公開日:2016.07.11
「料理をつくる楽しさを世界へ」を企業理念に掲げ、製菓・製パンの材料を直営、卸売、通販の3つのルートで販売する創業97年の老舗企業・株式会社富澤商店。全国の駅ビル・百貨店などに64の直営店舗を持ち、豊富な品揃えで女性を中心に幅広い支持を得ている。同社の魅力や求める人材について、人事部長の布施氏にお話を伺った。
株式会社富澤商店 人事部長 布施孝志氏
【インタビュアー】コンサルタント 神田 昭子
まず初めに、貴社の事業についてお聞かせいただけますか。
今から97年前に東京・町田に小売店を出したのが始まりです。元々乾物屋としてスタートし、その後パンやお菓子の材料を扱うようになりました。これらの商材は仕入のロットが大きいため、個人向けの販売に加えて、パン屋さん・菓子屋さん向けに卸売業を開始。近年はEC通販事業にも注力しています。
なるほど。(1)小売、(2)卸売、(3)通販と3つの事業の柱があるのですね。
はい。中でもEC事業は全国のユーザー様を対象に、製パン・製菓材料をメインとして展開しています。例えば「コーヒーを飲もう」と言えばスターバックスさんが思い浮かぶ方が多いように、「お菓子をつくろう」と言えば自然にTOMIZ(トミーズ。同社のECサイト)へアクセスする、という姿を目指しているところです。
今、貴社が欲しいのはどういう人材でしょうか?
経営的視点が持てる方ですね。「商店」との社名からも分かる通り、元々弊社は商人の気質を持った会社です。上からの指示を受けて動くのではなく、ビジネス視点を持った方を求めています。
最近入社された方で、印象に残っている方はいらっしゃいますか?
前職で役員をやっておられたような方も入社していただいていますが、やはり苦労して自ら形をつくった人はその景色を見ているためか、自信に溢れています。それは言うなれば、山頂まで行った人間だけが見られる景色ですね。
それは、具体的にはどのようなやり取りで感じられるのでしょうか。
そういう方は、最初のこちらからの問いに対して、途中で話がそれたとしても必ず的確な答えが返ってきます。
面接では、どんなポイントを見ていらっしゃいますか?
非常に基本的なことですが、時間通りに来るか、服装はきちんとしているか、履歴書の書き方が丁寧かどうか等ですね。弊社では応募シートを面接に来られた全員の方に記入いただいているのですが、通勤経路等の簡単な項目にどう回答しているかどうかを見るだけでも、その人が目的を理解しないで仕事に取り掛かっているのか、もしくは雑な仕事をしているのか等が分かります。
かなり細やかな部分も見られているのですね。
会社のベクトルとして、従業員全員が同じ方向を向くことが大事だと考えています。代表の考え方を正しく理解できるかどうかというのは重要なポイントですね。
選考で重視していらっしゃることはありますか?
弊社が97年ずっと大事にしているものは「品性」です。それは相手の立場を理解できる人、と言えると思います。例えば30才の方を採用した場合、終身雇用と考えるとあと30年あるわけです。それなら、じっくり時間をかけてでも良い人を採りたい。そのために選考では真剣に見ています。
面接で必ず聞く質問はありますか?
「他に何か質問はありますか?」というのは必ず最後に聞きます。一通り必要な情報はこちらから伝えているので、質問が無くても不思議ではないのですが、「無い」と言われると弊社に興味が無いのかと思ってしまう。「想定していたのは〇〇だったが、先ほど説明いただいたので大丈夫です」という形で返していただけると良いですね。
貴社に中途採用で入社する魅力は何でしょうか。
年功序列が一切なく、チャンスは皆平等に与えられていることです。今年初めて新卒が入社しましたが、元々は新卒採用を行っておらず、ほぼ全員が中途採用で入社しているため、完全に実力勝負です。
入社された方々のバックグラウンドについて教えていただけますか。
様々な業界から入社されていますが、食品関係は多いですね。ただ、先ほども申し上げた通り実力主義の会社ですので、倉庫業務担当として入社した後に、実績が評価されて本社管理系のポジションに登用された例などもあります。
最後に、候補者の方々へメッセージをお願いします。
「チャンスは貯蓄できない」と言うように、転職を考えている方は、現職への不満があるか、もしくは他の可能性へのチャレンジを求めていることでしょう。私は、自身の可能性に賭けたい方については心から応援したいと思っています。皆さんが転職活動において、良い結果が出ることを願っています。
インタビュアー / コンサルタント 神田 昭子
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。