「採用が変われば、企業が変わる」という信念を私たちは持っています。なぜ、そう確信しているのかといえば、「企業力を超える採用力」をやり続け、成功したリクルートでの経験があるからです。では、高成長を実現したリクルートの採用活動とはいかなるものだったか?
私は1986年にリクルートに入社して以降、7年間にわたり新卒、中途、アルバイト、留学生、役員とあらゆる階層の採用業務に携わってきました。入社時はちょうど日本がバブル経済を迎えた頃で、一年目は800人、二年目以降は1000人前後という新卒の大量採用を行っていました。ところが、会社説明会の出席者から採用する人数は全体のわずか5%未満、1000人の年なら50人程度でした。では残りの人数をどうやって採用していたかというと、リクルーターを通じてでした。ただし、一口にリクルーターと言っても他社とは位置づけがだいぶ異なります。
まず、リクルーターに配置する人数が非常に多く、採用予定人数の10分の1にものぼりました。要するに、1000人採用するために100人のリクルーターを配置していたのです。1人のリクルーターが10人を採用する計算ですね。リクルーターには新卒社員から、学生時代に体育会やサークルの主将をやっていたような、優秀で存在感のある人間が優先的に配属されていきました。つまり、ラインからも引く手あまたの期待されている人材を、採用の最前線に立たせたのです。
上司からリクルーターに対する指示はただ一つだけ。
「お前より優秀な奴を連れてこい!」
連れてくる学生は、リクルート志望がどうかはまったく関係ありません。というより、学生のほとんどはリクルートを志望していませんでした。
当時のリクルートは1985年に社名変更したばかりの段階で、現在のような知名度はありません。「無料で分厚いリクルートブックを送ってくるから、半官半民の会社だろう」という誤解されたイメージも根強かったぐらいです。いわゆる一流大学の学生から、就職志望先としてあげられることはまずありませんでした。そうした学生たちが主に志望しているのは、当時は銀行や商社でした。それも、銀行なら当時の日本興業銀行を筆頭に三菱銀行、住友銀行など。商社なら三菱商事や三井物産、住友商事、伊藤忠商事など。こうした名だたる一流企業群と無名のリクルートが採用競争を繰り広げていたわけです。普通に考えればかなり分の悪い戦いです。ところが、勝率はかなりいい線をいっていました。
では、徒手空拳のリクルートが、一流企業を相手にどう戦っていたのか? その秘密は、次回にお話ししましょう。
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[post_content] => いま、多くの企業で実施されている採用アプローチには大きな問題があります。そのやり方では、会社の成長にインパクトを与えられるような人材は採用できないのです。
いったいどういうことか?
一般的な企業の採用活動は、募集広告などで「入社したい人」を集め、その人たちに順番を付けて上から定員の数だけ採用するというものです。これは新卒採用も中途採用も基本的に変わりません。「入社したい人」のなかから採用するアプローチといえます。この採用方法の問題点は、現在の自社の業界ポジションやブランド力などに応じた人材しか採用できないことにあります。
ただ募集広告を出稿して応募者が来るのを待っているだけでは、人気企業ランキングの上位に載るような企業でない限り、会社の将来を変えるような優秀な人はなかなかやって来てくれません。仮に会社説明会には足を運んでくれたとしても、そこから入社までこぎつけるのは非常に困難です。人材側の立場になってみれば、業界トップの会社から内定をもらう力のある人が、よほどの理由がない限り業界下位の会社を選ばないのは当然でしょう。
一方、「入社したい人」ではなくそれぞれの会社にとって「入社して欲しい人」を探し出し、フォローして採用するというアプローチがあります。自社の発展に貢献してくれそうな優秀な人を発掘し、一生懸命口説いて採用する。これを「企業力を超える採用力」と言い、こうして入社した優秀な人たちが活躍すれば確実に企業は変わります。
あなたの会社の採用力は「企業力に応じた採用力」か「企業力を超える採用力」か、どちらに当てはまるでしょうか?私たちは「採用が変われば企業が変わる」という信念に基づき、「企業力を超える採用力をお客様に提供する」をミッションとしています。つまり当社が介在すると、放っておけばトップ企業に入社してしまう優秀な人たちを見つけ出し、企業の魅力をきちんと伝え採用プロセスをサポートして、彼ら彼女らの入社を実現できるようになる、というわけです。
実際に「企業力を超える採用力」を発揮し、成功を収めた企業は少なくありません。その典型的な例がリクルートです。一介のベンチャー企業が現在のような姿になり得た要因は、「入社して欲しい人」へ徹底的にアプローチし、採用していったからです。私は同社が急成長を遂げた時代に7年間、最前線で新卒・中途採用を行ってきました。次回は「採用が変われば、企業が変わる」という私たちの信念の根底にある、そのときの経験についてお話しましょう。
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