公開日:2025.03.21
プテロン・コンサルティングは、2023年に設立されたばかりの新進気鋭のコンサルティング会社だ。古代ギリシャ語で翼を意味する“Pteron”という社名には、クライアントと高め合う関係を築き、はるか高みへともに羽ばたいていくという願いが込められている。自らが保有する知識やスキル、マインドは惜しむことなくクライアントにシェアされるべきだというポリシーを掲げ、独自のカルチャーを醸成していることも大きな特徴だ。そんなプテロン・コンサルティングでは人材採用にあたって何を重視しているのか、同社を率いる山田氏に話を伺った。
株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田 啓之氏
【インタビュアー】コンサルタント 和田 智行
面接で候補者の方々に必ず聞く質問はございますか。
面接では、まず「何ができるのか」よりも「何をしたいのか」というWillをおうかがいしています。候補者のみなさんの経験や能力にももちろん興味はありますが、やはり本気のWillがその方の力を引き出す源泉になると思うので、必ず面接の冒頭でお聞きしていますね。そして、その方が本当にやりたいことが当社で実現できるのか、そのギャップをきちんと把握した上で相互理解を深めていくようにしています。
なかにはWillが明確ではない方もいらっしゃるかと思います。その際はどのようなコミュニケーションをとっていらっしゃるのでしょうか。
おっしゃる通り、ご自身のWillが曖昧だと感じる方も結構いらっしゃいます。たとえば、若手の方にWillをうかがうと、「上流に関わりたい」という声がよく寄せられるのですが、その上流というのはクライアントの経営戦略なのか、あるいはIT化構想なのか、それとも自社の組織のマネジメントを指しているのか、こちらから質問を投げかけることで明らかにしています。私はプロコーチの資格をもっているため、なぜそこに関わりたいのかという本音を引き出しながら、当社に合う人材なのかどうかを確認させてもらっています。
採用選考にあたって最も重視されているポイントを教えてください。
当社は企業カルチャーを前面に打ち出した経営を行っており、そこにフィットするかどうかを非常に重視しています。たとえば、我々はコンサルティングの域を超えて、クライアントにボーダレスで本気で寄り添っていく姿勢を掲げています。また、コンサルティングファームといえば、独立したプロフェッショナルの集まりでドライなイメージがありますが、当社は各々がノウハウを出し惜しみせず共有し、互いに切磋琢磨しながら成長していこうというウエットなカルチャーであり、ファミリー感に溢れた企業でもある。コンサルティングファームのなかではかなり珍しい存在であり、そこにフィットする人材でなければ入社後におそらくストレスを抱えてしまう。逆に、当社のカルチャーに合う方は、とても楽しくやりがいをもって働ける場です。
御社のカルチャーにフィットしているかどうかを、面接の場でどのように見極めていらっしゃるのでしょうか。
候補者の方にご質問する前に、必ず最初に会社紹介をさせていただいて私たちのカルチャーについてお伝えしているのですが、そこでの反応でわかることは多いです。我々は会社全体でファミリー感をもってお互いを高め合い、大人の青春を謳歌したいという熱い思いを抱いていて、特に大手出身のマネージャークラス以上の方々のなかには、そうした話に共感してくださる方が結構いらっしゃるんですね。「大人の青春」などというワードに対して思わず表情が緩み、明らかにポジティブな反応がうかがえた時は、私もテンションが上がります。
逆に、カルチャーに合わなそうな方も、そこで一定ですが見極めさせてもらっています。例えば当社はポジションなど関係なく、お互いをニックネームで呼び合う文化なんですね。とてもフランクな風土なので、厳格な上下関係のもとチームを率いたいという方には向いていない。ニックネーム制度のことをお話しすると、そうした方はやはり抵抗感を示されるので、ちょっと当社には合わないかなと。また、質問においても、人を大事にする動きをされるか、ご自身で手を動かすことを厭わないかなどを確かめるようにしていて、過去のご経験の中から、どれだけクライアント志向であるか、メンバー志向であるかを探り、当社にどのぐらい良い影響を及ぼしてくださるのかを判断しています。
面接の場で山田さんが残念に思われるのは、どんな時ですか。
ハイクラスの候補者のみなさんと面接させていただいていると、「経営に関わりたい」という意思を示される方がいらっしゃるのですが、どう関わりたいのかお聞きすると具体に乏しいケースがよく見受けられます。当社は設立されてまだ日が浅いながらも想いをもって経営をしているので、そういったケースはちょっと残念です。もちろん具体的な想いや得意領域があり議論をさせていただくことは歓迎です。
我々は起ち上がったばかりのベンチャーなので、事業基盤は限られます。クライアントの信頼を獲得するところから始まり、仲間となるメンバーを採用してOJTやOFF-JTでしっかりと育成し、お互いに高め合って成長できるような仕組みを設けていく。ひとつひとつ現場で人を大切にしながら成し遂げていくことが、当社における経営だと捉えていますし、私自身も現場主義を非常に大事にしています。自分も成長しながら一緒に会社を作っていきたいという思いは大切ですが、ただ戦略を描いてマネジメントするだけの人材は不要なのが実状。我々としては、面接時に会社のことを変に飾ることなく、ありのままを誠実にお伝えしており、その上でお互いに選び合う関係が理想だと考えています。
御社にとって「志ある人材」とはどのような方でしょうか。
我々は事業を営むにあたって「ビジネスとITを融合する触媒となり、企業に“本質的な変革”と“成長”をもたらす」というミッションを掲げています。このミッションに心から共鳴し、自ら実践したいという強い思いを抱いている方が、やはり当社における「志ある人材」だと思っています。
けっして「絵に描いた餅」ではなく、現場にどっぷりと浸かってクライアントに寄り添いながら最後までやり切る。クライアントのためになることであれば、ITコンサルティングの域外にまでボーダレスに染み出すことを厭わず、さまざまなステークホルダーを巻き込みながら新たな価値を創出していく。そうした志をお持ちのコンサルタントの方はたくさんいらっしゃると思うのですが、やはりいま在籍しているファームではなかなか叶わず、担当領域外まで業務を広げるとかえって自分の評価を下げることにもつながりかねない。一方、当社はそうした取り組みを大いに評価しますので、我々と志を同じくする方々にぜひ参画いただきたいですね。
最後に候補者の方に向けてメッセージをお願いします。
当社は2023年に設立された若いコンサルティング会社ですが、2期目にすでに黒字化を果たし、会社を拡大していくフェーズに入っています。いま急激にスケールしており、そのダイナミズムは当社ならではの魅力だと思いますが、ただスケールするだけでは意味がないというのがメンバー全員の共通認識で、本当に世の中にとって価値のあるコンサルティング会社を創っていくことに今後いっそう注力していきます。
3期目はそのための投資を進めており、採用や人材開発、営業、マーケティングなどをさらに強化していく考えですし、また、インナーブランディングによってファミリー感をもっと醸成していくことにも力を入れていきたい。もちろん本業のコンサルティングも様々な観点で強化していきます。企業をスケールさせる醍醐味を味わいつつ、他とは一線を画するプテロン・コンサルティングらしさを形作っていくことにも関われる、本当にいまが一番面白いタイミングです。いま日本中探しても、こんなチャンスを手にできるコンサルティング会社なんておそらくない。当社のカルチャーに惹かれてクライアントのために全力を尽くしたいという方がいらっしゃれば、ぜひ一度お会いしたいですし、ご自身のWillも含めて面接の場でいろいろと対話させていただきたいですね。
インタビュアー / コンサルタント 和田 智行
構成: 山下和彦
撮影: 波多野匠
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。
コンサルタント 和田 智行