公開日:2012.04.20
株式会社シニアコミュニケーション 取締役副社長 馬谷尚利氏
書類選考で重視されるポイントについてお聞かせいただけますでしょうか?
書類選考とは、お見合いでいえば相手を選ぶ段階です。当社では、当社にふさわしいパートナーかどうかという視点から応募書類を拝見しています。とりわけ重視するのは以下の2点です。
(1)当社にバリュー提供できるポテンシャルがあるか
当社は創業5年目を迎えたベンチャー企業で、スピード感を重視しています。アーリーステージから更なる飛躍を目指す段階にあり、残念ながらゼロベースから人材を育て上げていくのに十分な時間的余裕はないのが実情です。応募の段階から当社に価値提供できるスキルや経験を有していると思われない場合はお断りしています。また、当社はシニアマーケット専門のコンサルティング会社で、取引先の大半は大手上場企業になります。当社では非常にやりがいのある仕事をできる一方、クライアントに納得させることができるようなスキルが必要です。明らかに文章にセンスのない方は、ロジカルなコミュニケーションや報告書等の作成が困難と判断しお断りしています。
(2)信用できる人物かどうか
当たり前のことですが、どんなに経験が豊富でスキルが高くても信用できない人はNGです。応募理由に、自分の勤めた会社を中傷する文章を書いてくる人など論外です。当社の社内情報を外部に漏らしたり、当社を中傷する可能性が高いからです。この他転職回数が多かったり、自信過剰すぎる人も、当社が信頼してパートナーとして選択するには不十分です。
面接で重視されるポイントをエピソードなどを交えながらお聞かせいただけますか?
面接は、両者がより理解を深める、いわば相性を確認する段階です。書類への記載事項や、経験やスキルのレベルについて確認するとともに、書類上からは判断が難しいコミュニケーション能力、当社への熱意について確認します。当社は全国からも注目を集めるベンチャー企業で、仕事もかなりハードであることから、とりわけ熱意は重要です。高いスキルを有していても、「当社とともに成長するぞ」、「自分が当社を飛躍させるぞ」という熱いスピリッツを持っていなければ務まりません。大企業出身者にありがちなのですが、以前、面接を目的に来社されていながら、「転職が不安」、「ベンチャー企業は不安」などとおっしゃる方がいらっしゃいました。面接は候補者の人生相談の場ではありません。何を目的とする転職かをしっかりと抑えた上で面接に望んでいただきたく思います。転職理由が不明確ならば転職する資格はありません。
御社ならではの採用基準はありますか?
シニアマーケットは益々の市場規模の拡大が見込まれています。こうした中、当社は、シニアマーケットのリーディングカンパニーとして、シニアがいきいきと暮らせる社会の実現に貢献することを企業理念に掲げています。このため日本の大人文化の創造に寄与したいという気概がない人や、社会貢献意欲が低い人はNGです。シニアの生き方や考え方に強い興味関心がある方歓迎です。
また、単にビジネスマンとしてのスキルアップ、キャリアアップを目指すのではなく、将来の自らの姿を描いて、その大きなゴールに向かって努力している人が理想です。市場に通用する人材を目指すというだけでは物足りない。キャリア目標というのは、あくまでも自分が将来目指す姿の下位にあるので・・・人生の目標があって、それを実現するためのキャリア目標がある。長所は一層伸びるように努め、足りない要素(能力)は補うように努める。常に自分の欠点を自覚していて、それに対応しようとしている人は強い。
最後に読者の方へのアドバイスをお願いします。
■書類選考におけるポイント
他社様でも同様かと思いますが、面接者は社内のキーパーソンが兼任しています。つまり面接は、予定の多いキーパーソンが重要な取引先との面談と同様、貴重な時間を割いて候補者に会うものです。ですから応募者は書類の段階から存分にPRして会うに値すると思わせない限り面接にはなりません。
■面接におけるポイント
当社では、スキルと熱意の乗算で応募者を判断しますので、スキルか熱意のいずれかが高いだけではダメです。どんなにスキルが高くても当社と相性が悪いまま入社してしまっては相互にとっていい結果にはなりません。面接実施後は、当社の理念や考え方を十分に理解していただき、候補者と当社がよきパートナーとして相互に切磋琢磨しながら成長を続けられるような関係を構築できそうかどうかが重要になります。当社は、MBA経験者、大手コンサル会社、大手広告代理店、大手金融機関出身者など、様々な職歴を持つ人材が働いています。本文を読み、一層拡大するシニアマーケットで、当社で働く仲間とともに、大きな成長を遂げたいと思われた方、是非ともご応募ください。お待ちしています。
インタビュアー / クライス&カンパニー
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。