採用コラム

Column Vol. 60

自社にとって「よい人」の基準をどうつくるか?

 
人材獲得競争が繰り広げられているなかで「よい人」を採用するには
いま自分たちはどういう人が欲しいのか、人物面についての判断基準を明確化し
共有することが第一歩になると前回はお話しました。
 
今回はその方法について述べたいと思います。
 
人物面の判断基準を作成するプロセスはまず、
幹部社員が集まって「こういう人が欲しい」という要素をどんどん出していきます。
 
放っておくと20項目や30項目はすぐ出てきますが、
よく眺めてみると同じようなことを違う言葉で表現しているものが多々あります。
 
それらは参加者のコンセンサスを取りながら統合していきます。
 
統合を進めていくとたくさんあった「こういう人が欲しい」の要素は
6、7個に絞られていきます。
そこまで絞り込めたら、今度は参加者の議論によって最も重要な要素のトップ3を決定します。
 
次に、最も重要な3つの要素について評価するには、
面接で候補者にどんな質問を行うと有効かを検討します。
 
その上で実際の面接で面接官が分担してそれらの質問を行い、
多角的に評価をしていく。
 
以上の作業を行うと、自分たちが定義した「求める人材」のジャッジを
以前よりずっと明確にできるようになります。
 
これらの作業プロセスを経ることで、幹部社員の採用の重要性に対する
理解が深まるメリットもあります。
 
より詳しい内容についてご興味のある方は、ぜひ当社のコンサルタントにお声掛けください。
 
人物面の判断基準をはっきりさせ過ぎると、対象とする候補者の幅が狭まってしまい、
ますます採用できる人数が減ってしまうのではと心配する採用担当者がいるかもしれません。
 
しかし「この能力については求めている水準にまだ達していないが、
この人物基準については合致している」といった見方ができるようになり、
むしろ網をかけるべき候補者の幅は広がります。
 
経営者によっては「そんな面倒くさいことをしなくても俺が決めるからいいんだよ」
と考える人もいるでしょう。
 
しかし「どんな人が自社に合うのか、言葉にしてみませんか」と問うと、
的確な言葉で表現できる人は非常に少ないです。
 
ほとんどの経営者は経験に裏打ちされた基準と好みで判断しています。
その枠はかなり狭いことが多く、現在のように人材獲得競争が激化している時期には
採るべき人材の見落としにつながってしまいます。
 
誤解のないよう付け加えておくと、以上は採用における直感の重要性を
否定するものではありません。
 
人との出会いにおける直感やときめきはとても大切で、
採否の決断は理屈だけで考えるものではありません。
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最近、お客様から「どうすればよい人を採れますか?」というご相談が非常に増えています。

さまざまな分野で人手不足のニュースが報じられている通り、
急速に人材の採用は困難になっており、とりわけ優秀な人材が採用市場に出ると
引っ張りだこという状況になっています。

人手不足の傾向がどんどん強まっている時代において、よい人材を採用するにはどうすればよいか。
今回からはお客様のご相談が多いこのテーマについて、しばらくお話をしていきたいと思います。

「どうすればよい人を採れますか?」と相談されたとき、
私がまずお聞きするのは「よい人とはどういう人ですか?」「どんな人が欲しいのですか?」。

こう質問するとスキル面に関しては「英語ができる人」「この分野の経験が3年以上ある人」と
はっきりしていても、人物像に関しては明確ではないことが多いです。

概して「よい人」というのは人物面に関する要素を指しています。
責任感の強さや粘り強さ、積極性や性格の明るさ等々、人物面に関する要素は
実際に面接での判断材料にされてもいます。

ところがその判断基準になるはずの「求める人物像」は多くの会社で言語化も
共有もされていないのです。

できる・できないはスキルや能力から判断するものですが、
組織に合う・合わないは人物面から判断するものです。

よい人を採用したいなら、まず自社が求める「よい人」の人物像を明確に言語化し、
組織で共有することが第一歩となります。

自社が求める人物像を言語化するメリットは、具体的な議論が可能になる点です。

人物像が明確でないと「この人、とてもいいと思うんですよ」と
抽象的な話で終わってしまいますが、人物像が明確になっていると
「我々が求めているこのポイントに関しては、非常に高く評価できる。
その根拠としてはこの質問に対し、こんな答えが返ってきたからです」
といったやり取りができるようになり、採用すべき候補者の見落としが少なくなります。

また、明確な基準がないと一次面接から二次面接、二次面接から社長面接へと進むときに
「なんでこの人を上げたのか」と上から怒られる心配があるので、
各段階の面接者が候補者を厳しく見る傾向が強まります。

ところが「よい人」の人物像を明確にしておくとそうした心配はなくなり、
その点からも候補者の見落とし防止に寄与します。

では、求める人物像の明確化はどのように行えばよいか。
それは次回にお話しようと思いますが、
ご興味のある方は当社のコンサルタントにご相談ください。

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