コンサルティング業界の採用は景気に連動する傾向が強く、各社の採用意欲は非常に旺盛です。戦略ファームで年間2桁後半、総合ファームで年間1000名を超える採用計画を立てている会社もあります。
戦略ファームではIT・オペレーションに強い人材のニーズが高まり、総合ファームでは戦略コンサルタント経験者を積極的に採用し始めていて、戦略ファームと総合ファームの垣根が徐々に埋まりつつあるといえます。
また、一部のファームでは自ら資本を入れてリスクを共有しながら経営人材を投入する、PE・VC型のサービスを始めています。より早く経営経験を積みたい、第三者の立ち位置ではなく、もっと自らリスクを取ってコミットできる環境に身を置きたいという方がPE・VC機能を持つファームに流れています。
他には、デザインファームを買収する動きが活発になっていて、ビッグデータやデジタル分野の市場ニーズに応えるために、クリエイティブ路線へのシフトやデジタル化も進んでいます。そのような背景から、コンサルティング会社が広告代理店やクリエイティブ製作会社出身者、WEBエンジニア、データサイエンティスト等を採用するケースが目立ってきました。
また、以前は商社、金融、大手メーカー出身者からコンサルティングファームに転職される方が多かったのですが、最近では優秀な学生が在学中に起業したり、新卒でベンチャー企業に就職するケースが増えているため、優秀な起業経験者やベンチャー出身者を求める傾向が強くなっています。
尚、各社の採用計画数と母集団が見合っていないため、ポテンシャル採用も増えつつあるように感じます。ポテンシャル採用の場合、これまで通り、コンサルタントとして最低限必要な論理思考力やコミュニケーション力などの基礎スキルは求められますが、その他に、入社後に育て上げられるかという観点から、アドバイスを素直に受け止め、改善に努められる“柔軟性”などのマインド面を重要視する傾向も強まっています。
入江 祥之
【 CxO専門チーム / ポストコンサルタント専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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