面接官の本音 vol.14   株式会社アクセル

株式会社アクセル

公開日:2012.03.30

株式会社アクセル 取締役 CFO 春山佳亮氏

Contents

Q

まずはじめに、御社が求める人物像を教えてもらえますか?

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業務を遂行する上では、もちろんスキルや経験も大事ですが、この会社で自分は何をしたいのか、社会に対してどのような価値を生み出していきたいのか真剣に考えた上で、理念と使命を共有していただける方を求めています。特に、私どもの事業は人間の生命に直結していますので、倫理観と使命感をもって仕事をしていただける方かどうかが非常に重要です。スタッフひとりひとり仕事の内容は違いますが、自分たちが行なう業務の一つひとつが患者さんを救うことにつながっているのだという”思い”を持ち、それを共有することが非常に大切だと考えています。

Q

面接でよく聞かれる質問、重視するポイントを教えていただけますか?

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まず、その方が過去の様々な場面でどのような意思決定をしてきたかを質問させていただきます。人生の岐路となるような大きな決断もあれば、日常的に行う小さな判断もありますが、「何故そのように考え、何故そうしたのか」を具体的にお聞きすることにより、その人の根底にある考え方や価値観を理解するための一助にしようということです。履歴書等から時系列で網羅的にお伺いするのが一般的ですが、特徴的な傾向があれば、質問というよりは、ひとつのテーマに絞ったディスカッションのような形でお話させていただくこともあります。

また、応募職種にあった形で、実際に発生し得る具体的な状況を仮定して、「あなたならどのように判断し、どのようなアクションをとりますか?」というようなことも併せて伺わせていただくことも多いですね。一般的な質問よりも、端的に問題解決能力や対応力を見ることができると思います。

また、基本的なことですが、弊社の事業について勉強しているかどうかはよく見ています。すべてを事前に理解することはできないと思いますが、事業内容もよく分からずに応募するのはどうかと思います。面接はお互いがお互いを対等な立場で見極める場だと考えていますので、ある程度事前に情報を収集しておくのは当然ですよね。

Q

具体的な面接でのエピソードを教えて下さい。

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あまりに多すぎて、逆に何をお話したらよいのか、すぐには思い浮かばないのですが・・・・。(笑)

例えば、先日、役員秘書の面接を受けた女性の例があります。この方は、最初に来社する前に、弊社の目論見書を大変よく読み込んできていました。ちょうど上場前後のタイミングで、同時期にいくつかの職種について人材を募集していましたが、ホームページで目論見書をきちんと読んで、理解しようと努めてきた人は他には殆どいませんでした。自分の目標に対する行動が結びついている点と、自分の転職先を自分で判断しようとしている姿勢、そして意識レベルの高さは大変評価できるものだと思います。恐らく普段の仕事もこんな風にやってくれるのではと期待できますしね。

Q

御社の事業を一言で言うと?

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そうですね、当社のビジネスをきちんと理解するのはなかなか難しいかも知れませんが、一言で言えば、「最先端のバイオテクノロジーを利用した新しい医療を、できるだけ速く身近な医療として提供する」ということになるでしょうか。

現在事業の中心となっている『免疫細胞療法総合支援サービス』は、がんや難知性ウィルス疾患を対象とした免疫細胞療法を安全かつ効率的に実施するために必要な技術・ノウハウ、施設、資材、技術者、システム等を包括的に医療機関へ提供するものです。

免疫細胞療法は、身体の中に発生した異常な細胞を排除する働きをもつ免疫細胞を体外に取り出し、活性化・増殖させて、その働きを大きく高めた上で、再び身体に戻すことにより、治療を行なうという細胞医療のひとつです。これまでも、一部の大学病院で、高度先進医療として行なわれてきましたが、ひとつの医療機関で実施できる治療は年間10症例程度とごく僅かなものに過ぎませんでした。細胞医療には、極めて高度なバイオテクノロジー・ノウハウ、徹底的な安全管理された専用の施設・設備、特殊な資材、オーダーメイド医療という従来にない医療形態に対応する情報システム等が必要となります。これを医療機関が単独で実行するのは非常に難しいため、普及医療としての免疫細胞療法実現を阻んでいた要因となっていました。その意味で、弊社の『免疫細胞療法総合支援サービス』のビジネスモデルは、今目の前にいる患者さんに医療機関が最善の医療を提供することを可能とするものであり、医療機関と企業との新たな機能分担の形として画期的なものであると言えます。

Q

最後に読者の方へのアドバイスをお願いします。

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転職を考える前に、まず、自分が社会に対してどのような価値を創造したいのかを、真剣に考えることからはじめてみては如何でしょうか?その上で、そのような価値を創造するために自分にできることは何か、その実現にはどのような組織が必要なのかを考えることにより、なすべきことが見えてくるかと思います。キャリアのためのキャリアではなく、自分が目標とする価値創造活動に必要なキャリア形成を目指すべきでしょう。

その結果として、「転職」という選択肢が有効であったとします。そうしたら、今度は「起業」と同じだと考えて準備を進めてみることをお勧めします。自ら会社を作ろうとするのに、何も考えずにアクションを起こす人はあまりいないでしょう。マーケティングやビジネスプランの作成等、事前に準備するべきことは山ほどあります。転職する場合も、転職先候補として考えている組織が自らの目標を達成し得る場なのかどうかを徹底的に分析し、考えることが必要でしょう。事業目的は?経営理念は?事業戦略は?自分はそこでどのような役割を果たし、どのような価値創造に資することができるのか?できる限りの情報を事前に収集、分析し、疑問点、不明点は面接のときにきちんと確認する。それさえ怠らなければ、「面接でこう質問されたら、こう応えよう」などという無駄な準備は必要ないと思いますが、如何でしょうか?

インタビュアー / クライス&カンパニー

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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