、元々何も無い前提で入ったので、制度も仕組みも無くても当然だと捉えており、ギャップや違和感は無かったですね。
石塚:頭でわかっていたことと、実際にそれを体感するのとではまったく違うということを、本当に体で理解した感覚があります。大企業は資金や人のリソースが潤沢にあるけれども、小さい会社はそれが無い。それは皆誰でも「知っている」ことですが、それが何を意味するのかは実際に入ってみて初めて「わかる」ことなので、「こういうことが起きるのか」「これはなかなかしんどいな」というのを日々様々な観点で感じますが、受けとめられないレベルではないので、クリティカルではありません。経営陣との相性という観点では、事前に何回もお話させていただいたこともあってギャップは無く、ハッピーだったなと思いますね。
Related articles
スタートアップの経営幹部として入るなら、この人達と5年一緒にやれる覚悟があるか。
経営陣との相性というお話が出ましたが、入社前にどう確認するのが良いでしょうか?
村上:特に経営幹部の方の場合は、入社後に合わないときのダメージがお互いに大きすぎるので、不可逆性が高いと思います。2~3回お会いしただけで判断するのは難しいと思っていて、食事や飲みに行って相性を確かめることも大事ですが、石塚さんに対しては、内定前に質問されたことについては会社として真摯に回答していましたし、入社前には経営会議に出ていただいたり、当社の事業計画や10兆円ロードマップ資料などを事前に共有したりと、中の情報を包み隠さず提供しました。「本当にこういうことを考えて、こういうやり方でやっているんだな」と理解いただくことや、本気で取り組んでいることを伝えるのがとても大事だと思います。理想をいうと業務委託等で一緒に働いてみて、お互い良いねというのを確かめてから正式に参画いただく形が理想的ですが、時間もかかりますし、皆が皆できるわけではないので難しいですね。
石塚:先ほど話した機能の部分は、村上さんだったらCFOとしてこういう経験をしてきた等と分かりやすいですが、フィーリングに関しては、WEB面談よりリアルで会った方がより良く分かります。また、どういう立場で入社するかによって、どこまで見極めるべきかが変わります。私が経営メンバーの立場で入るとしたら、上場後も含めて長くこの会社にいる想定になります。大きな会社のように合わなければ異動するということはできないので、この人達と長く一緒にやれるかというのは物凄く覚悟を問われるなと思ったのです。そこで、この人は何を大事にしているのか、私が大事にしている仕事の進め方の価値観とずれていないのか、深く聞くようにしていました。私は仕事を任せてもらえる方が好きですが、非常に細かく指示をしたいタイプの人もいますので。入社前には口説くために何とでも言えますが、本当にそういう人なのかどうかは注意深く聞いて判断した方が良いと思いますね。
リクルートやIBD出身の方が、転職先でCXOとして活躍できるか否かのポイントは何でしょうか?
石塚:半分は運だと思っていて、キャリアを自分で選択する段階ではない時期は、良い上司や良い仕事に恵まれた、偶々成果が出せたということもあると考えています。もう半分は地力だと思いますね。能力があり意思が強ければ、リクルートであれば必ずどこかで誰かが引き上げてくれるので、諦めずにやり続けられるかどうかです。この地力と運の要素との掛け合わせによって、面白い仕事や高い成果が出せるポジションに恵まれ、更に成長し仕事がしやすくなって結果的に良い場に行けるのだろうなと。ただ、役職者が必ずしも仕事ができるとは限らず、運の要素で上がっていく人もいるので、そういう人が転職すると実力の観点で結果的に不幸になる場合もあると思います。
村上:IBDの場合は、一般的にPEファンド等に行くのがのブライトキャリアと言われる中で、スタートアップに行く選択をする人はまだまだ少ないと思います。特にVPやディレクターの方は年収のギャップが大きい上に、大企業を相手にしているのでスタートアップの世界を想像するのが難しいという点でかなりハードルが高いんです。私が5年前にスタートアップに行けたのは、20代後半と若かったことが大きいと思います。報酬面のギャップもそこまで大きくなく、スタートアップの情報をキャッチしながらイメージしやすかったんですね。自分が今の年齢でIBDからスタートアップに行けるかというと、相当ハードルが上がるのではと思います。
個人的な思いとしては、IBDには若くてポテンシャルが高くても苛烈な競争環境や労働環境など様々な要因によりくすぶっているような人も多くいるので、そういう人達にスタートアップへ来て欲しいですね。そのためには、金銭的な面で言えば転職で一時的に年収を下げたとしても、その後のSOのアップサイドでトータルのLTVではIBDに残り続けた場合よりも勝っているよねという成功事例を増やしていく必要があるかと思います。もちろん金銭面以外でもCXOのようなキャリアアップや、仲間と共に本気で業界や世界を変えていく経験ができるなど、色々なメリットがあります。転職に限らず、彼らが起業家と接点を持つ、自ら起業する等、様々な形でスタートアップと繋がるようになっていけば、もっとスタートアップ業界は良くなるはずだと強く感じています。
Related articles
キャリア選択の軸は、人生の最後に「これをやって良かったな」と思える仕事かどうか。
ぜひM&Aクラウドへジョインして欲しいと思われるのは、どのような方でしょうか?
石塚:ある機能をお任せして、そこを1人で推進できるような強い人ですね。そういう人が2~3人増えるだけで企業は劇的に変わります。先ほど村上さんが「くすぶっている」と表現されましたが、私の前職のような大企業でくすぶっている人は多くいる一方で、スタートアップには人が足りていません。大企業で10年しっかり経験を積んでいると、自分ではわからなくても客観的に見ればかなり仕事ができるということを外に出てみると実感されると思います。当社の各機能にキーとなる人がいれば、その機能間の結合は及川・前川や私が行いますので、その総和が大きくなっていくと考えています。当社は2人の経営者が「自分ができないことはお任せします」というスタンスなので、それができる環境かと思います。
村上:今までは本当に人やリソースが足りなくて兼務、兼務でやってきているので、専門性のある人に参画いただけると本当に良いなと思いますね。別の観点で言うと、当社は採用において「気合の入っている良い人」かどうかを大事にしていますので、ぜひそういう方に来て欲しいと思います。
クライスのご支援で何か印象に残っていることがあればお聞かせいただけますか?
村上:私の場合は、M&Aクラウドの1社のみ紹介いただき選考を受けてそこでご縁があり入社したので、当時の自分を入江さんが深く理解した上で提案いただいたという思いがあります。また、当社の採用支援をいただくという立場で言えば、我々も色々なエージェントさんとお付き合いしていますが、クライスさんはご紹介いただく方の質が非常に高く、当社にマッチしそうな方を適宜ご紹介いただけるので、本当にありがたいとお世辞抜きで思っています。
石塚:クライスさんは、コンサルタントのレベルが他のエージェントと比較して高いからこそ、候補者に対しても適切な企業を紹介でき、企業に対しても適切な候補者を紹介できるのだと思います。あとは、棚澤さんとやり取りをさせていただいている中で、「この会社はこういう観点があるかもね」といった、外部からではわからないような情報がきちんと流通されていて、良いマッチングをしようとされているのだろうな、と。エージェントによっては自分が決めたい求人を猛プッシュされることもありますが、棚澤さんはまったくそんなことも無く、個人の幸せを考えてくださっているのだと感じます。クライスさんとは一度の転職に限らず、ぜひ長期的にお付き合いをいただけると良いのではないかと思います。
最後に、CXO転職を志す方に向けて、お二人からキャリアメッセージをお願いします。
村上:私は熱を持って働きたいと思っているので、単に条件が良いとか居心地が良いというだけではなくて、振り返った時に「これはやって良かったと本当に思える仕事なのか?胸を張って言えるのか?」という軸でキャリアや仕事を選んできました。自身のバックグラウンド上、それがM&AやCFOだったというだけであって、今後ロールも変わるかもしれませんし、CFOにこだわってはいないですね。どんな仕事に熱を持てるかというのは、その人の価値観によると思います。私の場合は、「知的好奇心」「新しいことをやる」「成長できる」がキーワードです。前職で大企業のアソシエイトだった自分が、当社ではプレイヤーからスタートして、5年かけて組織マネジメントや売上をつくる経験を経て、CFOのロールまでレベルアップしてきました。今後10兆円企業の経営メンバーを目指す上では、グローバルでも相当なハイプレイヤーになれるよう更に成長していかなければいけない。それは非常にエキサイティングで面白い道だと思っています。
石塚:キャリアを自分で選択するようになってからの方が、実はしんどいと思います。大きな会社にいて、次はこういうポジションに行くと想像できるのはある意味楽だと思います。今の環境を飛び出して転職する場合は、深く内省することになるので、「自分が本当にやりたいこと、できることは何なのか」に向き合うのは苦しい部分があります。人生に選択肢があることが一見幸せに思えるけれども、選択肢が限定されているほうが楽だな、、、という思いもあります。私の場合は、自身でキャリアを選ぶようになってから覚悟を持ち、アクセラレートしていくようになりました。転職をすると、キャリアに対して誰も面倒をみてくれなくなるんですよね。私は、転職は人によっては幸せに繋がらない人もいると思いますが、転機がチャレンジングで面白いと思えるタイプの人には踏み出してみることをお薦めします。私は、人生の最後に振り返って「とても良い経験だったな」「良い仲間をつくれたな」と思える経験を仕事を通じてできると良いという人生観ですので、転職はその実現の一つのアイディアでした。
構成:神田 昭子
撮影:波多野 匠
- ※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。
CXOのキャリア構築と転職を支援します。
CXOキャリア・転職支援を申込む