面接で弱みは正直に伝える方が良い
コンサルタント 入江 祥之
公開日:2020年1月20日
面接の定番の質問の一つに強みと弱みの質問があります。強みはそれほど悩むことはないかと思いますが、弱みについては、皆さんはどのように答えますでしょうか?
先日、ある候補者の面接に同席させていただいた際に、まさにこの弱みの質問を答えるのに苦労されていました。事前準備において強みやアピールポイントはしっかり準備されていたようですが、おそらく弱みについては準備されておらず、最初は、「うーん、思い当たらないですね、、」と答えられました。ただ、面接官の表情を見て、これではまずいと思われたようで、なんとか捻り出して、「慎重に考えてから動き出す傾向があり、その反面、スピードが遅れてしまうことがあります」という、強みの裏返しのような回答をされましたが、それを聞いた面接官は全く附に落ちていない顔をされていました。
面接が終わった後に面接官に評価を聞いてみたところ、やはり弱みの部分について、ネガティブな印象を持たれてしまいました。
弱みを聞く理由はいくつかありますが、一つは自己評価を正しく出来ているかどうかを確認するためです。どんな人でも弱みのない人はいません。必ず得意不得意があるものです。そして、面接は大抵1時間程度です。その短時間でその人の全てを知ることは不可能です。ちゃんと自己評価ができている人は強みと弱みの両方をきちんと理解されていて、どのような仕事、環境であればパフォーマンスを発揮できるかを知っています。面接する側もミスマッチを防ぐために出来る限り仕事内容やカルチャーなどを説明しますが、全てを正確に伝えることは難しいと思っています。従って、候補者側にも確認させてもらい、苦手な仕事をお任せしてお互いの不幸を招くようなことは避けたいと思っています。
候補者側にとっても入社後にミスマッチとならないように、弱みや苦手なことは正直に全てお話しすることをお奨めしております。例えば、経営幹部人材の方で、しばらく自分で手を動かすことをされていないのであれば、それは伝えておいた方が良いですし、英語や最新のテクノロジーに弱いのであれば、それも伝えておいた方が良いのです。採用ポジションで手を動かせるメンバーが配下にいたり、英語やテクノロジーに長けたメンバーがいて、その弱みを補える組織体制であれば、上記の弱みは採用においてクリティカルなネガティブポイントにはなりません。逆にクリティカルな問題になる場合、入社後にご自身が困るので、その会社には入社しない方が良いのです。
また、リアルな弱みを正直にカミングアウトする人に対しては、誠実なお人柄が伝わり、印象が良くなることも少なくありません。私のクライアントで弱みを5つ聞く会社があります。正直にリアルな弱みを5つ挙げてもらい、それがクリティカルなNGポイントでなければ、採用側はより確信を持ってオファーを出すことができます。
転職活動においては自己分析や面接準備は欠かせませんが、その際には強みだけでなく、ぜひ弱みもきちんと棚卸ししていただければと思います。それが自分に適した仕事選びにも繋がるのです。
(2020年1月20日)