公開日:2012.11.05
世界屈指の総合金融グループのリサーチ・コンサルティング企業として数多くの実績を持つ三菱UFJリサーチ&コンサルティング。刻々と変化するマーケットに対応し、多くの企業が経営革新を図る中、注目度が高まっているのが、時代に対応する組織人事のあり方だ。同社の組織人事戦略部では、約60名の組織人事専門のコンサルタントが「企業活力」を引き出す組織革新をリードしている。その数、年間約200件以上。活気に満ちた同社で、今、どんな人物が求められているのか?チーフコンサルタントの木村氏にお伺いした。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 コンサルティング事業本部 東京本部 組織人事戦略部 チーフコンサルタント 木村謹治氏
御社では、コンサルタントの採用の際に「コンサルティング能力」に加えて「営業力」も重視されていますね。
弊社の場合、コンサルタントは案件獲得フェーズから前線に立ち、プロジェクトの各場面において、メンバーに対し適切な業務指示を行ってプロジェクトを推進していきます。社内には大手人事部出身者が多く、制度構築やアウトプットの質は非常に高いので、加えて「ハングリーさ」や「発想力」を求めたいと思っています。
採用選考の際には、どのような点を見ていますか。
まず、変化に対応できる“強靭性”があるか、を見ますね。逆にいえば、(ある程度の基本要件を満たしているという前提ではありますが)面接では職歴は重視していません。書籍を出版されていたり、多くの実績を持つ方も面接に来られますが、先入観を持って人を見たくないので、個人として相対して話を聞きます。胆力をしっかり持った人間でなければ、経営者と対峙することはできません。どんな変化にも対応していく強靭性と胆力をもち、アイデアや発想力を持っていながら、素直で謙虚な人。アンビバレントな条件ですが求めているのは、そういう人です。
「強靭性を持ち、胆力がありながら、素直で謙虚」という要素は、コンサルタントの資質として、大変重要ですね。特に、面接の中で“強靭性”は、どのように見極めていらっしゃいますか?
過去、逃げたくなるような状況の中で、どう対応したか?という事例を、事実ベースで聞いていきます。プロジェクトが暗礁に乗り上げた時、お客様との対応の中で問題が発生した時など、この仕事をやっている以上、必ずトラブルに遭遇します。基本的に、「うまくいっていない」からこそ呼ばれているのですから。平坦ではない道のりをどう乗り越えてきたのか、そこにご本人の人となりが表れてきますね。カッコイイことをおっしゃる方もいますが、素直に話して下さっている方を見ると好感が持てます。言葉をどう並べても、体の動き、目の動き、仕草に出ますから。鎧で固めるよりも、本音、かつ、ご自身の言葉で一生懸命伝えていただいた方が心に響きます。その方の胆力もそんな中から垣間見えたりします。
「営業力」という観点で、持っていて欲しい経験やスキルはありますか?
「営業力」も、つきつめれば人格です。ある方が「営業とは、人格の発露である」と仰っていたのですが、まさにその通りだと思います。人格にも様々な個性があります。狩猟型のスタイルがあれば、農耕型もあります。今は狩猟型のアグレッシブさを持っている人材と出会いたいと思っていますが、これも時代の流れやステージによって変わってきます。個人に内在しているものを表現しながら、人間と人間で勝負できる人が欲しいですね。
実際、入社されて御社で活躍されているコンサルタントは、どのような方が多いですか?
非常に個性豊かです。それぞれが、自分なりの流儀を持っていますね。その人の存在が場の空気を変え、組織の意識革新が進むプロモーター的な人もいれば、緻密な統計分析をベースにES(従業員満足)分野での専門性を高め、変革に貢献していく人もいます。人の流儀を真似する必要もない環境ですから、それぞれ、自分の個性を活かせる手法を見出しています。これからさらに変化していく環境においては、「金太郎飴集団」でなくて良かったと個人的には思っています。逆にいえば、「型」や「標準ツール」がないため、それに頼りたい人は、困ってしまう環境かもしれません。
最後に、御社に興味を持たれた方にメッセージをお願いします。
相手に媚びたり、良く見せようと思ったり、虚構を考えず、本質で勝負する。そんな人がいたら、私は簡単に落ちると思うんですが―。自分はこういう個性があり、過去にはこんな場面でこう対応した、自分の中で大切にしている、譲れないことはこういうことだ、と自らの言葉で語れる人と、お会いしたいと思います。
インタビュアー / クライス&カンパニー
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。