IT・ITコンサルティング業界の採用状況は、2017年度下半期も引き続き活況です。多くの企業で採用意欲は依然として高く、技術系・業務系・営業系ともに採用ニーズは高く、シニア・ミドルクラスを含め幅広いクラスで積極的な採用を行っています。特に、ビッグデータ、AI、IoT、IoX、RPA、Fintechなどのデジタル領域に対する採用強化は引き続き顕著で、ここ最近のトレンドである「攻めのIT」に対する投資拡大を背景に、採用ニーズの高さは続いています。
経営課題として多くの企業がデジタルを活用したビジネス変革を掲げ、スキルを持った人材の獲得、および組織の強化を進めています。ロボティクス関連のニーズも本格化し、VR・ARなどを活用したソリューションなどへの取り組みも出てきました。大手コンサルティングファーム・SIerをはじめ、事業会社でも自社内でのデジタル領域の組織強化・拡大を進めており、採用市場は過熱しています。
一方で、ERP・SCMなどの基幹系、CRMなどをはじめとした情報系、金融系、公共系、EC・WEB、セキュリティ、PMOなどに対するニーズも根強く、業務系・IT系の両人材を獲得するため、各社が熾烈な採用競争を展開しています。中でもSAPの経験者を求める企業もここにきて更に多くなり、採用ニーズも改めて高まっております。
「働き方改革」の流れは、IT業界にも広がっています。これまでハードワークが当たり前となっていましたが、残業時間の削減、在宅勤務・時短勤務の推進など制度化・仕組化を強化し、恒常的な高稼働の改善に取り組む企業が増えてきました。また、需給バランスが崩れている中、優秀な人材の確保という視点とあわせ、マネジメントクラスを求める企業も多く、決定者の年齢層が上がっているのも傾向のひとつです。
業界各社が優秀な人材の獲得に対してしのぎを削る状況は、今後もしばらく続くと思われます。
半藤 剛
【 デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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