公開日:2012.09.16
株式会社リアル 取締役 副社長 角田航氏
面接で重視されるポイントをおしえていただけますか?
一番重視したいポイントは、スキルよりメンタルな部分ですね。会社の中で何をしたいのか、会社を大きくしていく中で何を今すべきなのか、そういったことを考えられる人材なのかどうか、これが一番大きなポイントだと思います。他人から指示されて動くのか自分から考えて動くのか。ベンチャーマインドって言葉がありますが、もう少しドロップダウンすると主体性をもって全体を見ようとしているか、その視点の中で自分はどう動くべきなのか。この考え方が大切と考えます。自分のなかで納期と品質を決めて、スケジューリングをして内容を深く理解して進めていけるか。こう話してみると本当に主体性という言葉に尽きるといえますね。指示された内容だけやっていたのか、あるいは指示された内容プラスαを自分で考えて実行してきたのかは職歴からは読み取れない部分ですので面接では重視しています。
必ずお聞きする質問はどんな質問ですか?
そうですね・・・、1つだけあります。「5年、10年後何がしたいのか?」これは自分の将来ビジョンを描けているかどうか、もしくは自分の今おかれている立場を認識しているかどうかを見ています。この質問をして以下のような答えが返ってきたとします。「5年後10年後、今はまだわかりません。ただし今の自分に足りないものはこれだと思うのでこれをやっていきたいと考えています。」これって、自分の置かれている立場をちゃんと理解していますよね。5年後10年後のビジョンが明確ではないですが、こういう考えを持っている人ももちろんOKです。
この質問は結論から聞いているのでそれによって論理構成の矛盾はないか、ロジック的にものごとを考えられているのかどうかがわかります。ただ、すべて完璧に語ってもらいたいわけではないですよ、完璧に語られたら逆にちょっと怖いです。どこまで考えようとしているのか、もし将来が考えられていないのなら今からどう組み立てていこうとしているのか。つまるところしっかり自分の現状に向き合っているかどうかが重要です。
御社が求める人物像を教えてください。
自分ごととして推進できる人材かどうか。一番初めの質問でお話した主体性をもって動ける人かどうかが重要です。「スキルがあってマインドがない人」と「スキルが無いけどマインドがある人」、どちらが5年後の会社に貢献しているかという視点です。もちろん私たちが求めているのは後者で、スキルは外から身に着けることができますがそれもマインドがあっての話ですよね、「マインドなくしてスキルなし」です。これはとっても重要な要素だと思います。成功されている企業の人材に対する共通点だと思います。(とはいえまったくスキルのない人を中途採用でとるのは無理ですが・・。)上記のようなマインドをもった上で、論理的に物事を話せるかどうかも重視しています。必ず聞く質問でも話しましたが「今」と「5年後10年後」をどう論理的にロジックをもって話していけるか、これはその人の仕事の仕方にも現れることだと考えているからです。
今までの面接で印象に残っていることはどんなことですか?
うーん、正直なところ特に無いですね(笑)。かなりな人数を面接していて人それぞれありますので。ただ、やはり5年後10年後の話をして、直感的にうちの会社にあうと感じる人はいますね。最近でいいと思った方のポイントは、面接をしていて「現場のことをよく知っている人だな」と感じたところでしょうか。もっとわかりやすく言うと現場の仕事の因数分解ができている人だなと思いました。これまで、よく自分で考えて仕事をしてきた人でしたので、仕事を含めた物事の本質が理解できていましたね。「企業の成長って何でしょう?」「採用はなぜするのですか」といった本質的な質問に対してもしっかり自分の答えをもっていたことが印象的ですね。
転職者へのアドバイスをお願いします。
ありきたりですが自分がどうなりたいかしっかりもってほしいですね、中身は人それぞれでいいと思います。面接のためだけに用意されているものかどうかはすぐに伝わります。5年後10年後の話からドロップダウンしたときに何もないってことは面接用と考えざるを得ません、自分の人生と向かい合っていれば何かしらの答えを持っているはずです。つたなくても上手く言えなくても自分の中にあるものですから。企業は別に応募者に正解を求めているわけではないです、人生に正解なんて無いですから。あくまでも本人がどう考えているという気持ちを知りたいので、それに向けて本気で自分のことを考えてください。世に出ているような面接対策やキャリアの本を参考にするのはOKですがあくまで参考として、自分で考えてほしいですね。今は売り手市場ですが企業も誰でもよいわけではないです、採用後に活躍できなければお互い意味がありません。そのためにもこの会社でどうするのか?を真剣に考えて、高い参加意識をもって転職することをお勧めします。
インタビュアー / クライス&カンパニー
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。