ベンチャーによる直近の資金調達額は2014年に1000億円超、2015年には1532億円、更に2016年は総調達額2120億円となり、過去最高額を更新するにいたっています。調達社数は減少しているなかで調達総額は更に増加しており、投資の選択と集中、大型化が進行している状況といえます。また業種の多様化もすすみ、なかでもFinTech、IoT、ロボット、バイオ、人工知能などの多様な領域で大型調達がなされています。
また、ベンチャーを取り巻く状況として直近で顕著になってきているのが、大企業による出資、買収、提携といった動きです。大企業のビジネス環境の競争激化や製品ライフサイクルの短縮化が進む中、ベンチャーの技術を自社へ取り込む動きである「オープンイノベーション」が更に加速しています。直近3年におけるベンチャーのEXITは、IPOよりM&Aの方が件数ベースでやや多い状況で上場会社によるM&Aは100億円を超えるものも出てきています。
このような状況を踏まえ、ベンチャーでは大企業と伍することが出来る高いビジネススキルと知見をもった事業開発担当者の採用ニーズが高まっています。理念への強い共感、不確実さを愉しめる柔軟性をもつことが出来る方にとって、今のベンチャー領域はよりダイナミックなビジネスチャンスが手にできる状況になってきているといえます。
一方でベンチャー転職時に注意が必要なのは、給与等足元の保障を一旦捨てられる覚悟をもてうるかどうかです。大型調達に成功し多額の資金を得ているベンチャーも実績として多く存在するようになってきていますが、そのような環境に飛び込む際に高額な給与を得られると誤解する方も少なくありません。ベンチャーの経営陣と報酬に関する価値観が異なっていてはスタートアップという同じ船に乗ることはなかなか難しいといえます。
給与面も含めての不確実さを楽しみつつ、大いなるビジョン実現に向けてのチャレンジが出来る環境という意味で現在のベンチャーは非常にチャンス溢れる選択肢となってきています。
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