公開日:2012.05.20
株式会社アッカ・ネットワークス 人事総務部 採用担当 根木綾香氏
面接で重視されるポイントについてお聞かせいただけますでしょうか?
選考におけるポイントとして、大きくテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つがあります。その中でも、面接では特にヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルを重視していますね。基礎能力や人間的な魅力、人間力やビジョンを描ける総合力でしょうか。物事の本質を捉えることができる、前向きさ、素直さ、相手を許容する力など。ご自身が物事に対して前向きに考え、それを相手にわかりやすく伝える、納得させる力を持っているかどうかは重要な観点です。話し方や物腰、表情、声の出し方で察知できる部分も多くありますので、第一印象もポイントのひとつですね。また、面接の中で場の雰囲気を考えながら、状況を読みながら的確に判断し、臨機応変に対応できるかどうかも気をつけています。弊社は派遣スタッフや業務委託の方々を含めて、いろいろな雇用形態のメンバーが在籍しています。そういった方々をリードし、的確に指示を与えていくことが役割でもあるため、相手にきちんと物事を伝え、理解してもらえることが大切なのです。理解してもらえなかったらそれを察知し、納得してもらえるように伝える、柔軟な対応力が必要です。
必ずお聞きになる質問、またそれに対しての返答の例など教えていただけますか?
「ご自身のキャリアを簡単にご紹介してください。」という質問を、1次面接では必ず伺うようにしています。ここではまず、初めて会った人に対してどのように自分の仕事を整理し、きちんと論理的に話せるのかという点を見ますね。また、過去に転職した時の理由や気持ち、どうして今のご自身があるのか、どうして今転職したいのか、どうしてこういう仕事を希望するのか…、といった内容を繰り返し確認していきます。この質問によってその方の人生観や仕事観がわかるのです。どの企業でも聞かれる質問だと思いますので何度も面接をされている方はスラスラと話しはじめますが、なぜその時そういう気持ちになったか、またその時のご自分をどう考えるのか等、どんどん深掘りしていきます。そこで詰まってしまうのか、スラスラ答えるか、机上だけの答え方をするのか等、お話からなんとなくその方の人間性が見えてきますね。前項の質問と重複しますが、その方のキャリアを伺いながら「そこはどうして?」といった質問を繰り返すことによって問題提起をしながら、どのように考え、話の道筋をきちんとつけられるかなど、その方の持っている総合力を確認しています。
今までの面接で良くも悪くも印象に残っているケースを教えていただけますか。
ご自身の話をずっとしている方がいましたね。面接なので、こちらが聞きたいこともいろいろあるのですが、ご自身のアピールをずっとしている。30分も40分も、こちらから話を入れようとしてもさえぎって話を続ける方でした。「場が読めないな」と感じるのと同時に、あまり強烈にアピールされると、「独りよがりなタイプ」ではないかと懸念を感じてしまいます。もちろん画一的な集団にはなって欲しくないので、いろいろな個性の方にご入社いただきたいのも事実です。ただ、あまりにも大きくふれているのも困りますね。個性的な集団であると同時に、チームワークは弊社の強みでありたいと思っていますし、、業務を遂行していくうえでは非常に大切なポイント。ご経歴や実績は問題の無い方でしたが、弊社の視点からは「?」と判断しました。面接の場でうまくコミュニケーションが取れなければ、入社されても社内でコミュニケーションが取れないと。面接の場はお互いの理解を深める場であり、ディスカッションの場としたいのです。面接の場作りに協力的かどうか、ここもポイントですね。
御社が求める人物像は?
物事に対して何かおかしいのではないかと常に考え、相手の意見を受け入れるだけではなく自分なりの意見や本質を考えようとする、ならびに考えることができる方ですね。「ACCA Value」という行動指針にもあるのですが、大切なのは物事を前向きにとらえ、チームワーク良く、夢を持って仕事に取り組み進化できること。面接でも感じるのですが、ひとつの事柄に対して前向きに捉えるか、後ろ向きに捉えるかで大きく違うと思うのです。過去を振り返っても前向きに考えられる人は、今後も何か壁にぶつかった時にも前向きに解決していけると。しっかりした目的意識を持ち、困難を克服するため誠実かつ前向きに取り組んでいける方を求めます。また、繰り返しになりますが独りよがりではない人。弊社は全ての業務で共通して、ありとあらゆる部署と接点を持ちながら業務を進めていきます。お客様はもちろん、社内でも多くのメンバーと調整を行いながら協力していかなくてはいけません。社内外ともに、しっかりとコミュニケーションを取っていける、気配りができることも大切です。
最後に、読者にアドバイスをお願いいたします。
じっくり考え、妥協しないで、仕事・会社選びをして欲しいですね。そして、選んだからには多少のことがあっても踏ん張る覚悟で入社してきて欲しい。妥協して決めることによって、入社後何かあった時に気持ちが逃げてしまう恐れがあるのではないかと思います。自分で選んだからには、人のせいにはできません。自分で責任を取るしかないと思うのです。覚悟を決めてやれば結果はついてきますし、結果に対する納得感も高いのではないでしょうか。弊社の考え方ですが、入社された方には弊社で長く頑張って欲しい。そのためにも、求めるポジションとご自身のキャリアの方向性が一致しているかどうかを何度も確認し、すり合わせを行います。ここがずれているとお互いに不幸になる可能性があるということを明確に伝え、双方の考えをしっかりと確認していきます。その方の人生を賭けた転職を、お互いにとってハッピーなものにしたい。採用する側の責任をとても強く感じています。皆様も納得した決断ができるよう妥協しないで、是非頑張って欲しいと思います。
インタビュアー / クライス&カンパニー
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。