面接官の本音 vol.136   株式会社SmartHR

株式会社SmartHR

公開日:2020.07.07

「社会の非合理を、ハックする。」をミッションに掲げ、全国2万社以上が登録するシェアNo.1のクラウド労務ソフト「SmartHR」を開発する株式会社SmartHR。複雑でアナログな人事労務をシンプルにするサービスで多くのユーザーから愛されている。同社の執行役員・VPヒューマンリソースを務める薮田孝仁氏にお話をうかがった。

株式会社SmartHR 執行役員・VPヒューマンリソース 薮田孝仁氏

Contents

【インタビュアー】コンサルタント 永田 憲章

国内シェアNo.1でも、マーケットとしては1%。まだまだこれからやるべきことは多い。

Q

まず初めに、貴社の事業内容を教えていただけますか?

薮田

人事労務の方に向けたクラウドサービスとして、雇用契約や入社手続き・年末調整等、紙の手続きをペーパーレス化するサービスを運営しています。

Q

2年連続で国内シェアNo.1の貴社に「既に事業が確立されている」「今から入社して何ができるのか」という印象を持つ候補者もおられますが、今後の方向性はいかがですか?

薮田

まさに「今から入社して何かやることあるんですか?」とよく聞かれるのですが、「まだまだたくさんある」というのが回答です。まず、より多くの大企業に導入していただくことが今後事業をスケールさせていく上で必要だと考えています。また、シェアNo.1とは言えマーケットは1%程度しか獲得できておらず、99%近くの方が未だに手書きで業務を行っている状態です。そこを変えていきたいという我々のミッション・ビジョンに共感したらご応募いただけると嬉しいです。それから、サービスの幅を広げていくという観点で、人事情報を可視化できるツールをリリースする等、労務に限らない人事に関わる新機能も提供していきたいと考えていますので、まだまだやるべきことは数多くあります。

Q

現在、貴社はどのような人材を求めていらっしゃいますか?

薮田

当社は基本的に即戦力を求めていますので、中途採用のみで新卒採用は行っていません。能力面の要件は、エンジニアやセールス等職種別に必要なスキルセットを定義しています。人物面では、当社のカルチャーにマッチしているかがポイントとなります。例えば、当社には6つのバリューが存在しますが、それに沿った行動ができそうかという点を各面接官が見ることもあります。採用とはマッチングだと考えていますので、能力がとても高いから採用するということではなく、カルチャーマッチや既存のチームメンバーとチームワークをもってやっていけるかどうか等、会社や組織との相性を大切にしています。そのため、必ずしも面接の結果がNGでも能力が低いというわけではありません。

選考では現場の判断と「公平性」を尊重し、結論は情報がホットなうちに。

Q

面接において、どのようにカルチャーフィットを見ているのですか?

薮田

現状ではまだ明確に言語化できていません。面接を行っている各部署の担当者・責任者によって個別にカルチャーフィットの判断を行っています。カルチャーフィットを測る基準を定義していくのは今後の課題ですね。

Q

採用すべきかどうか迷った時は、どのようにして結論を出していますか?

薮田

人事はファシリテーションやオーガナイズに徹しており、現場で最終的な判断を行っています。面接後は情報がホットなうちに、1日程度でジャッジしていますね。また、書類選考と面接だけでは判断が難しいこともあるためリファレンスチェックを行っており、候補者の方の現職や前職での仕事ぶりを周囲の方に回答いただき、その結果も踏まえて総合的に判断しています。

Q

貴社が面接をする上で大切にしていることはありますか?

薮田

最近の傾向としては、「迷ったらNo Go」という話をしていますね。既にチームが構成されているとか、複数メンバーが揃っている職種の場合は、チームとの相性を考えてこだわって判断するようにしています。ちょっとでも迷いがあれば、お見送りさせていただくことが多いです。一方で、これはケースバイケースですが、初めて募集する職種や、今後必要となるかもしれない職種の場合は多少迷っても採用することもあります。先行して人材を採用していくことが重要だと思っているためです。

Q

貴社は現年収や希望年収を聞かない点が非常に特徴的ですが、他にも貴社ならではのユニークな点はありますか?

薮田

年収を聞かない理由は、既存社員と新入社員との給与バランスの公平性を担保したいとの考えが根底にあるためです。他には、複数の面接官でジャッジを行う際に「せーの」で採用・不採用・迷っているの3択を出すこともしています。初めに自分と違う意見を聞くと相手に合わせたくなってしまうので、「せーの」で一斉に出すことでバイアスをかけず、公平なジャッジができるようにしています。

Q

候補者の方に面接を受ける上で準備して欲しいことはありますか?

薮田

これは当社に限らないと思いますが、ご自身が新しい環境でどんなことをやりたいのかが言語化できていると良いですね。やりたいことが当社で実現できないと、入社後にミスマッチになってしまいますので。ただ、人によっては「とにかく営業がしたい」等の志向もあるので、必ずしも詳細まで明確になっていなくても良いのですが、「SmartHRに入りたい」というのみでは「なぜ?」となってしまいます。どういう環境で働きたい等でも良いので、ぜひご自身で整理してきていただければお互いにマッチした環境なのかどうかを確認できると思います。

Q

Covid-19の影響でオンライン面接が増えていますが、貴社のご状況はいかがですか?

薮田

2020年3月から、候補者の方や社員とその周囲の方々の健康を守ることを最優先するため、選考プロセスは完全にオンラインに切り替えています。オンライン選考は、身振り手振り等の情報量が少なく判断が難しい面はあるかもしれませんが、移動時間も会議室予約も不要のため面接の日程調整が非常にスムーズになり、書類選考から面接までのリードタイムが短縮できてスピードが上がりましたね。一方で、通信回線上のトラブル等は個人の環境によって発生することもあります。良い面もあれば、今後改善が必要なこともあると思っています。

Q

最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

薮田

先ほどもお話ししたように「入社してやることがあるのか」とよく聞かれますが、まだまだあるということをお伝えしたいです。まだマーケットも1%しか獲得できていないので、やるべきことはあります。まだまだ、これから一緒にプロダクトや会社を創っていけるフェーズですので、当社にご興味をお持ちいただける方はぜひご応募をお待ちしています。

インタビュアー / コンサルタント 永田 憲章

構成: 神田 昭子

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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