ベンチャーによる直近の資金調達額は2014年に1000億円超、2015年には1532億円、更に2016年は上半期で既に928億円と前年同期より21%増え、過去最高を更新しています。調達社数は限定的なものの、調達総額では2015年の半期水準を超えるペースで推移しており、投資の選択と集中、大型化が進行している状況といえます。また、業種の多様化もすすみ、なかでもFinTech、IoT、ロボット、人工知能が成長分野としてビジネスジャンルが確立されてきています。
また、ベンチャーを取り巻く状況として直近で顕著になってきているのが、大企業による出資、買収、提携といった動きです。大企業のビジネス環境の競争激化や製品ライフサイクルの短縮化が進む中、ベンチャーの技術を自社へ取り込む動きである「オープンイノベーション」が加速しています。
このような状況を踏まえ、ベンチャーでは大企業と伍することが出来る高いスキルと経験をもった事業開発担当者の採用ニーズが高まっています。理念への強い共感、不確実さを愉しめる柔軟性、そして給与等の保障を一旦捨てられる覚悟をもつことが出来る方にとって、今のベンチャー領域はよりダイナミックなビジネスチャンスが手にできる状況になってきているといえます。
このようにベンチャーマインドと高いスキルをもった方にはチャレンジングな転職市場といえますが、当然ながら企業側からみますと採用競争も激化している状況です。採用を成功させているベンチャーに共通するのは、優秀な潜在層に積極的にアプローチしている点、そして選考のスピードです。例えば、リファーラル採用を仕組みとして積極的に導入する企業は一定の成功を収めています。更に自社のビジョンや戦略を深く理解しえるヘッドハンターやキャリアコンサルタントと関係を深め、効率的で超スピーディーな選考活動を行い、優秀な人材を集中的に口説いていけるかどうかが採用成功の鍵となってきています。
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