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CXOのキャリアコラム

35歳を超えたら実績で評価される

コンサルタント 入江 祥之

公開日:2025年1月20日

30代中盤以降は「実績(トラックレコード)」が重視される

転職活動は年齢に応じて評価の軸が変わり、特に幹部候補レイヤーになると顕著です。具体的には20代から30歳前後までの若年層では、学歴が良いとポテンシャルを期待されることはよくあります。そして、在籍企業を重視される傾向もあります。なぜなら、ブランド力の高い企業に在籍している場合、入社前に難易度の高い選考過程をクリアし、入社後もしっかり鍛えられているだろうという期待が生まれやすいからです。

しかし、30代中盤になると評価される軸は明確に変わっていきます。具体的な事例として、有名大学を卒業し、総合商社、戦略ファーム、ベンチャーCXOという素晴らしいご経歴の方がお見送りになることがありました。その理由は、「ベンチャーでの実績が成功体験とは言えない」というものでした。30代中盤以降になると確かな実績(トラックレコード)があるかどうかが重視され、その後のキャリアを大きく左右する傾向があります。

在籍企業で実績を積んでいるかを振り返り、転職先は実績を積める環境であるかを重視する

トラックレコードに関して、印象に残っている話があります。以前、著名な社長に以下のような質問をしたときのことです。
「最近、優秀な方が御社とスタートアップで迷われることが増えてきています。もし、●●さんならどのようにキャリアアドバイスされますか?」
すると、社長は以下のように答えられました。
「若いうちは間違いなく成功体験を積んだ方が良いです。スタートアップの成功確率は1割程度と言われていますが、うちの会社なら新規事業のおよそ8割は成功します。もしスタートアップに転職したい、起業したいと考えられているなら、まずはしっかりとトラックレコードを積むことをお勧めします」

この会話は、同社の採用に関して候補者の方にアピールする方法をお話ししていた場のものなので、ポジショントークの側面もあると思います。しかし、個人的にはとても説得力のあるお話だと思いました。
なぜなら、ベンチャーやスタートアップで活躍されている方の中には、リクルート、楽天、アマゾン、DeNA、エムスリー、メルカリなど大手IT企業やメガベンチャーの急成長フェーズで実績を残された方がたくさん活躍されているからです。

また、逆のパターンとして、所属企業のブランド力で転職できたとしても、あまり活躍できずに転々とされているケースも見受けられます。(もちろん短期間で転職していても、明確な理由があって転職し活躍されている方もいらっしゃいます)

最近では、幹部クラスの転職時にリファレンスを実施するケースが増えてきているため、リファレンスがあった際に自信を持って協力してくれる元同僚がいることも転職活動に大きく影響します。

これまでの話を踏まえると、若手の方なら次のキャリアを検討する際にトラックレコードを作れる会社であるかを見極めることが重要です。ここでいう見極めとは、ある程度の規模がある会社に限りません。スタートアップでも将来性が高く、魅力的な会社はたくさんあります。

また、30代中盤以降の方は、現職での実績をアピールできるかどうかが重要です。ぜひ目の前の仕事に集中して確かな実績を残していただければと思います。

ただ、上記は理想論であり、自分一人ではどうしようもない事情もあるでしょう。「次こそは確実な実績を残すべく、今の大事な時間を無駄にしたくない」と思われるケースもありますので、その際は転職を検討されても良いと思います。
繰り返しになりますが、一定の年齢を超えると何よりも実績(トラックレコード)が重視されます。この点に留意いただければと思います。

(2025年1月20日)

Author

入江 祥之

コンサルタント 入江 祥之

大学卒業後、野村総合研究所に入社。同社では主に IT コンサルティングに従事。その後、転職エージェントに転身してからは、これまで一貫してコンサル業界の転職サポートを中心に活動して参りました。