オーナー企業でキャリアを積むメリットとデメリット
コンサルタント 入江 祥之
公開日:2022年3月22日
オーナー企業と聞いて、皆さんはどのような印象をもちますか?トップダウン、ワンマン経営、朝令暮改で振り回される、など少しネガティブなイメージをもつ方が多いかもしれません。
弊社でCXOクラスの幹部人材の求人依頼をいただくのは、圧倒的にオーナー企業(ベンチャーを含む)が多いです。そこで今回は、オーナー企業へ転職するする際の検討ポイントをお話しします。
オーナー企業は意思決定と実行が早く、大胆な経営戦略を立てやすい
国内のオーナー企業の代表格は、ソフトバンク、ファーストリテイリング、日本電産、ニトリなどが挙げられます。金融アナリストにはオーナー企業を好んで推奨する方がいるほど、実際にオーナー企業の成長率は高いと言われています。
オーナー企業の特徴は以下の点です。
・意思決定と実行が早い
・トップが経営に長く携わることが多く、中長期視点で大胆な経営戦略を立てやすい
・大胆に外部から優秀な人材を登用できる
一方、サラリーマン経営者の企業の場合、トップは自分のポストが危ぶまれるような幹部採用はあまり行わない傾向があります。
オーナー企業とサラリーマン経営者の企業を比較すると、それぞれ良し悪しがあります。
人として尊敬できるオーナー経営者で、会社のビジョンにも共感できるなら、非常に良いキャリアを積めるでしょう。経営者の哲学が企業文化を作るからです。
会社に自分のキャリアや人生を委ねるのはリスクが高い時代でもあります。会社に依存せず、自己成長や自分自身でキャリアを切り拓いていきたい人には、実力次第で裁量が大きくスピード感の早いオーナー企業はおすすめです。
私が長らくお付き合いのある一流のコンサルタントは、「オーナー企業でないと企業変革を実現するのは極めて難しいので、基本的にオーナー企業しか支援しない」と仰っていました。それほど、オーナー経営者の影響力は強いのです。
一方で、オーナー経営者は影響力が非常に強いからこそ、業績を大きく左右します。特にオーナーの人間性が破綻していると一大事です。極端なケースですが、「トップの逆鱗に触れて突然解雇された」という話を聞くこともあります。波風の立たない落ち着いた環境で働きたい方は、オーナー企業は避けた方が良いかもしれません。
オーナー企業に転職するタイミングも知っておこう
年齢を重ねてから、サラリーマン経営者の企業(特に大企業)からオーナー企業に転職するときには注意が必要です。企業文化やオーナー経営者の影響力が強いことなどに適応できない可能性もあるからです。オーナー企業で働いてみたいと考えているなら、年齢を重ねる前に一度オーナー企業で働いておくといいでしょう。
また、サラリーマン経営者であっても、プロ経営者だったり、変革意識が高いリーダーシップを持っていたりする場合は、オーナー企業に近いカルチャーになる場合もあります。
オーナー経営者であれ、サラリーマン経営者であれ、トップの経営者次第で会社は大きく左右されます。
そのため、特にオーナー企業への転職を検討されている場合は、我々のような人材紹介会社や内部の方に、経営者のスタイル、能力、人となりをしっかり確認した上で意思決定されることをおすすめします。
(2022年3月22日)