ビジネスリーダーに求められる『伝える力(話の面白さ)』
コンサルタント 入江 祥之
公開日:2019年3月20日
仕事をしている中で、「もっと話が上手くなりたい」と思ったことはありませんか?
最近、わたしはイベント等でビジネスリーダー達の講演を聞く機会が増えています。そこでの講演者の方々の話は非常に面白く、とても惹きつけられます。私自身は、人前で話すことが苦手であり、コンプレックスを感じているぐらいなので、話の上手い人に憧れがあり、羨ましく思います。
前述の講演等を聞いていると、話の面白い講演者達には、いくつかの共通ポイントが挙げられます。
・話の組み立てが上手く分かりやすい(論理構築力)
・相当な修羅場を乗り越えている
・それをユーモアを交えて面白おかしく話せる
・失敗経験から学んでいる
・ポジティブで楽しそうに話す
・コミュニケーション瞬発力が高い(突然の振りに対応できる)
・知識の豊富さ
・人間的な魅力(チャーミング、ユーモア、謙虚さなど)
これらのポイントのなかには、ある程度トレーニングで強化できるものもあると思います。しかしながら、「修羅場や失敗経験」といった話の中身までは、トレーニングでは強化できません。
「若いうちの苦労は買ってでも・・・」などという言葉もありますが、ビジネスリーダーは、修羅場の数だけ円熟味を増し、語れる話の深さが変わります。このコラムを読まれている方の中にはコンサルタントの方も多いですが、コンサル側と事業会社では修羅場の種類が異なります。自社の経営においては、社運を賭けた投資の意思決定、資金繰りの苦しみ、大量の退職者、幹部採用の失敗、経営メンバーの対立、倒産の危機など、コンサル側ではなかなか体験することのできない修羅場も発生します。
キャリア相談において、特に若手の方から、「将来経営を担う為に、今から何をすべきでしょうか」という質問を受けることがよくあります。多くの場合、ファイナンスやマーケティング、ITなどのいわゆるハードスキル強化を意識されています。
もちろん、それらも重要だと思いますが、わたしは『伝える力(話の面白さ)』も非常に重要な要素だと思っています。組織を率いるリーダー達は、ビジョンを語り、メンバーに同じ方向を向いて動いてもらうことが大事ですから、「人を惹きつける面白い話ができる」というのは、強い武器になると思うのです。
人はロジックだけでは動きません。感情も大事です。『伝える力』を鍛え、人の感情を動かせるようになったら、もっと仕事がうまく回っていくかと思います。
(2019年3月20日)