採用コラム

Column Vol. 57

社員を定着させたければ「ベテラン社員」を大切にせよ!

採用した社員をいかに定着させるかは、企業にとって非常に重要な問題です。

そのために経営者がなすべきことは何か。
結論から述べると、答えは「ベテラン社員を大切にする」です。

長く自社に勤めている社員は社長が思っている以上に存在感があり、
その動向を若い社員が注目しています。

自分が10年後、20年後、その社員と同じくらいの年齢になったときに
どうなっているかというロールモデルとしての見方と、
そのときに会社からどんな処遇を受けているのかという、
会社から自分が将来どう扱われるかのケーススタディとしての見方をしているためです。

長く勤めている社員が蓄積したキャリアに対する敬意を持って扱われているかどうか。
一生懸命仕事をして会社に貢献した社員がリタイアするとき、
希望次第で嘱託として働き続けられたり独立のサポートを受けられる道があったりと、
きちんと功に報いられているかどうか。

つまり、会社が功労者に対して礼を尽くし、
卒業するときは手厚く支援しているかを社員はよく見ています。

もし長年に渡り貢献してきた功労者が報われず、
会社を卒業した途端、路頭に迷うような会社で頑張ろうとは誰も思わないでしょう。

それでは社員の定着も望めません。

逆に頑張って貢献し続ければ将来も報われるとわかれば、
社員は安心して仕事に打ち込むことができ、長く働きたいと考えます。

私は40歳になったとき、メンターから
「功労者が年を取ったとき、どうするかちゃんと考えておきなさい」と
アドバイスされたことが忘れられなくて、
いまでも心に刻み付け、そのための準備もしています。

ただし、長く勤めている社員だからといって甘やかすような処遇をすれば、
若い社員は「既得権益だ!」と受け止めます。

後から入った人が損をすることに若い人たちは非常に敏感で、
マイナスの影響を与えることにも留意すべきでしょう。

会社が功労者にどんな処遇をするかは、
現役社員に対する強力なメッセージになります。

功あるベテラン社員に敬意をもって接し、その行く末を考えてあげることは
「わが社は社員を大切にしている」という一番のメッセージになるのです。

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どんな会社にも有形・無形のローカルルールがたくさんありますから、新人が入社したらどんな優秀な人でもフィッティングの支援をしてあげる必要があります。

とりわけお勧めしたいのは周囲が寄ってたかって応援して、どんな小さなことでもよいので成果を出す経験をできるだけ早くさせてあげることです。新人がなかなか成果を出せないとどんどんマイナスへ、しかも他責の方向へ考えが向かってしまいがちだからです。

「商品がいま一つだから売れない……」
「仕組みの完成度が低く効率が悪いから成果もあがらない……」

なかなか成果を出せないとそんな風に考え始め、ますます成果から遠ざかる負のスパイラルにはまってしまうのです。

転職をした人は皆さん腹を括って決断したとはいえ、新しい環境に不安も感じており、「この会社を選んで本当に良かったのか?」と自分の決断の正しさを頭のなかで検証しています。

そのため、すぐに成果が出れば「転職してよかった」と自分の決断を正しかったと感じ、自ずと転職先での出来事を肯定的に受け入れるようになります。

逆に、成果が出ないと「転職は失敗だったのではないか?」「他社に転職したほうがよかったのでは?」と迷いが生じてしまうわけです。

「入社してからも迷うような人はいらない」と思われるかもしれませんが、人間の心理とはそんなものです。

だから、まずはどんな小さなことでもよいので成功体験を積ませてあげる。

そのために周囲のみんなで新人を寄ってたかって応援するという風土を確立することです。

当社のケースを見ていても、経験者採用したプロフィットセンターの新人は初受注するまで非常に苦労しますが、一度受注すればその後は順調に立ち上がっていきます。

つまり、できるだけ早く初受注させることが新人に活躍してもらう大事なポイントなので、受注に結び付きそうな案件を先輩社員が声をかけて一緒にやったり、よい情報があればすぐ教えたりしながら、みんなで寄ってたかって初受注を支援しています。

せっかく高い費用と多くの時間を使って採用をしているのですから、新人には早く活躍してもらわなければもったいないでしょう。

早く活躍してもらうには「経験者だから」といって放置するのではなく、会社側もフィッティングの努力を惜しまないことです。

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